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経営幹部人材の要件とは? 効果的な幹部研修の内容を解説

2024年6月25日更新

経営幹部人材の要件とは? 効果的な幹部研修の内容を解説

昨今、経営幹部を対象にした研修のニーズが高まっています。今なぜ、経営幹部を対象にした研修が求められているのか、そして効果の上がる経営幹部研修は、どのような内容で構成されるのか、当社で蓄積した知見をもとに解説いたします。

INDEX

不足する経営幹部人材

経営者JPが実施した『経営人材ニーズに関する実態調査2024』(2023年10月~11月実施。有効回答数155名)によると、73%の企業が「経営幹部が不足している」と回答しました。また、経営人材・幹部人材に対する課題・不満については、「経営レベルに人材の質が追いつかない」(65.2%)、「次世代の経営を担う人材が育っていない」(58.7%)という回答が高いポイントを示しました。
このデータから明らかなように、企業における経営幹部人材の不足状態は、量と質の両面から深刻な状況にあるといってよいでしょう。

経営感覚のある人材2023

経営感覚のある人材2014

経営幹部人材の要件

経営幹部に求められる要件は多岐にわたりますが、PHP研究所では「経営がわかる」ことを第一義に考えています。「経営がわかる」とは、経営感覚があるということですが、その感覚のある、なしを対比的に示したのが下記の図表です。

不足する経営幹部人材

言うまでもなく、経営感覚のある(経営のわかる)リーダーが数多く存在する組織のほうが、社員のやる気も高まりますし、チャレンジ意欲がみなぎる社風が醸成され、[変化への機敏な対応⇒持続的な業績向上⇒事業の継続]が実現するでしょう。

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「わかる」ということ

「わかる」ということばの意味についても言及しておきます。一般的に「わかる」とは、「意味や区別などがはっきりする。理解する。了解する。」(大辞泉)と定義されていますが、弊社創設者・松下幸之助は、頭で理解したことを実践するのが「わかる」状態であると考えていました。ある時、幸之助は「松下電器(現パナソニックホールディングス)の経営幹部たちは、松下電器の経営理念をわかっていない」と発言したことがありましたが、その真意は「経営理念を頭では理解しているけれど、実践できていない」ということであったのです。

自得するしかない、経営の本質

また、松下幸之助は、経営の本質をつかむことの難しさを以下のようなことばで表現しています。

これはね、教えて悟れるものではないですよ。私は経営というものは自得するものやと思うんです。自得するために、あるいは人の教えを聞くとか、あるいは自分で体験してみるということは、それは必要でしょう。しかし、これは教えられるものではないです。これはもう、みずから会得せねば仕方ないですな

幸之助は、学問としての「経営学」は学校で教わることができるが、「生きた経営」は現場で実践しなければ体得することはできないという持論をもっていたのです。

効果的な経営幹部研修

経営の本質をつかむことが難しいという前提に立ったうえで、経営幹部研修をどのように設計し実施すればいいのか、3つの観点からポイントを述べましょう。

(1)「反復」と「釘打ち」

人の意識は変わりやすく、一時的に気づきを得たり、マインドが高揚しても時間が経つと元に戻ることが往々にしてあります。したがって、同じメッセージや概念に何度もふれ、意識がずり落ちてこないよう「釘打ち」をする必要があります。

(2)「問答」形式による気づきの深化

一方的なレクチャーではなく、問答を通じて内省→持論化を促進するスタイルの講座のほうが深い気づきを得やすくなります。そして大切なことは、実際の経営の現場で起きている「生の課題」を扱うことです。それによって、より実践的に、問題発見力・解決力を高めることができます。

(3)共通言語化

個人の「気づき」を個人の内側に留めず、組織で共有し「共通言語化」を図ることで、組織開発が促進します。経営のわかる職場へ進化を図ることで、経営のわかる人材が育ちやすくなるでしょう。

松下幸之助の経営哲学を人材開発理念の中心に据えるPHPゼミナールでは、経営がわかるためには実践が必須であると考えています。したがって、経営幹部を育てたいというご要望・ご相談に対しては、上記3つの観点から研修プログラムを設計し、実際に多くの企業で経営のわかるリーダーの育成に成果を上げています。

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的場正晃 (まとば・まさあき)
PHP研究所 経営共創事業本部 本部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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