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新任管理職研修の基本を解説。昇格研修の目的、内容、プログラムを紹介

2024年5月 1日更新

新任管理職研修の基本を解説。昇格研修の目的、内容、プログラムを紹介

新任管理職研修は、管理職の昇格時に実施する研修です。部下育成や業績・業務管理など、幅広い役割を果たすために必要なマネジメント力、リーダーシップ、ヒューマンスキルを習得させます。今回は、あらためて新任管理職研修の目的や内容を確認し、具体的なプログラムを策定するポイントを解説します。

INDEX

課長研修 マネジメント革新コース(2日)

部長研修 部長力強化コース

新任管理職研修とは?

「新任管理職研修」は、新たに管理職に昇格した人を対象に、必要な心構えやスキルを習得していただくために実施する研修です。階層ごとに実施される社員研修の中では、新入社員の導入研修と同じように、たいへん重要な研修といえます。管理職研修は全員に参加させる一斉参加型研修と、課題やテーマを選定して対象者を選んで参加させる選抜型研修がありますが、新任管理職研修は一斉参加型が採用されるのがほとんどです。最近ではオンラインで実施するケースも増えていますが、多くの場合は集合のセミナー形式で行われます。それではまず、新任管理職研修の目的、実施時期、研修費用について確認していきましょう。

新任管理職研修の目的

新任管理職研修は、一般的に課長、マネジャーと呼ばれる人が対象になりますが、その役割を一言でいえば、人や組織を動かして成果を創出し、目標・ミッションを達成していくことといえるでしょう。そこで求められるのは「マネジメント」と「リーダーシップ」です。

「マネジメント」とは、組織の目標を達成するために、人、物、金、時間、情報などのリソースを管理し、効果的に運用していくことです。P.F.ドラッカーは著書の中で、マネジメントを「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と定義しています。

いっぽう、「リーダーシップ」は、目標達成のために部下を動機付け、チームをけん引していくことです。リーダーシップを発揮するためには、管理職自身の人柄や能力はもちろん、志やビジョン、人生観なども問われます。

そこで、新任管理職研修の目的は、管理職としての職責への自覚を促し、マネジメント力とリーダーシップを発揮するための基本的な考え方とスキルを学ぶということとなります。

最適な研修時期

新任管理職研修の実施時期はおおむね、5月~6月が一番多く、ついで10月後半~11月が多くなっています。これは、新年度で管理職に昇格したら、なるべく早い時期に研修を受けさせたいという人事研修担当の意向によるものでしょう。実際、新任管理職研修には、昇格という節目として、「セレモニー」的な意味合いもあります。「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、やはり昇格直後の意欲の高い時期に実施したいものです。

とはいえ、小規模の会社では一時期に昇格する新任管理職の人数が少ないことから、数年分の昇格者をまとめて研修を実施するというケースもあるようです。管理職として立場が変わった直後は、忙しい時間を過ごすケースも少なくありませんし、自身のマネジメント上の課題認識が十分でないこともあります。そういう意味では、一定期間を置いてから研修を実施するのも、理にかなっているといえるかもしれません。

研修費用の考え方

研修を外部に委託する場合には、費用の目安、相場も知っておきたいものです。しかし、試しにインターネットで調べてみると、講師1人あたり1日の費用はじつに幅広い金額が出てきます。講師の人気や著名性、研修会社のコミット具合などにより、大きく異なる金額が出てくるのは当然です。

それよりも、まず考慮すべきは、講師を自社に招いてインハウスで行うのか、公開講座に対象者を参加させるのか、基本方針を決めることです。

講師を自社に招く場合、受講対人数が一定数いないと1人当たりの研修費用は割高になります。そうしたことから、新任管理職研修の場合、講師を呼ぶのではなく公開型研修に参加させる、あるいはDVD教材などを活用して内製化するといった企業も多いようです。

講師を招いてのインハウス型研修、公開型研修、内制型研修にはそれぞれメリットがありますから、費用面だけでなく、そうした点も考慮して最適な方法を選ぶことをお勧めします。

参考:外部研修とインハウス研修、どちらの効果が高いのか?

