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卒業生は即戦力!立教大学経営学部の「リーダーシッププログラム」とは?

2018年8月 8日更新

卒業生は即戦力!立教大学経営学部の「リーダーシッププログラム」とは?

リーダーシップは後天的に身につけることができます。人の役に立つ経験や訓練を通して磨いていくことで、誰もが組織を牽引する存在になり得るのです。いま注目を集めている立教大学のリーダーシップ教育をご紹介します。

「立教大学リーダーシッププログラム」とは

立教大学経営学部では、ユニークな「立教大学リーダーシッププログラム」という授業が行なわれており、近年実業界から大きな注目を集めています。立教大学に経営学部が新設されたのは2006年のこと。伝統ある有名大学の中では後発の部類といえるでしょう。それだけに、他大学に負けない独自の教育プログラムとして力を入れて取り組んでこられたわけです。

同プログラムは、1年次から3年次にかけて、BLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラムの略称)0からBLP4までの5段階で進められます。その中で、ビジネスパーソンに必要とされる「論理的思考力」や「プレゼンテーション能力」などを高めていくとともに、数名でグループをつくり、提携を結んだ企業の業務内容を研究します。そのうえで、提携企業が発展するためのアイデア(新しいビジネスや改善案等)を考え、企画をまとめて発表するのです。発表内容は審査され、優秀なグループは表彰されます。このプログラムを通して、立教大学経営学部の学生たちは大きく成長し、リーダーシップを身につけていきます。

立教大学経営学部の卒業生は即戦力

立教大学リーダーシッププログラムには、いくつもの利点があります。まず、提携企業の研究をするためには、その企業を訪ねて話を聞かなければなりません。その際、学生は企業の担当者に電話をしてアポイントをとります。さらに訪問時には名刺交換を行ない、場合によっては会合の議事録をつくって提携企業に提出します。このような経験を重ねることで、自然と仕事の基本とビジネスマナーを実践する能力を身につけることができるのです。

さらに人前で研究結果を発表することで、プレゼンテーション能力が磨かれます。このような勉強・訓練を積み重ねることで、大学を卒業する頃には、就職して2年目とか3年目の若手社員レベルにまで成長しているとのこと。そのおかげで「立教大学経営学部の学生は即戦力として活躍してくれる」という評判が広まりました。当然、多くの企業から引く手あまたの状態となり、同学部の人気は年々高まっています。その結果、偏差値も急伸し、いまや早稲田大学や慶応義塾大学などと肩を並べる存在となったのです。

リーダーシップとは組織を動かす力でありスピリット

ここでいう「リーダーシップ」とは、企業において何らかの肩書や地位、権限をもっている人間がビジネスの現場で力を発揮する、という意味ではありません。立場や権限にかかわらず、「会社という組織を動かしていく力やスピリット」のことです。その意味で、リーダーシップはベテラン社員だけでなく、新入社員や若手社員も身につけるべきだといえます。

例えば新入社員であっても、何か素晴らしいビジネスのアイデアを考えたり、業務の改善案を考えたりした場合、それを上司にプレゼンテーションすることは可能でしょう。もしもそれが採用されたら、それは「組織を動かした」ことになります。

立教大学経営学部では、このような働きや姿勢をリーダーシップと考えているわけです。PHP研究所でも、立教大学経営学部とのコラボレーションにより、新入社員や若手社員を対象に、「リーダーシップ」を養っていける研修プログラムづくりを進めています。

人の役に立つ経験がリーダーシップを育む

リーダーシップとは、限られた人に「先天的」に備わっている能力のことであり、企業でリーダーとなるには、それに適した素質が必要だという考え方もあります。確かに、もともと社交的かつ積極的な性格で、仲間に目を配り、仲間を思いやりつつ、グループを引っ張っていける「天性のリーダー」もいると考えられます。しかし、立教大学でリーダーシップ教育に取り組んでいる舘野泰一先生によれば、必ずしも先天的な能力が不可欠というわけではなく、訓練や経験によって後天的に身につけられるとのことです。

例えば社交的かつ積極的で、いかにもリーダー然とした人でも、その反面「我」が強く、「俺が、俺が」と前に出る性格の人は、組織を導くのに向かないかもれません。反対に、社交的でも積極的でもない(ように見える)人が、何かをきっかけに強いリーダーシップを身につけていくことがあります。例えば「人の役に立つ」体験をした人は、リーダーシップを身につけられる可能性が高くなります。自分がやったことによって、それが人の役に立った経験をすると、その人は、「もっと人のためにがんばろう」と思うようになります。人間の性質として、自分のためよりも他の人のために何かをするとき、より大きな力が出ると考えられるからです。そのような経験をした人は「人の役に立ちたい」と願い、そのために努力し、組織をリードしていけるようになるのです。そのように取り組んでいる姿勢そのものが、リーダーシップといってもいいのかもしれません。

上司の言葉かけで部下のリーダーシップが育つ

企業において、上司は部下に対して日頃から、「わが社の仕事はこんな風に社会の役に立っているんだ」「この部署の業務は、こういう形で人の役に立っているんだ」「君が今やっている仕事は、こういう風に世の中の役に立っているんだよ」といった話をしていくことが大切です。そうして新入社員・若手社員たちに対して、「自分は人の役に立っている」ということを実感してもらうのです。自分が担当している仕事が世の中の役に立っていると自覚できれば、その人は率先して組織を動かし、プロジェクトを積極的に推進するリーダーに成長していくことができます。当然、仕事へのモチベーションも高まり、ひいては離職防止にもつながるでしょう。もちろん、リーダーシップをもつ社員が増えることで、会社全体の底力が高まっていくのは間違いありません。

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舘野泰一監修・若手社員向け研修「全員発揮のリーダーシップ」はこちら

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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