入社半年後の新入社員育成
2013年10月16日更新

入社後半年が経ったこの時期、仕事の厳しさを実感している新入社員も多いのではないでしょうか。明日を担う大切な人材がやる気と情熱を低下させないよう現場で大切に育てていきたいものです。
では新入社員を指導・育成する上で、上司や先輩、指導員の方々は何に留意すればいいのでしょうか? そのポイントはいくつもあると思いますが、最も大切なことを一つあげるとすれば、小さな「成功体験」をできるだけたくさん積ませることではないでしょうか。成功体験とは、別の言い方をすれば、自分の弱さに打ち克つ体験とも言えるでしょう。
最近、各企業からモチベーション向上を目的とした研修の依頼を受ける機会が増えてきました。社歴が長く、業務に精通していながらやる気を失ったベテラン社員と呼ばれる方々の活性化がこの研修の主なねらいですが、こうした研修の中で彼らの話に耳を傾けていると、ある共通点に気づきます。それは、この人たちの多くが自分に負けているということです。人生の節目や仕事の重要な局面でがんばることができず、安きに流れてしまった経験を後々まで引きずり、いわば“負け癖”が染み付いているのです。格差社会が問題になっていますが、敗者というものは、他者との競争に負けることでつくられるのではなく、自分の弱さに負けることでつくられるのだと痛感させられます。
仕事の厳しさを実感し始めた新入社員たちにも、このことをしっかり理解させ、そして自分の弱さに勝てるようサポートすることが、受け入れ側の責務であります。
例えば、どんなに眠くてもがんばって毎日早く出社する、人付き合いが苦手だけれども、ちょっと勇気を奮って積極的に職場の人たちとコミュニケーションを図る、等々。それぞれが自分の限界をほんの少しずつでもいいから超えるよう導き、そして承認していくことが、新入社員にとっての成功体験の積み重ねにつながり、自分に勝てた自信につながるのです。
社会人としての土台をつくるこの時期、現場の上司・先輩、指導員の方々には人間としての強さを育む指導を心がけていただきたいと思います。
的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。





































































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