新任管理職に習得してほしいスキル

新任管理職になると今までの仕事力にプラスアルファして人を管理し、チームのパフォーマンスを最大化に導くリーダーシップのスキルが求められます。しかし、具体的にどのような力を習得すればよいかわからない方もいるでしょう。ここでは、新任管理職に必要とされる3つのスキルを紹介します。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルとは複雑な事象を整理して抽象的に理解し、業務や課題の本質を理解する能力です。管理職に必要なスキルを明示したカッツ理論で登場した概念で、上位のマネージャーになるほど重要度の高い力であるといわれています。

外してはいけないポイントを即座に捉えて、重要な部分を把握できるため、業務の合理性を高めて効率的に働く際に役立つのです。また、過去の問題と今の課題との間に共通項を見出し、効果的な解決策が迅速に思いつくようになるため、PDCAサイクルを素早く回す時にも役立ちます。

具体的にコンセプチュアルスキルが役立つシーンは、ビジョンやミッションを提示し、メンバーを鼓舞して熱量を高めたい時や、市場分析で獲得したデータを使ってビジネスに有用な知見を得たい時であるといえます。経営層になっても役立つ力でもあるため、新任管理職のうちから意識して鍛えたい能力です。

参考:コンセプチュアルスキルの高め方とは?構成要素一覧も解説

ヒューマンスキル

管理職になると作業を迅速かつミスなくこなす仕事力よりも、人を動かす際に必要なヒューマンスキルの比重が上がります。チームのメンバーと信頼関係を構築して、十二分に意欲を引き出し、組織目標を達成しなければなりません。

感情がある人間が、常に論理的で筋が通った行動を取るとは限りません。正論ばかりで塗り固めると、頭では理解できても心では納得できないと感じた部下が指導を聞き入れなくなるでしょう。優れた人間性や傾聴力、褒める・叱る力などがあってこそ、話を聞こうと思えるのです。

業務の成果だけを追うのではなく、部下の成長のために必要な指導、サポートに心を砕いていけば、人材の可能性を引き出し、人と組織を動かすリーダーシップが自然と身に付いていくものです。

テクニカルスキル

組織目標を達成するためにはテクニカルスキルも欠かせません。具体的な例を挙げると、プレゼンテーションスキルやITスキル、業務に関する専門技能、さらには目標設定や計画立案、スケジュール管理といったマネジメント・スキルもこれに該当します。

こうしたテクニカルスキルがあると部下の指導もより具体的にできるものですし、マネジメントを遂行するうえで一定レベルは必要になります。ただ、テクニカルスキルにやや欠ける点があっても、部下の能力やスキルをうまく活用できる力があれば、管理職としては十分にリカバーできるともいえるでしょう。

管理職に求められる主な役割

たとえ新任であっても管理職の職責は重大です。自らに課された責任を全うするため、果たすべき役割は何なのでしょうか。管理職に求められる大まかな役割は「人材育成」「業績・業務の遂行管理」「企業理念の浸透」です。

人材育成

部下の育成ならびに目標を達成できる組織を作り上げるうえで、人材育成は欠かせません。各部門に求められる人材要件を把握し必要なスキルと経験を決めて、育成方針を策定するほか、期末にはフィードバックの機会を設けて適切な評価を下します。

もちろん部下の強みや弱みが明らかになった場合は、足りない部分を伸ばすために効果的な育成計画の立案にも関与します。

業績・業務の管理

昨今ではほとんどの企業でMBO(目標管理制度)が導入されていると思われますが、部下一人ひとりに適切な目標を設定し、その達成を支援し、部門の目標を達成することは管理職の必須要件と言えるでしょう。成功体験や達成感はや部下の能力開発とモチベーション向上にもつながります。そうした善循環をどう生み出していくか。管理職の手腕が問われます。

経営理念の浸透

もうひとつ、管理職に求められる重要な役割として、従業員に経営理念を浸透させることが挙げられます。各自が勝手に動くだけではチームのパフォーマンスは向上しないため、リーダーやマネージャーが舵取りをしなくてはいけません。

目指す方向をひとつにし、メンバー全員が同じ目標を持つためには経営理念の浸透が欠かせません。会社が目指す姿や辿り着いた先の栄光を具体的にイメージできるようになれば、管理職が鼓舞せずとも目標達成のために各自が主体的に動き始めるでしょう。

ただし経営理念は毎日復唱していれば浸透していくというものではありません。リーダーが自分の言葉で語り、「繰り返し訴える」ということもまた必要になるでしょう。

研修実施にあたり、必ず検討しておくべき3つのこと

研修を企画、実施するにあたって検討しておくべきこととしては、「研修目標(ゴール)の設定」「管理職自身の現状把握(課題の洗い出し)」「研修後のフォロー計画」の3つがあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。

