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残業が減らない職場に「タイムマネジメント教育」を!

2019年2月12日更新

残業が減らない職場に「タイムマネジメント教育」を!

「残業込み」で働くことが習慣となっている職場において、残業時間の削減は非常に困難な課題といえます。そこで「タイムマネジメント」を社員教育にとりいれれば、社員の意識が変わり、生産性の向上と残業の大幅削減を両立させることが可能になります。

まずは社員の意識改革が重要

「どうしてわが社では『働き方改革』がうまく進まないのだろうか?」「なぜいくら号令をかけても、労働時間の短縮、残業時間の削減が進まないのだろうか?」と悩んでいる会社は、案外多いのではないでしょうか。「労働生産性を高めて労働時間を短くする」のが理想だとわかってはいても、これを実現するのは簡単なことではありません。社員の皆さんに、これまでのやり方が長年の習慣として身についているため、おそらく「変わる」ことに対して抵抗感や恐怖心、あるいは面倒だという気持ちがあるものと考えられます。
大事なのは、まず社員の意識を変えること。そして具体的な改革の方法を導入することです。ただ「早く帰宅せよ」と号令をかけても、改革を進めることはできません。それどころか、終わらなかった仕事を自宅に持ち帰る社員が増える可能性すらあります。このように、「働き方改革」や「残業削減もしくは残業ゼロ」といった経営課題は、会社の経営陣あるいは教育を担当する人事部が抱える大きな課題となっていることでしょう。

「残業が減らない原因」を把握する

そこでお勧めしたいのが、「タイムマネジメント(時間経営)」という考え方です。これを導入するために参考になるのが、PHP研究所から発刊されている通信ゼミナール『タイムマネジメントの基本と実践コース』です。同コースは本田賢広氏の監修によるもので、そのテキストでは、働き方改革・労働時間短縮・残業ゼロを実現するための考え方や具体的な手法が解説されています。
例えば、残業が減らない理由として、次のような要素が挙げられています。

「残業をするのは、仕事熱心ですばらしいことだ」という思い込みがある

社員の中に「夜遅くまで残ることが会社の役に立つことだ」という思い込みがあるケース。特に上司が遅くまで残業していると、部下は仕事が終わっても帰りづらい。その結果、する必要のない仕事をダラダラと続けることになる。

社員が残業代を見込んで働いている

残業を増やすことで残業手当が発生し、一時的に個人の収入は増える。しかしその残業に会社の利益増大が伴っていないと、結果的に会社の弱体化につながる。

会社に「残業しないと競争に勝てない」という思い込みがある

かつては残業をしないと競争に勝てない時代もあった。しかし、世界では就業時間内に仕事を終わらせるのが常識。いかに仕事の生産性を高め、いかに仕事の質を高めていくかが問われている。

これらの「残業が減らない原因」に、思い当たる節がある会社も多いのではないでしょうか。社員の間にこうした意識があると、たとえ「残業を減らせ」と指示されても、すでに習慣として身についた働き方を変えることは困難です。残業を減らすことに罪の意識が働いてしまったり、残業を止めることで自分の給料が減ると考えたりすると、ついついこれまでと同じように残業をしてしまうことでしょう。まずはこのような意識、思い込みから社員を脱却させることが、働き方改革・残業ゼロ実現の第一歩となります。

「タイムマネジメント」の考え方を導入する

また本テキストでは、あえて「時間経営」という言葉が使われています。単に時短を実現するだけなら「時間管理」でもいいのかもしれませんが、それだけでは生産性や仕事の質を高めることにはならず、何をどうすればいいのかもわかりません。勤務時間が短くなり、それに比例して生産性や仕事の質が低下してしまったら、それはそのまま「会社の衰退」を意味します。本書でいう「時間経営」とは、「より高い効果を、より短時間であげるために、時間の投資対効果を高める」ことを表します。
時間経営の考え方をテキストから要約して少しご紹介しましょう。

時間を短縮するには

「どうすれば、これだけの仕事を定時までに完了させられるか?」
この問いに本気で取り組むことで、仕事のやり方に改善や工夫が生まれる。仕事にデッドラインを設定することで、仕事にスピード感やリズムが生まれる。

成果を増大させるには

「能力の向上=残業ゼロにこだわり、学びと実践を繰り返す」
「効率のアップ=仕事のやり方、時間の使い方、脳の性質の活用法に熟達する」
「高いモチベーションの維持=魅力的な目的・目標をもつ」
前述の「思い込み」から脱却し、このような考えで行動を始めたとき、あなたの会社全体で、生産性の向上が本格的に進んでいくことでしょう。残業をすることに意義を見出していた状態から、残業しないことに意義を見出せるようにするための、重要な示唆がここにあります。

仕事の「優先順位」を決める方法とは

具体的な時間経営の進め方として、まず「一人ひとりがどのように時間に向き合っているかを調べるチェックリスト」「一週間のタイムスケジュールを書き込んで、時間の使い方を分析するシート」「自分の『時給』を計算する方法」などが紹介されています。これにより、社員一人ひとりの現状を正確に把握することができます。そのうえで、実際に行っている仕事について、「重要度」や「緊急度」に応じて優先順位を決めるなど、実際に生産性を高める手法を解説しています。優先順位の付け方には、例えば次のような方法があります。

まず、個々の仕事が次の4つのうちどれに当てはまるかを検討します。
(1)「重要で緊急な仕事」
(2)「重要だが緊急でない仕事」
(3)「緊急だが重要でない仕事」
(4)「重要でも緊急でもない仕事」

社員一人ひとり、あるいは部署ごとに仕事内容を分別し、上記の順番で遂行することによって、個人の能率も組織の能率も高まっていきます。ポイントは(2)をおろそかにしないことです。重要で長期的な仕事を進めていくうえで、進捗状況を確認するためのチャートも紹介していますので、ぜひ社員教育に活用していただきたいと思います。

※本記事はPHP通信ゼミナール『タイムマネジメントの基本と実践コース』を抜粋・編集して制作しました。

通信教育「タイムマネジメントの基本と実践コース」

タイムマネジメントの基本と実践コース

「Time is Money(時は金なり)」という言葉があります。確かに、 時間はお金と同様に貴重なものです。しかし、時間とお金との間 には、決定的なちがいがあります。それは『お金は失ってもまた 稼ぐことができるが、時間は失ったら二度と取り戻せない』という ことです。 本コースでは、仕事の生産性を高めるタイムマネジメン トの考え方とノウハウを実践的に紹介しています。

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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