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部下のモチベーションを高めることばがけ

部下のモチベーションを高めることばがけ

(2019年5月27日更新)

 
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どうすれば部下がやる気を出してくれるのか。何がモチベーションを喚起するのか。上司は日頃の部下へのことばがけ、問いかけを見直してみる必要がありそうです。

 

部下のやる気をうまく引き出す上司がしていること

「やる気」は、組織目標を達成する上で最も重要な要素です。職場がやる気に満ちた雰囲気になっているか否かは、仕事の生産性や顧客対応の良し悪しに大きな影響を与えます。そうであるならば、部下のやる気を引き出すことは、リーダーの果たすべき職務の中でも最優先して取り組むべきものと言えるでしょう。

では部下のやる気を引き出すためには何をすればいいのでしょうか。いろいろな要素が考えられますが、最も重要であるのは「部下の心に火をつけることば」をかけ続けることではないでしょうか。ビジネスであれスポーツであれ、あらゆる組織で人のやる気をうまく引き出しているリーダーは、例外なくことばを巧みに使いこなす術に長けています。

 

やる気を高めることばは人によって違う

組織を構成する人々は、育った環境や持って生まれた個性が異なっている以上、一人ひとり、ことばに対する受け止め方・感じ方が違うのは当然です。例えば、部下のAさんは「気合を入れていこう!」ということばをかけられると燃えるけれども、Bさんは、「ありがとう」ということばをかけられるとその気になる……、というように、それぞれやる気を高めるアプローチの仕方は違うのです。すぐれたリーダーはそのことを充分に認識し、一人一人にかけることばを変えているのです。

また、その気にさせることばであったとしても、毎日繰り返し聞かされていると、聞く側はだんだん慣れが出てきてことばの力が低下するものです。先ほどの例でいえば、Aさんに毎日「気合だ!」ということばを単調に繰り返すのではなく、「気合だ!」以外にもAさんがやる気を高められるようなことばを上司が見つけておいて、うまく使い分け、変化をつけることが効果的なやる気向上のためには大切になるのです。もちろんそのためには、日ごろから部下をよく観察し、何がこの人にとって効果的なことばになるかを判断しておくことが必要になることは言うまでもありません。

 

「マネジメントの武器はことばしかない」

このように、リーダーはたくさんの語彙(ごい)を持っていないと多様な部下のキャラクターに合わせた動機付けができなくなりますし、変化をつけた効果的な動機付けもできなくなってしまうのです。「マネジメントの武器はことばしかない」と断言する経営者もいます。リテンションが経営課題の一つになる今の時代、人を預かるリーダーは相手の心に響くようなことば=言霊(ことだま)を豊富に持つことが大切になってくるのではないでしょうか。

 

問いかけることの大切さ

以前、大阪の専門学校・A学院の理事長さんからお聞きした話が今でも印象に残っています。A学院では、数年前に教育プログラムを大幅に見直し、専門知識の学習に入る前に、「なぜ、あなたは語学の勉強をするのか」「なぜ、あなたは福祉の資格をとりたいのか」「その勉強があなたにどのように役に立つのか」と学生に問いかける時間を設けたそうです。

この改革が効を奏し、以前に比べて学生の学ぶ姿勢が驚くほど真剣になり、また卒業後も就職先で自発的に前向きに仕事に取り組むため、「A学院の卒業生は何か違う」と評判を呼んでいるそうです。

この話をお聞きして、人を育てる上で「問いかけること」がいかに大切かをあらためて感じます。しかし一方で、複雑化・スピード化が進む世の中においては、「なぜ働くのか」「なぜこの仕事をするのか」といった本質的な問いかけが社会全体でなされなくなりつつあるのではないか、と思い至りました。

 

自分にも部下にも“なぜ”と問う

PHP研究所の創設者・松下幸之助は、「日に新たであるためには、いつも“なぜ”と問わねばならぬ。そしてその答を自分でも考え、また他にも教えを求める。素直で私心なく、熱心で一生懸命ならば、“なぜ”と問うタネは随所にある。それを見失って、きょうはきのうの如く、あすもきょうの如く、十年一日の如き形式に堕したとき、その人の進歩はとまる。社会の進歩もとまる。繁栄は“なぜ”と問うところから生まれてくるのである」(『道をひらく』PHP研究所)と述べています。

上司の立場にある人は、自分に対しても、部下に対しても、“なぜ”と問いかける姿勢を持ち、共に日に新たな気持ちで仕事に取り組みたいものです。

 

 

課長研修

 


 

 

的場正晃(まとば・まさあき)

1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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