研修目標の設定

まずは研修目標(ゴール)の明確化です。どんな管理職になってほしいのか、具体的なゴールイメージを設定することからはじめましょう。そのためには、あらかじめ自社が理想とする管理職像を定義したり、ロールモデルを決めておくとよいでしょう。

例えば、PHPゼミナールの「課長研修」では下記のような研修目標を掲げています。

「目標・ミッション達成のために、部下の可能性を引き出すマネジメント力を習得させる」

課長研修マネジメント革新コース

こちらは公開型の講座なので汎用的な研修目標になっていますが、自社で決めるときは、より具体的なものが設定できるのではないでしょうか。

こうした研修目標は、会社や業界、受講者のポジションによりさまざまですから、どれが正解というものでもありません。ただし、会社としての研修目標が不明確では、受講者である新任管理職も意欲をもって参加することはできません。美辞麗句にこだわる必要などありませんが、受講者である管理職にわかりやすいメッセージ、会社の期待が伝わる研修目標を設定するようにしましょう。

受講者自身の現状把握(課題の洗い出し)

研修の前には、管理職自身の現状把握、具体的な課題の洗い出しをしておくことをおすすめします。研修目標に照らして現状とのギャップを認識できれば、不足する資質や考え方、知識やスキルがわかります。そこで、事前にアセスメントを実施したり、課題図書などで問題意識を喚起しておくと、研修の効果をより高めることが期待できます。

研修後のフォロー計画

初級管理職研修では知識やスキルを学ぶだけではなく、リーダーとしての態度・行動変容がもたらされなければなりません。しかし、実際には「研修は実施したけれど、効果が長続きしない」というケースも少なくないようです。やはり、適切なフォローアップ施策は準備しておきたいものです。

フォローアップ施策としては、研修後の通信教育やeラーニングを活用することが多いようですが、最近では「アクションラーニング」が取り入れられる傾向があります。

アクションラーニングは、集合形式の研修セミナーを実施しておしまいとせず、職場実践と振り返りを行い、フォロー研修を実施することで「学び」の定着を図ろうというものです。初級管理職研修を単なる昇格時のセレモニーにおわらせないために、管理職の教育計画には、そうしたフォロー施策についても事前に検討しておくことをお勧めします。

管理職が抱える課題と具体的な研修内容

先ほど、研修の前には現状把握・課題の洗い出しが大切だと述べましたが、ここでは新任管理職が悩みがちな課題について整理しておきます。そのうえで、初級管理職研修の内容と具体的なプログラムを検討していきます。

管理職の悩み

管理職が悩みがちな課題

変化が激しく、価値観も多様化している現代において、管理職はさまざまな課題を抱えています。とくに、はじめて部下を持ち、職場を任せられた新任管理者であれば、昇格のうれしさややりがい以上に不安を感じるという人は少なくありません。

管理職が悩みがちな課題は下記のようなものがあります。

目標が大きすぎる!

・トップダウンで来る予算と現場実態の乖離
・組織目標達成へのプレッシャー

部下の指導、指導が苦手だ......荷が重い

・人材育成、部下のモチベーションアップ
・女性や高齢者など人的資産の新たな活用(ダイバーシティ)
・目標管理(MBO)と適切な評価、処遇
・テレワークへの対応

仕事をうまく任せることが出来ない......

・メンバーへの仕事の割り振り、タスク管理
・生産性向上
・働き方改革

チームワークがいまひとつ。エンゲージメントを高めたい!

・職場内のメンバーの関係性やコミュニケーション
・チームビルディング

コンプライアンスが心配だ......

・部下のメンタルヘルス(ラインケア)
・セクハラ、パワハラ、マタハラ、ジタハラ
・情報漏洩などリスク管理

忙しすぎて、マネジメントや部下指導に時間が割けない!

