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新入社員に「報告連絡相談」の基礎を

2015年7月24日更新

新入社員に「報告連絡相談」の基礎を

新入社員にとって、報告連絡相談、いわゆる「報連相」は必須の研修テーマといえる。それは業務の円滑な遂行という目的のほかに、離職率低下にもつながるのではないだろうか。

3年で3割辞めるが定着している現状

厚生労働省の調査(平成22年3月卒業者対象)によると、新規学卒者の離職率は、大学卒業3年後で30%を超えているという。つまり、新入社員の3人に1人は、入社3年以内に辞めていることになる。もちろん業種や規模などによって離職率の数値は変動するが、せっかく採用した新入社員の多くが職場になじめず、すぐに辞めていくという現実があることは間違いないだろう。

では、なぜ新入社員は辞めていくのだろうか? その理由は、本人や職場によってさまざまな事情があるだろう。しかし、共通していえることは、「新入社員が上司や先輩になじめない」ということではないだろうか。実際に人事・採用担当の方の話を伺っていると、実習期間を経て、本配属になってから新入社員が辞めていくケースが後をたたないという。

新入社員の不安とギャップ

新入社員は、「自分が会社に適応できるか」「職場の人間関係になじめるかどうか」と大きな不安を感じながら、職場にやってくる。もちろん、そこには上司や先輩との価値観のギャップという大きな壁も存在する。
以前であれば、日本的な上下関係という意識の中で、上司や先輩の中に飛び込んでいける新入社員は普通に存在していた。しかし、今や自分から心を開ける新入社員はほとんどいなくなったといってもよいのではないだろうか。

報告連絡相談の基礎教育を徹底

そこでおすすめしたいのが、新入社員に報告連絡相談の基礎教育を徹底することである。新入社員にとって大きな不安要素である〈職場の人間関係〉について、報連相の基礎を習得させることによって、上司や先輩との壁を少しでも小さくするのである。

具体的には、上司や先輩に「どう声をかけたらよいかわからない」という新入社員に、「今、少しよろしいでしょうか?」「ご相談したいことがあるのですが」と決まり文句を言わせることから始めるのである。
第一声のハードルを超えることで、新入社員の心のハードルも少しずつ下がっていくのではないだろうか。

PHP研究所 企画制作部  林 順一

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