女性社員の活躍を支援するポイント
2014年5月 2日更新
女性社員の活躍を推進するには、どのようなポイントがあるのでしょうか。PHP研究所研修事業部長・的場正晃のコラムです。
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昨年4月、安倍首相が「女性の活躍は成長戦略の中核をなすもの」と表明して以降、さまざまな政策が推進され、女性の活躍推進の機運が高まってまいりました。
企業において女性の活躍推進を実現する上で、ぜひ知っておきたいのが女性の仕事観には3種類あるということです。一つ目は、仕事のためならプライベートが犠牲になることも厭わない「仕事重視型」の仕事観。二つ目が、プライベートの充実が最優先の「プライベート重視型」。三つ目が、両者の中間である「バランス重視型」。これら三つの仕事観のうち、圧倒的に多いのが、「バランス重視型」の女性なのです。このタイプの人たちは、仕事も大事でキャリア構築や自己成長の意欲はあるが、ライフステージ(結婚、出産、育児、等)の状況次第では、仕事のウェイトを下げることはやむをえないと考えるのです。
女性の活躍推進がうまくいかない原因の一つに、仕事重視タイプの女性を引き上げて管理職に登用してしまうことがあります。それをすると、大多数を占めるバランス重視型の女性たちの、「ああいうふうになりたくない」「あんな仕事のやり方はできない」というマイナス感情を引き出してしまうのです。従って、女性活躍推進の成功のカギは、バランス重視型の普通の女性をいかに活性化させるか、ということにかかっているのです。
普通にまじめに働いているけれど、「私はこのままの仕事でいい」という受け身の女性社員を活性化させるコツは2つあります。
1.視野を拡大する機会を提供すること
・他者からのフィードバックによって、自分を客観視する⇒ヨコから自分を見る
・会社方針を知る⇒ウエから自分を見る
・自分の将来(3~5年先)を考えてみる⇒マエから自分を見る
2.承認すること
・何らかのテーマをもって職場実践を行い、成功体験を積む⇒自己承認
・会社・上司からの期待・感謝のメッセージを贈る⇒他者承認
こうした観点からの活性化を図る上で、「女性社員活性化研修」を実施することは大いに効果があります。いずれにしても、「自分にも何かできそう」「自分には価値がある」「やってみようかしら」というスイッチを入れてあげることが、女性の活躍を推進する上で非常に重要なポイントになるのです。
的場正晃 (まとばまさあき)
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長