職場のイジメとコンプライアンス
2013年4月 3日更新

不祥事を未然に防止し、コンプライアンスを実践していくためには、幹部はもちろん、現場の社員一人ひとりが、コンプライアンス精神を共有することが求められます。今回は、職場のイジメについてのケーススタディをご紹介します。
ケーススタディ-職場のイジメ
森室長は、異動してきた川原くんに、周りの従業員が仕事中にほとんど声をかけないことが気になりました。昼食時も川原くんはいつも独りぼっちです。
従業員の一人に事情を聞くと、「自分勝手な性格で、みんなから嫌がられているんです」と言うのです。
森室長は、川原くんの姿を見つめ、どう対応すればよいものかと思案に暮れました。
あなたの考えはどちらでしょう? 森室長の立場で考えてみましょう
(A) 部下同士のトラブルに上司が首を突っ込むべきでない。
(B) 上司が率先して職場の雰囲気を良くするよう努める。
解説
職場でイジメられている本人をフォローできるのは上司しかいません。
したがって正解は(B)で、上司(管理職)が率先して仕事を教えてあげたり、話しかけたり、よいところをほめてあげるなどして職場の雰囲気を一新し、部下に仲間意識を持たせるように指導していくことが大切です。
イジメは最悪の場合、被害者が心的な病気などに追い込まれる危険もあるだけに、管理職は「イジメは深刻な人権侵害である」という強い信念を持ち、職場における陰湿なイジメ・嫌がらせは許さないという毅然とした姿勢で臨むべきです。
職場でイジメの兆候が見られたら、事実や原因等を調査し、関係者の異動などによって早めに芽を摘み取り、再発防止の措置を取りましょう。
身近なケースに学ぶコンプライアンスの実践
本記事の出典は『イラスト&ケーススタディー80 [新版]実践!コンプライアンス』です。身近に起こりうるコンプライアンス違反の事例を取り上げ、着眼点と対応の姿勢を明快に解説しました。コンプライアンス教育の一環としてぜひご活用ください。
【監修】田中宏司(たなか ひろじ)
東京交通短期大学学長。1959年中央大学法学部卒業。1954~90年日本銀行勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002~06年立教大学大学院教授。日本経営倫理学会前副会長、一般社団法人経営倫理実践研究センター理事・主席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。多くの主要企業や行政、団体向けに講演・指導の実施や行政の委員会委員を務めている。著書多数。





































































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