越えていく勇気をもとう~染屋光宏
2012年2月27日更新
昨年末、知人達に誘われ「滝行」を初めて体験しました。
当日は幸い晴天でしたが、限りなく氷点下に近い気候条件…。滝行を主催されている住職に、適切なサポートを頂きながら念入りに準備をし、いよいよ本番。まず桶で一杯の水をかぶる、突き刺さるような冷たさと一瞬やけどに似た熱さが全身に走る。だが進むしかない…心を決めて滝に入る。わずか数分間でしたが、いざ滝に打たれてみると、打たれる前に抱いていた恐怖心や不安は消え去り、全身に血流がかけ巡って心地よい温かさとともに、何とも言えない爽快感、達成感を味わいました。
ここ最近、入社数年の若手社員から、30歳前後にあたる中堅社員層の研修を担当させて頂くなかで、「目標が持てない。持ちづらい」と言われる方を多くみかけます。
私自身が社会へ飛び込んだのは、バブル崩壊後でしたが、いわゆる肩書きや役職ポストをめざすことが前提とされ、多少の息苦しさを感じつつも、なんとなく方向感がありました。今は頑張っても報われにくい時代背景に起因するのか、近視眼的になっているのか、単純化できない複合的要因によって、方向感が見出だしづらい状況です。
混沌とした状況下で、方向感を持つことは易しくないし、明確な基準やモノサシがない中で行動することには、不安もつきまといます。
だからこそ、「何のために仕事をしているのか」、突き詰めれば、「何のために生きているのか」を自分に問いかけながら、目の前の物事に全力に取り組み、新たな世界へ飛び込む勇気が必要になります。進めば進むほど、壁にもぶつかりますが、壁の周りをぐるぐる回ることを選ぶのか、壁を乗り越えることを選ぶのか、選択権は一人ひとりの中にあります。
世界的に有名なコーチである、アンソニー・ロビンスは「限定された経験は、限定された人生を生み出す」と言います。枠を越えて、飛び込んでいく人達が、自分に相応しい目標を見出していくのでしょう。
私自身も、毎日が滝行だとさすがに厳しいですが(苦笑)、怖さを感じつつも一歩踏み出す勇気を大切にして、未知の世界へ飛び込んでいます。生の経験をたくさん手にし、受講生の方々にお伝えすることを通じて、ともに成長したいと思っています。
染屋光宏(そめや・みつひろ)
1993年4月、田辺製薬株式会社(現・田辺三菱製薬株式会社)入社。ライセンス製品の営業マーケティング支援・渉外業務、人事(職務等級型人事制度設計、目標管理制度・昇進昇格等の人事制度運用実務、採用・人材開発・教育研修等)、経営企画(経営計画策定、企業理念構築、風土改革等)の業務に従事。
2001年4月~2003年3月、神戸大学大学院経営学研究科にてM.B.A.を取得。2010年9月、田辺三菱製薬株式会社 退職。
現在、独立起業しトレーナー・コーチとして活動する傍ら、「株式会社日本チームコーチング協会 取締役」として、「チームコーチングメソッドによる組織変革」の実践に携わっている。