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オペレータからジェネレータへ~求められる人材像の変化

2012年2月15日更新

オペレータからジェネレータへ~求められる人材像の変化

年度末を控え、2012年3月期の業績予想を発表する企業が増えてきました。各社の発表を見ていて感じるのは、同じ業界内でも勝ち組と負け組の間の業績格差が、以前よりも大きくなっているということと、事業構造を見直し得意分野・成長分野に経営資源を集中させた企業が勝ち組になっているということの二つです。 

 このことから、企業が取り組むべき経営課題の中でも「変革」の重要性が高まっていることが読み取れるのです。


経営課題の重点テーマが変わると、求められる人材像も当然のことながら変わります。右肩上がりの経済成長のもと、「効率」が重視されていた時代には「オペレータ(Operator)型」と呼ばれる、決められた手順で効率的に仕事をこなす人材が求められていました。ところが前述のとおり、変革が重視されるようになった現代では、「ジェネレータ(Generator) 型」と呼ばれる、主体性と変革推進力を兼ね備えた人材が求められているのです。


二つのタイプの人材は育成の方法が大きく異なります。前者は、MBAに代表されるような知識・スキル教育が最も効果的ですが、後者は「人間教育」によって、使命感や忍耐力、叡智を涵養する必要があるのです。現代の人材育成の問題は、ジェネレータ型人材の輩出が求められているにも拘らず、相変わらず知識・スキル教育に偏重した取組みがなされている点にあると言えます。今こそ、育成のあり方を根本から見直し、時代が要求する仕組みに変えていく必要があるでしょう。その際に、留意したいことは以下の3点です。

 

①あくまでも人は仕事を通じて育つもの。従って、上司はOJTを通じて、部下に強い要求を投げ、仕事の中で修羅場を経験させて鍛えること

 

② 自修自得が人の成長の大前提である。能力開発は自己責任という考え方のもと、  学ぶ風土を醸成すること。特に、教養(古典、歴史、哲学、文学作品など)に触れることは、人生観や仕事観を確立する上で、非常に重要である

 

③「何のために」という問いかけを投げかける。生きる目的や、働く目的、といった本質的な問いに対して、自分と向き合う時間を日々の仕事や、研修の場につくること

 

ジェネレータ型人材の育成は、一朝一夕にできるものではありません。だからこそ、早めに自社の人材育成の現状を点検し、優先順位をつけて、できることから地道に着手する必要があります。次年度以降の人材育成のあり方について、ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。                            

  



※Generatorとは、自家発電機などの意味を表すことから、「主体的に考え、行動する人材」をイメージする際の、メタファーとした。
 

 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 経営理念研究本部 教育研修部 主幹講師。

経済産業大臣認定 中小企業診断士          

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