・管理職自身のタイムマネジメント
・セルフマネジメント

もちろん他にもさまざまな課題や悩みがあると思いますが、ここでは、「業績のマネジメント」「部下のマネジメント」「職場環境のマネジメント」「タイムマネジメント(セルフマネジメント)」という4つの視点から、研修の具体的な内容について考えていきましょう。

業績のマネジメント

まずは「業績のマネジメント」です。どの部門でも事業戦略をもとに、半期あるいは月次単位で目標と計画を立てているはずです。その進捗を管理し、適切な手を打って目標を達成することは管理職の役割です。「新任だから...」といった言い訳は通用しません。

管理職に求められる知識やスキルは、業種や職種によっても異なりますが、戦略思考、マーケティング、管理会計など多岐にわたります。しかし、限られた期間・時間で実施される新任管理職研修で、これらすべてをカバーすることはできません。ただし、「業績のマネジメント」という役割、責任の自覚を促すことは、昇格時の研修ではとても重要なテーマとなります。

部下のマネジメント

部下のモチベーションアップ、能力開発、適材適所の配置、適切な評価・処遇といった「部下のマネジメント」も管理職の役割です。若者の仕事観の多様化はもちろん、昨今では女性や高齢者、外国人の登用などのダイバーシティ(人的資産の新たな活用)もすすみ、「部下のマネジメント」はかつてのように単純ではありません。

それでも管理職は「目標設定」→「計画策定」→「実行・改善」というプロセスの中で、人と組織を動かし、成果を生み出していかねばなりません。そのため、新任管理職研修では「部下のマネジメント」にかなりの比重を置いたプログラムを組むのが一般的です。

単に目標を与えてノルマ管理をするだけでは管理職としては機能しません。内発的な動機付けを行うためにも、目標管理(MBO)、1on1、コーチングなど部下指導・支援のスキルは、必須で盛り込みたいところです。

職場環境のマネジメント

部下のやる気を引き出し、成長を促すには、「職場環境のマネジメント」も忘れてはなりません。「風通しの良い職場風土」「働きやすい環境づくり」をすすめることは、職場の生産性を向上させることはもちろん、エンゲージメントを高め、貴重な人材の離職防止につながります。また、ハラスメント防止、コンプライアンス、メンタルヘルス(ラインケア)なども、職場環境のマネジメントの一環と位置づけられます。

昨今では、テレワークによるオンラインコミュニケーションが増えてきているので、職場環境のマネジメントは難しい面もあります。働きやすい職場づくりをどうすすめるか。その点の配慮に意識を向けることは、新任管理職研修でも大事なポイントといえるでしょう。

タイムマネジメント(セルフマネジメント)

新任管理職には、「時間の重要性とその活用方法」についても学んでもらう必要もあります。とくにプレイヤーから管理職になったばかりの管理職は、業務バランスや時間の使い方について課題を持つケースが多いようです。

管理職自身が時間に追われているようでは、部下は仕事の相談もしにくいですし、職場環境もギスギスして、組織は高いパフォーマンスを発揮できません。仕事の優先順位付けとタイムマネジメントのスキルも、無視できない研修テーマです。

新任管理職研修で取り上げるべき内容、テーマはますます増えてきています。この機会に自社の管理職における本質的な課題をしぼりこみ、あらためて研修目的やプログラムを見直してみてはいかがでしょうか。

なお、参考までにPHPゼミナール(公開セミナー)の研修プログラムをご紹介しておきます。限られた時間の中でどのような優先順位をつけ、新任管理職にとって満足度の高い研修プログラムを提供できるか。人事研修担当者の腕の見せ所です。

参考:課長研修 マネジメント革新コース(2日)-プログラム

新任管理職研修の参加意欲をどう高めるか

つづいて新任管理職研修への参加意欲をどう高めるかを考えてみましょう。新任管理職の場合、既任の管理職より高い意欲で研修に参加してくるのが一般的です。とはいえ、座学一辺倒だと集中力も途切れがちになりますので、工夫すべき点をあげておきます。

研修の意義を理解させる

当然ですが、研修の意義を理解させることが第一です。参加を促す際はもちろん、研修会の冒頭でも意義や目的をしっかり説明してください。そして、もう一つ有効なのが事前課題です。たとえば「管理職としてこれからどう行動していくべきか」「習得したいスキルは何か」などを予め整理させておくのです。これからマネジメントしていく自部門の役割や現状に即して考えさせておくとたいへん効果的です。

コンピテンシーを明らかにしておく

研修を実施する前に、コンピテンシー(成果を出す人材に共通してみられる能力や行動特性)を明らかにしておくのもよいでしょう。うまくメンバーの力を借りて、組織のパフォーマンスを向上させるマネジャー・リーダーには共通項があることが一般的です。そうしたコンピテンシーを明確にしておけば、新任管理職が研修を通して、あるいは今後の成長を通じて身に付けていくべき「理想の姿」を明確にイメージすることができ、行動・態度変容につながります。

