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オンラインの時代にこそ考えたい「教育の本質」

オンラインの時代にこそ考えたい「教育の本質」

(2020年8月18日更新)

 
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コロナ禍の影響で、学校教育や企業研修の多くが「リアル」から「オンライン」を活用するスタイルに代替されました。今まさに、対面を常識としたこれまでの教育のあり方が大きく変わりつつあります。

しかし、実施形態が変わったとしても、教育の究極的な目的は変わるものではありません。では、教育とはどんな目的に向かって、どんなやり方でなされるべきものなのでしょうか?

本稿では、「教育の本質」について、改めて考えてみたいと思います。


教育とは~西堀榮三郎の持論

わが国の品質管理の創始的存在と言われる故・西堀榮三郎(にしぼり・えいざぶろう)氏の著書に、教育の本質について書かれている一節があります。


「教育には『教』と『育』があり、『教』はロジックでもって知識を授ける方法であるが、『育』は自らが体験し、その体験のなかから学んでいく方法である。

(中略)したがって、リーダーに必要なことは部下を教育するにあたって、ただ知識を授けるだけでなく『育』になるように、生きた知識を獲得するチャンスを与えることだと思う」
出典:『ものづくり道』西堀榮三郎著(WAC出版)


経営のコツは教えられない~松下幸之助の持論

一方、人づくりに並々ならぬ情熱を傾けた松下幸之助の教育に関する持論は以下のようなものでした。


「経営学は学べるが、生きた経営のコツは、教えてもらって『分かった』というものではない。一つひとつの仕事に一生懸命取り組みつつ、そのつど、これは成功であったな、とか、成功であったけれどもここのところは完全ではなかったな、という具合に反省を重ねていく。そしてそれが、やがて意識しないでも考えられるというか、反省できるようになることが必要だと思います。そういうことを刻々にくり返していると、だんだん間違いをしないようになる。ということは、経営のコツが分かってきた、ということになる」
出典:『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』松下幸之助著(PHP研究所)


人づくりに必要なバランス感覚

両者の主張に共通しているのは、ほんとうに使える実践的な知恵(実践知)は体験を通じて自得するしかない、ということであり、これが冒頭で問題提起をした教育の本質は何かという問いに対する回答でもあります。(だからといって、先人の知恵の集積である知識・スキル・ノウハウの学習を否定しているわけではありません。)

現代の人材育成は、どちらかというと「教」に重きが置かれていることが多いようですが、大切なことは「教」と「育」とのバランスをとることです。この考え方に立てば、これからの企業内教育は、主に集合研修(リアルorオンライン)が「教」の役割を担い、日々の業務を通じた指導・育成(OJT)が「育」の役割を担うのが理想といえるでしょう。


テレワーク時代のOJT

そして、OJTを支える現場の指導者(上司・先輩)が、「教」と「育」との違いを正しく認識したうえで、部下にどんどん体験を積ませ、フィードバックと振り返りによって生きた知恵を自得できるようサポートをする必要があります。

こうした取り組みは、デジタル技術をうまく使えばこれまで以上にやりやすくなりましたし、テレワークが働き方の主流になるであろう、これからの時代にはさらに徹底していく必要があるでしょう。教育のあり方が大きく変わる今、指導者の方がたには、あらためてその意義と目的を確認していただきたいものです。




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的場正晃 (まとば・まさあき)

PHP研究所人材開発企画部部長

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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