研修後の受講者アンケート雛型
2016年1月 4日更新
研修の効果測定のために多くの企業で実施されている「受講者アンケート」。設定すべき設問と雛型をご紹介。
研修受講者アンケート
受講者アンケートは、多くの企業が実施している最も一般的な測定方法である。研修した内容について、何を評価するために、何を測定するのかを明らかにしなければならない。アンケートの取り方として、研修直後の感想だけではなく、研修内容の善し悪しを聞く設問、さらには、職場に戻ってからの上司のフォローなども設問としてあると望ましい。
アンケートの問題点は、批判的なコメントがあまり得られないことである。受講者は、自分に都合の悪いことは書かない傾向がある。アンケートだけで研修を評価してはいけないと言わざるを得ない。しかしながら、一番実施しやすいこともあり、アンケートは有用な評価ツールであることには間違いない。設問に工夫しながら、実態を把握する努力が必要である。
できれば、次のような設問をアンケートに盛り込むことを推奨する。設問(4)から(10)は、受講後1週間経ってからアンケートを取ったほうがよい。いずれにせよ、受講者の感想は具体的なコメントをもらう自由記述形式に設計しておくべきである。
受講者アンケートの設問
1)研修内容はあなたの実務に役に立ちそうですか?
2)あなたの実務と研修内容が合わないところがありましたか? それはどこですか?
3)あなたは研修を受けてやるべきことが明確になりましたか?
4)上司はあなたが受けた研修の内容を理解してくれましたか?
5)あなたは研修を受けて学んだことを実行していますか?
6)上司はあなたが学んだこと、やろうとしていることを支援してくれていますか?
7)あなたが学んだこと、やろうとしていることに何か障害はありますか? それは何ですか?
8)あなたは学んだことを自分の実務に落とし込みましたか?
9)研修後、あなたは上司の面接を受けましたか?
10)研修をより充実させるためには何が必要だと思いますか?
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
◆研修後の受講者アンケート雛型をダウンロードしてご利用いただけます(PDF)。
【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)
松下直子(まつした・なおこ)
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所) 、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。