ディスカッションや実践の場を設ける

ディスカッションや実践の場を設けることも重要です。新任管理職研修で学ぶべき内容は多々あるとはいえ、知識詰め込み型の座学一辺倒では参加意欲も低下しますし、実践力も身につきません。ケーススタディやグループディスカッションなど、参加型のプログラムになるようぜひ工夫してみてください。

もちろん参加意欲を高めるためには研修講師の力量も問われます。そういう意味では、インストラクションスキルに長けたプロの研修講師を起用するのが、やはり安心といえます。

外部講師や研修会社を選ぶ際の3つのチェックポイント

では最後に、外部の講師や研修会社にに依頼する場合のチェックポイントをまとめておきます。具体的には、「講師の質や過去の実績」「依頼したい内容に長けているか」「総合的なフォロー体制が整っているか」といった点に注意するとよいでしょう。

講師の質や過去の実績はどうか

新任管理職研修に限ったことではありませんが、外部講師に研修を依頼する場合は、その実績を事前に確認しておきましょう。講師には得手不得手があります。講師の得意分野などは、そのキャリアなどからある程度は類推できますし、ブログやSNSをやっている講師もいますから、そちらもチェックしましょう。

また、でできれば事前に自社の研修目標を伝え、それにどう応えてくれるのかを、直接会って相談する機会を設けてもらうよう、相談するようにしましょう。

研修会社は依頼したい内容に長けているか

研修会社にも得意・不得意とする階層やテーマ、内容はあります。しかし、講師もそうですが、ホームページやカタログだけをみていても、その違いはわかりにくいものです。

新任とはいえ管理職研修ともなれば、受講者側にも一定の見識や実績があります。その点では、新入社員研修などより、講師や提供される研修内容とのミスマッチが起こる可能性は高いといえます。ですから、研修会社の営業担当などと直接話をし、自社の新任管理職の研修目標に合致するかを判断するようにしてください。

研修会社によっては講師との相談会や、公開講座の無料聴講サービスを実施しているところもあります。「依頼しないかもしれないから...」などと遠慮せず、どんどん相談を持ちかけましょう。

研修後のフォロー体制が整っているか

研修後のフォロー、サポートについても事前に調べておきましょう。前にも述べましたが、「研修がやりっぱなしになり、成果が定着しなかった」という声はよく聞かれます。フォロー用の研修会を実施してもらえるか、eラーニングや通信教育などの教材によるブレンディング教育に対応してくれるか、問題意識が芽生えたときに気軽に相談できるかなど、費用面だけで選んでしまうと、最終的に期待する研修効果が得られないということもありえます。

参考:外部研修講師の選び方、チェックリスト

参考:研修会社の選び方、チェックリスト

まとめ:管理職研修では「人間力」の涵養を

以上、新任管理職研修の進め方、その内容やプログラムを整理してきましたが、いかがでしたでしょうか。ぜひ、参考にしていただき、充実した新任管理職研修を実施してください。

最後に、「PHPゼミナール」が管理職研修で重視している「人間力」をご紹介して、まとめとさせていただきます。

組織の目標、ミッションを達成するためには、当然のことながら管理職一人の力では限界があります。人や組織を惹きつけ、動かす「リーダーシップ」が必要不可欠となりますが、私たちは、その源泉は管理職の「人間力」にあると考えています。PHPゼミナールでは、人間力を「人や組織を惹きつけ、動かす、対人影響力や行動力、発想力の総称」と定義しています。その構成要素は大きく分けて「人徳」「熱意」です。ヒューマンスキルのベースとなるリーダーの「考え方」と言い換えてもよいかもしれません。

「人間力」「人徳」「熱意」などというと、ありきたりで古臭い印象をもたれるかもしれません。抽象的過ぎてどうやって育てるのか、といった疑問を持たれる人事担当者もおられるでしょう。しかし、これらは理想的な管理職のモデリングや、グループ研究という体験演習で強みや弱みへの気づきを得ることで涵養していくことができます。

部門経営を推進するためには、管理職一人の力では限界があります。すべてのメンバーが参画する「全員経営」でなければ、組織にイノベーションは起こりませんし、大きな成果を上げることはできません。「人間力」は、その人の考え方・生き方など「人としてのあり方」であり、戦略の立案や戦術の実行、日々のマネジメントの基盤になるものです。

よろしければ、PHPゼミナールの研修プログラムを参考にしてみてください。

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