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メンタルヘルス・マネジメントの意義と重要性

2012年5月15日更新

メンタルヘルス・マネジメントの意義と重要性

昨今、職場におけるストレスが原因でメンタル面の不調を訴えたり、うつ病を発症する社員が増えてきています。こうした社員の「心の病」は労働生産性の低下、貴重な人材の損失はもちろん、大きな労働問題に発展するリスクもはらんでいます。

 

そこで今回は、PHP通信ゼミナール「部下を「うつ」にしない職場をつくる!」テキストから、この問題について考えていきたいと思います。

 

◆部下のメンタルヘルスケアも上司の仕事

 

あなたは上司として、部下の仕事の進捗を確認したり、状況を常に把握し、スムーズに仕事が進むように管理していると思います。
 

メンタルヘルス・マネジメントと言うと、何か専門的で難しい、特別なものと身構えてしまう人がいますが、普段から行っているマネジメントと同じです。部下の仕事がスムーズに進むように、成果が上げられるように、ストレスが上手にコントロールできているか、悩みを抱えているようなことはないかを、日ごろの言動から把握し、状況によって対処すればよいのです。これがメンタルヘルス・マネジメントです。ただ普通のマネジメントと違う点は、政府からメンタルヘルス対策を行うように指導されていることと、それによって上司の役割や責任が重たくなったことです。
 

本稿では、部下を持つすべての人を上司と呼び、特に安全配慮義務が課せられた上司を特定したい場合は、管理監督者と呼んでいます。
 

職場のメンタルヘルス対策は、コンプライアンス(法令遵守)、人的資源の確保、リスクマネジメント、企業の社会的責任(CSR=Corporate Social,Responsibility)の4つの観点から必要とされています。
 

では、メンタルヘルス・マネジメントがなぜ必要なのかを詳しく解説します。


 

◆法律に定められた行為~コンプライアンスの観点

 

メンタルヘルス・マネジメントとは、部下がストレスをコントロールできているかどうかを把握し、できていない場合に対処することと述べましたが、職場には部下だけでは対処できないストレス要因があります。厚生労働省の調べによると、職業生活におけるストレス要因の1位は「職場の人間関係(うち上司との人間関係が1位)」、2位は「仕事の量」、3位は「仕事の質」です。また、パワーハラスメントによるメンタル不調者の相談も増えています。あなた自身も上司としてのプレッシャーや周囲との人間関係で悩むことはありませんか。
このように強いストレス、またはいくつかのストレスが重なってストレス状態が長く続いた時は、誰でもエネルギーダウンし、メンタル不調になる可能性があるのです。

 

また、労働者健康状況調査(厚生労働省)では、過去1年間にメンタルヘルス上の理由で連続1か月以上休業、または退職した労働者がいる事業所は、全体で7.6%となっています。従業員数1,000人以上の企業に限ると、実に9割を超えていました。


このような状況の中、メンタルヘルス対策の必要性を認めても、実際にはどのように取り組めばよいのか困惑している企業が大半です。

 

メンタルヘルス対策とは、労働安全衛生法(労働者の安全と健康を守るために制定されたもの)に定められたもので、このメンタルヘルス対策に取り組むことは、コンプライアンス(法令遵守)の観点からも企業にとって必要なことなのです。

 

【監修・執筆講師】

渡邊雅子 わたなべ・まさこ

産業衛生支援研究所主宰/ウェルリンク㈱研修講師

看護師/産業カウンセラー/産業保健指導者/心理相談員/産業カウンセラー協会研修講師

1977年、日本専売公社東京病院高等看護学院卒業。同年、日本専売公社東京病院勤務。1999年、1600名が勤める工業会社人事部「健康管理室」に勤務。従業員の入社時からの個人カルテを作成、「こころの健康づくり計画」の策定、メンタルヘルスケア研修実施、試し出勤規定立案。メンタル不調者対策として「こころの相談室」を開設。労働衛生会議の設置など、メンタルヘルスに関する幅広い実務を経験。2006年、メンタルヘルスアドバイザー、産業保健アドバイザーとして産業衛生支援研究所を設立。
企業内でメンタルヘルス対策を確立した実務経験から、官公庁・企業・学校・病院などのメンタルヘルス研修や、コミュニケーション研修をはじめ、メンタルヘルス対策支援、復職支援、教職員カウンセリングなどに携わっている。

 



 

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