SOCー新しいメンタルヘルス対策の考え方
2012年3月 2日更新
2008年、厚生労働省の調査でうつ病にかかっている人の数が、初めて100万人を超えたと発表されました。約10年前の1999年の調査では約40万人だったことから、うつ病にかかっている人の数が急激に増えてきていることがわかります。
数字の上では15人に1人が一生のうちに心の病気にかかるといわれており、今や心の病気は社会的な問題になっているといえるでしょう。
このような状況を鑑みて、官公庁や企業など様々な団体ではうつ病を始めとする心の病気に対する対策が講じられています。たとえば企業では、産業医の設置や職場復帰プログラムの作成などの取り組みを行なっています。しかし、心の病気は再発率が50%を超える(調査機関によっては80%)ともいわれており、現在中心になっている発症してしまってからの対処療法の効果は十分ではないと言わざるを得ないでしょう。
また、心の病気は風邪などのように予防することが難しいと言われています。それは、社会や経済状況の変化、またそれに伴う職場の変化やスピード化などの影響で、職場におけるストレッサー(心の病気の引き金となり得るストレス要因)が日々生まれているからです。
そこで、「職場には様々なストレスがあって当たり前」という前提のもと、ストレスとうまく向き合い対処する力を高めていこうという考え方が注目を集めています。
それはSOCと呼ばれるもので、専門家の間では首尾一貫感覚と訳されています。わかりやすくいえばストレスとうまく向き合い元気になる力のことです。そして、このSOCを意識的に高めていく取り組みを続けていけば、ストレスを感じる出来事があっても、それに押しつぶされることなく前向きな気持ちになることができると考えられています。
DVD『メンタルヘルス 職場を元気にするコミュニケーション』では、このSOCを高めるための方法を、上司と部下とのコミュニケーションや元気な職場の仕組みづくりなどの視点から紹介しています。日常ありがちな様々なストレスシーンを紹介し、それらを改善していくためにはどのようにすればよいか、一つひとつ解説しています。
仕事をしていれば大変なこともあります。しかし、そうした出来事をうまく乗り越えていく力を高めていけば、どんな困難な出来事でも乗り越えていけるようになり、心の病気にならなくなるでしょう。その一助として、DVD『メンタルヘルス 職場を元気にするコミュニケーション』をぜひご活用ください。
PHP研究所 企画制作部 海野翔太
◎蝦名玲子先生が自らDVD『メンタルヘルス―職場を元気にするコミュニケーション』を解説するムービーです。ぜひご覧ください。こちらからどうぞ。
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