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進まない中小企業の「働き方改革」~人事担当者は何をするべきか

進まない中小企業の「働き方改革」~人事担当者は何をするべきか

(2018年3月12日更新)

 
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今や企業で合言葉となっている「働き方改革」。中小企業では「残業削減」「時短」と勘違いしているケースがほとんどです。取り組みが進まない現状に対して、人事担当者は何をするべきでしょうか。

 

「わが社も働き方改革だ! ムダな残業を削減して、時短と売上・利益を同時に達成する! 今日から残業は禁止!」――あなたの会社は、このような「働き方改革」になっていませんか? 今回は、改めて「働き方改革」の本当の考え方・意味・目的を明らかにします。

 

成果が上がらない! 中小企業の「働き方改革」の悲しい現実

安倍首相は、今国会に提出する働き方改革関連法案において、不適切なデータ問題が発覚した裁量労働制の拡大を切り離し、大企業の残業時間の上限規制を盛り込むという方針に変更しました。

すでに、中小企業については残業時間の上限規制を1年延期する方針を固めています。人手不足で悩む中小企業の経営者は「経営を圧迫しかねない」と強く反発していましたから当然の流れです。

実際、中小企業で「働き方改革」に取り組んでいる企業は4割ほどと言われています。取り組んでいる企業においても、ほとんど成果があがっていないのが現状です。やはり、大企業と中小企業ではかなり温度差があるように感じます。

 

残業削減や時短が「働き方改革」の“目的”になっていませんか?

3年ほど前から、経営者や管理職から「働き方改革にどう取り組めばいいでしょうか?」というご質問を受けるようになりました。ほとんどの企業が「働き方改革」の目的をないがしろにして、残業削減や時短に取り組もうとしていました。本来、手段であるはずの残業削減や時短が、目的になっているケースがほとんどです。目的が議論されないまま手段にばかり目がいっているから、なんだかわからないまま、みんなが残業削減や時短をやっているのではないでしょうか? そのため社員は「やらされ感」が否めません。

仕事があるのに残業ができない「ジタハラ(時短ハラスメント)」が横行したり、便乗時短をする社員も出てきたりと様々な問題が発生しています。これでは、「働き方改革」が「働かない改革」に陥って、逆に業績を下げ、生産性を落とすことになりかねません。

 

「働き方改革」の本当の意味を考えていますか?

「働き方改革」は、企業だけではなく日本の最重要課題です。なぜ今、「働き方改革」なのでしょうか?

政府が掲げる「働き方改革」の目的は、一言で言えば、深刻な労働力不足を背景に「1億総活躍社会」を実現することにあります。企業においては、人手不足の解消と長時間労働の是正を「生産性向上」で実現することです。

私は「働き方改革」の本質は、働く人が人生100年時代を見据えて豊かな充実した人生を生きるために、生き方・働き方・学び方を改めることだと考えています。すべての働く人が生き方を考え、仕事との向き合い方を変えることです。「働き方の改革をすることが、働く人一人ひとりにとって、どういう意味を持つことなのか」をしっかり考えることが一番重要です。

そのためには、まず経営者から変わらなければいけません。まず本気で働き方改革を推進することを宣言し、率先して働き方改革を実践すべきです。そして、働く人の視点に立って、働きやすい職場、働き甲斐のある職場にするために、まずは社員の生活、健康、やりがいを優先的に考えた制度や仕組みをつくることが大切です。究極の目的は、働いてもらっている人に「この会社で働けて幸せ!」「この会社で働いてよかった!」と感じてもらうことです。

 

「働き方改革」で人事担当者は何をなすべきか?

ほんの数年前まで、成果を出すためには長時間労働が当たり前でした。多くの人が人生のほとんどを仕事、企業のために捧げてきたといっても過言ではありません。

しかし、これから人生100年時代がやってくることを見据えて、家族、趣味、キャリア、健康、お金など人生で大切なことと向き合って、「これからの時間をどう過ごすのか」「どのように働くことが自分の幸せにつながるのか」を一人ひとりがしっかり考えることが求められます。

残業が減って、効率的な仕事をして高い成果を出せば所得も増え、さらに時短によって自由に使える時間も増えます。仕事の生産性を上げることが、人生を豊かにし幸せな人生を送ることにつながります。

つまり、「働き方改革」は「生き方改革」であることを理解してもらうことです。経営者の方針だから、上司の指示だからやるのではなく、社員一人ひとりが幸せな人生を送るために主体性を持って生産性を向上していくことが大切です。

そのために、人事担当者として何ができるのでしょうか?

まずは、「働き方改革」の本当の意味をしっかり学ぶ研修を企画してはいかがでしょう。自社で働く人すべてが働き甲斐、幸せを感じる職場をつくるために「人事は何ができるのか」を考えることが、「働き方改革」を促進します。

 

 

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茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 

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