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モチベーションマネジメントの本質とは?~社員が幸せに働くために

モチベーションマネジメントの本質とは?~社員が幸せに働くために

(2019年9月19日更新)

 
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社員のやる気が上がるとき、あるいは下がるときの状況から、社員が幸せに働くためのモチベーションマネジメントを考えてみましょう。

 

モチベーションの本質とは?

モチベーションとは、もともと「動機づけ」を意味する言葉ですが、職場などでは「意欲」とか「やる気」といった感覚で使われるのが一般的でしょう。

多くの組織の場合、モチベーションは生産性の向上や離職率の低下に繋がるという理由から取り組んでいる会社が多いように思います。

しかしそれは結果論ではないでしょうか。筆者は、組織におけるモチベーションの向上の本質は、「社員が幸せに働くための大切な要素である」と考えています。それがあるからこそ、結果としての生産性の向上や離職率の低下があるのです。

そして、社員がイキイキと働く組織は、働く人のモチベーションが高いという共通の特徴があります。

では、そのような組織では、社員のモチベーションが上がるように、または下がらないように、どのような工夫をしているのでしょうか。

 

社員のモチベーションが上がるとき

そもそも、働いていてモチベーションが上がるとき、下がるときにはどのようなときでしょう。たとえば、上がるときを考えるのであれば「この仕事をやっていて、本当によかった」と思えることに目を向けるとよいでしょう。それが分かりやすく表現されているのが、さまざまな会社の新卒採用の案内などに載っている「先輩社員の声」です。

まだ社会人経験のない学生に向けて、先輩社員が自社で働くことの「魅力」や「やりがい」を熱く語っていますが、これがモチベーションを考えるうえで参考になります。

一例を挙げてみましょう。

「自分の仕事が、先輩や上司に認められたとき」

「職場の仲間と共に、困難な仕事をやり遂げたとき」

「頑張って設定した目標を達成できたとき」

「自分の仕事で、お客様から笑顔や感謝を頂けたとき」

「仕事を通じて、自己成長を感じたとき」

「自分の仕事(会社)が、社会の役に立っていると実感できたとき」

これらの項目は仕事の業種業態が変わっても共通しています。

 

モチベーションが下がるとき

次に、モチベーションが下がるときを考えてみましょう。それにはまず上記の項目を反対にしてみると分かりやすいでしょう。

「先輩や上司に認めてもらえない」

「職場の人との一体感や、仲間意識がない」

「設定した目標が達成できない」

「お客様からのクレームが多い」

「仕事を通じての、自己成長を感じられない」

「自分の仕事(会社)が、社会の役に立っていると実感できない」

そのほか、転職サイトなどに載っている離職理由などを見てみるのも参考になります。

「職場の人間関係が悪い」

「サービス残業が多い」

「掲げている理念と、実際にやっていることが乖離している」

「この仕事(会社)に、将来性を感じない」

「安全面・衛生面などの労働環境が悪い」

これら以外には、本人の「不摂生による健康面の悪化」などもあることでしょう。

 

モチベーションマネジメントを再考する

では、社員がイキイキと働く組織では、先に挙げたモチベーションが「上がるとき」「下がるとき」の、どの項目に対してマネジメントを行っているのでしょうか。その答えはいたって簡単で、「全部」に対してです。

社員がイキイキと働く組織を作り上げている組織では、例外なく全ての項目に何かしらの手を打っているものです。

まれに、会社として手を打っていないのに社員がイキイキと働く組織がありますが、それはおそらく特定の、誰かリーダーシップを発揮できる立場の人に、よほど優秀な人がいることが考えられます。しかし、そうした状態は、あくまで属人的な成果であって、組織としてモチベーションが高い環境が築かれているわけではありません。

やはり、組織として先に挙げたすべての項目をマネジメントしていくべきでしょう。

「いやいや、全部と言っても、本人の不摂生による健康面の悪化とか、会社で健康診断をやっていますけど、それ以上個人の生活面のことをどうしろと言うんですか?」という意見もあるかもしれません。

確かにそれは一理ありそうなのですが、しかし「そこは個人のことだから」と何もしない会社なのか、それとも「たとえ個人のことであっても、社員がイキイキと働ける会社をつくるためには妥協せず」という姿勢で何かしら手を打とうと工夫を重ねている会社なのか、という話なのです。

 

伊那食品工業の事例

ここで、社員が幸せな会社として本連載でたびたびとりあげている伊那食品工業の事例をご紹介しましょう。伊那食品工業では、毎年会社のスローガンを掲げているそうですが、ある年は「身体にいいことを何か一つ」がスローガンでした。会社スローガンなのに仕事には触れていないところに、会社のモチベーションマネジメントに対する(社員一人ひとりの健康に対する)姿勢が表れています。一般的な会社で、このようなスローガンを掲げる会社は稀ではないでしょうか。

これはスローガンを掲げる取り組みが、社員のモチベーションを上げるための手法なのではなく、会社としての姿勢がモチベーションマネジメントとしてスローガンに示されたという話なのです。

社員がイキイキと働く組織づくりは、会社としてだけのテーマではなく、一人でも部下や後輩がいる全ての社会人に共通するテーマです。たとえお金が無くても、時間が無くても、人手が無くても、目の前のモチベーションが上がる要因を増やし、下がる要因を出来る範囲から工夫して取り組んでいく、そんな姿勢が何より大切です。

 

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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