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「VUCAの時代」に求められる能力とは?

「VUCAの時代」に求められる能力とは?

(2019年12月 9日更新)

 
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「VUCAの時代」と言われる現代、過去の常識や成功パターンが通用しなくなってきています。これからのビジネスパーソンにはどのような能力が求められているのでしょうか。

 

今の時代に求められる能力とは

現代は「VUCAの時代(※1)」と言われるように、世の中の変化が激しく、過去の常識や成功パターンが通用しなくなってきました。例えば、AIの台頭によって多くの仕事の担い手が、人からAIに置き変わりつつありますし、自動運転技術の開発で先行しているのが自動車産業以外の企業であったり、あるいは車両をまったく保有しない配車サービス専業のビジネスが出てくるなど、10年前には予想もできなかった出来事が次々に現実化しています。

こういう時代を生きる上で大切なのは自分を変化させ続けることであり、それを支える「自分を知る力」が、これからのビジネスパーソンに必須の能力になるであろうと言われています(※2)。

 

※1)Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をとった呼称

※2)脳科学者 青砥瑞人氏の主張

 

松下幸之助の「自己観照」

自分を知ることを心理学の分野ではメタ認知(metacognition)と呼びます。メタ認知とは、「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように、現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力のことを指します。一方、体験を通じて紡ぎ出された実践知であり、松下幸之助が好んで使った「自己観照」という概念も、メタ認知とほぼ同じ内容です。

 

「自省の強い人は、自分というものをよく知っている。つまり、自分で自分をよく見つめているのである。私はこれを"自己観照"と呼んでいるけれども、自分の心をいっぺん自分の身体から取り出して、外からもう一度自分というものを見直してみる。これができる人には、自分というものが素直に私心なく理解できるわけである。こういう人には、あやまちが非常に少ない。自分にどれほどの力があるか、自分はどれほどのことができるか、自分の適性は何か、自分の欠点はどうしたところにあるのか、というようなことが、ごく自然に、何ものにもとらわれることなく見出されてくる」 (『松下幸之助一日一話』PHP研究所)

 

自分と向き合う時間を確保する

自分を知るための概念には、「メタ認知」「自己観照」以外にも、「省察(せいさつ)」「内省」など、さまざまありますが、目指すゴールや方法はほぼ同じです。具体的には、自分の内側に視点を向け、セルフ対話を通じて「自分は今、何をしたいのか? 」「何ができるのか?」「何をすべきなのか?」「どんな生き方をしたいのか?」といった問いに、日々向き合い続ける(できれば心の変化や気づきを書き留める)のです。そうした営みを通じて、生きる上での機軸をしっかり持つことができれば、自分の外側で起きている変化に対処するための知恵と力が生み出されるでしょう。

仕事と人生を豊かにするために、忙しい日常生活の中で、どのようにして自分と向き合う時間を確保するか、自分なりの創意工夫が求められます。

 


 

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的場正晃(まとば・まさあき)

PHP研究所 人材開発企画部部長

1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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