課長職にマネジメントの革新を!
RSS

新入社員研修の要は、学生から社会人への意識改革

新入社員研修の要は、学生から社会人への意識改革

(2015年11月10日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check
新入社員研修では、学生気分を払しょくさせ、社会人への意識改革を促すことが何よりも大切です。というのも、学生と社会人の違いは、「与えられる人生」から「与える人生」へと変わっていくことでもあるからです。
 
*  *  *
 

学生から社会人への意識改革

 
新入社員研修で一番大切なことは何でしょうか? 一番大切なことは、「学生から社会人への意識改革」と考えています。新入社員は、ついこの前まで学生だったため、まだまだ学生気分が抜けないまま入社してきます。新入社員研修でそんな学生気分を断ち切り、社会人としての意識改革を促すために、社会人となることの意味、働く心構えや、会社組織の一員としての意識を植え付けなければなりません。そこで働く意識をしっかり身につけないために、入社後間もなく転職を考え、早々に退職していく新入社員が後を絶ちません。
 
「七五三」という現象をご存知でしょうか? 実際、入社後の3年間に中卒者は約7割、高卒者が約5割、大卒者が約3割も退職すると言われています。経営者や人材開発担当者としても、この離職率の高さには頭を痛めているようです。採用コストは1人あたり約100万円、さらに教育費用や支払った給料がすべて泡となるためです。だからこそ、新入社員の意識を変える入社時の研修のあり方が問われていることは言うまでもありません。
 
このような事情を踏まえて、人材開発担当者は、新入社員の学生気分を1日でも早く払拭し、仕事への意欲づけを行い、社会人としての意識をもたせるために、どのように教育すればよいのでしょうか? 私が入社したコンサルティング会社から教わったことで、今でも心に刻まれているフレーズがあります。それは、「学生と社会人の違い」は、「与えられる人生」から「与える人生」になるということです。
 
学生のうちは、常に「与えられる人生」でした。両親や学校の先生、周りの人からいろいろなものを与えられました。たとえば、食事や衣服、自分の部屋、生活用品、お小遣い、おもちゃ、学校や塾に通う費用など、両親から与えてられていました。学校ではカリキュラムや教材、時間割が決められていて、お金を払っているから先生から授業を与えられていました。
 
しかし、社会人になれば、この考え方を180度転換しなければいけません。社会人になると今度は「与える人生」になります。自分の能力を発揮して、お客様に商品やサービスを提供して満足してもらうとともに、会社に貢献しなければ、給料をもらえません。
 
そこで、新入社員研修で人材開発担当者は、必ず次のように教えていただきたいと思います。
 
「モノやサービスをお客様に『与える』には、与えるに値するだけの知識、経験、スキルが必要です。しかし、新入社員は十分な知識、経験、スキルを持ち合わせていません。その時こそ、元気、情熱、誠実さ、感謝の気持ち、思いやりなど今出せるものを精一杯与えることが大切です。すべてはあなたの考え方・取り組み方次第です。ぜひ、与える人になって、お客様や上司、家族、そしてあなたが関わる全ての人に、たくさん喜びと感動を与えて、会社のみならず社会に貢献してください」
 
 

3つの社会人意識

 
これからのビジネス社会で「与える人」になるために3つの社会人意識が必要であると考えています。
 
1.主体性
与える人になるためには、まず自ら考え、自ら行動する姿勢を教えます。与えられるのを待つ受身姿勢から脱却し、「まずやってみる」という姿勢を植え付けてください。
 
2.相手本意
与える人は相手から常に評価されることをしっかり教えます。相手の期待を超えることができたとき、相手から感謝され、仕事のやりがいや喜びを感じることができます。
 
3.貢献意識
自分の持てる能力を最大限に発揮して、お客様や上司、会社や社会に価値を与えなければなりません。
 
自分本位の行動ではなく、周囲にまず与えることで相手からも与えられます。その結果、新入社員でも大きな成果を生むことができます。
 
私は「与える人」になるためには、この3つの社会人意識を持つことが大切だと思っています。新入社員にこれを教えても「会社ってウザイな」と思われるかもしれません。今までは「与えられる人」であったために、そう思うのも当然です。しかし、与える意識を常に持ち、与える行動を取りつづけるからこそ、成長とやりがい、感動と感謝を感じることができるのです。自分の行動が評価された時、お客様から「ありがとう」と言ってもらえた時、「頑張って良かった」ときっと感じるはずです。
 
入社当初はピンと来ないかもしれませんが、この境地に行きついたときに仕事の本当の楽しさと奥の深さを感じてくれると思います。まずは、「与える人」になることを目指してほしいと思います。人材開発担当者は、新入社員から「仕事って楽じゃないですけど、社会人ってとても楽しいですね!」と言ってもらえるように指導したいものです。
 
新入社員研修
 

 

茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。
平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

 


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