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人事部長からいきなり質問されても...。社員が答えやすくなるひと言とは?

人事部長からいきなり質問されても...。社員が答えやすくなるひと言とは?

(2019年5月14日更新)

 
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人事部長だからこそ身につけたい質問のスキルがあります。社員とのコミュニケーションのなかで何に気をつければ相手は答えやすくなるのでしょうか。

 

質問で追い詰めすぎない

社員に何か質問するときには、人事部長としての立場を意識する必要があります。

社内では、誰にでも立場があります。もちろん、時には友人のように接する場面もあるかもしれません。しかし基本は、人事部長としてのあなたは、一般社員と気の合う友人でもなければ、同僚でもありません。

ここで言いたいのは、部下は立場上「それは違います」「そう思いません」など、わかりやすく表現しますと「ノー」とあからさまには答えられない質問があるのです。もしも、その類の質問をよくしているとしたら、あなたは意識しないうちに相手を追い詰めていることになります。

理由の一つは、人事部長のあなたに、あからさまに反対・反発すると、相手は人事評価が下がると思ってしまうからです。仕事の能力や成果で、そうした人間関係の問題をすべてカバーできる逸材なら別でしょうが、多くの社員は、そうそう大差がつけにくいからこそ努力して学んでいるわけです。仮に評価に本当は影響しなくても、社員は人事部長のあなたからの質問をそのように意識するわけです。繰り返しますが、相手を追い込んでしまう質問には注意が必要です。

 

部下の意見を求める質問

質問はコミュニケーションの一部です。このことは、質問だけを切り取ってもうまくいかないことを意味します。

たとえば、部下の意見を求める質問は良い質問でしょうが、そこに至るまでに、会話の流れがあります。これを無視すると、自然なコミュニケーションにはなりません。

コミュニケーションがうまくとれている上司は、練りこんでリハーサルを繰り返した質問であっても、いかにも自然にしますので、部下は違和感を覚えないものです。

「君の意見は?」「あなたはどう思う?」というのは、それだけなら良い質問です。しかし、何かあるごとに、前置きなしに、会話の流れも、タイミングも無視してこればかりでは自然に聞こえません。下手をすると、何かの本に「部下の意見を聞きましょう」と書いてあったのを読んで無理に実践しているのかな、とさえ思われるかもしれません。

 

追い込みタイプの質問はNG!

いきなりの質問でもう一つ、追い込みタイプのものがあります。「そうは思わない?」「そう思いませんか?」の類です。同意を求めているようにも感じますが、何かあるたびにこれでは困ります。

というのは、この手の質問は先述したように、部下が「ノー」と答えることができないからです。人事部長がそう思わないか聞いてきているのですから、相手が一般社員の場合「そうですね」くらいしか言えないでしょう。「そうですかね?」と疑問を示す言い方ができる部下は、まずいません。「僕は良くないと思うけど、そう思わない?」と聞かれたら、あからさまに反対はできないでしょう。

その繰り返しが、いつのまにか心理的に部下を追い込んでいるのです。

 

相手の理解度を測る質問は難しい

人事部長として、質問する相手の理解度を測る質問は欠かせません。しかし、率直な答えを得るのは難しいものです。

まず、人によっては、こんなことも知らないのかと思われたくないという心理が働きます。はっきり「知りません」とは言いにくいということです。それが特殊な専門知識ならまだしも、仕事の進め方の基本だったり、いわば常識についてだったり、ましてや相手が人事部長でしたら、先述の評価を意識することもあるのでなおさらです。

相手の理解度を測るためには、結論としては、知っているかどうかを質問するのはベストな選択ではないことを忘れないようにしましょう。結局、知っていれば知っているという答えがあるでしょう。そして知らなかったとしても「聞いたことはあります」のような答えが返ってくるものです。ですので、質問の仕方に工夫するのです。

たとえば、

・ひとこと要約した言葉を加える

・「聞いたことがあるかもしれないが」と思いやりの言葉を加える

というようなことです。

 

要約や思いやりの言葉を添える

要約を加えれば、万一知らなくても、かなり想像がつくでしょう。

たとえば、コミュニケーションの話題であれば「人に質問する時に、はじめは“クローズド質問”、つまりハイかイイエで答えられる質問からするのが好ましいのだが……」。この言い方なら、「クローズド質問」の意味を相手が知らなくても、わかったふりをしなくてすみます。

また、「聞いたことがあるかもしれないけれど」というひと言も有効です。この一言で部下はホッとして発言をしやすくなるでしょう。

結論として、部下の理解度を探るために、知っているかどうかを訊ねるときには、質問の仕方に工夫が必要ということ。さらに言えば、知っているかどうかそのものでは、当人の理解度、仕事ができるかどうかはわからないものです。

大切なのは、決断力や、学ぼうという意欲や、長期展望できる力などで、人事部長のあなたと同質なことが部下にも求められています。質問のスキルを磨いて、それらをコミュニケーションの中で見極めていくことが大切です。

 


 

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松本幸夫(まつもと・ゆきお)

人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。


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