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上司は部下を本気で叱れ~ガリガリ君の赤城乳業に学ぶ

2015年8月 3日更新

上司は部下を本気で叱れ~ガリガリ君の赤城乳業に学ぶ

上司は本気で叱り、部下は本気で仕事に取り組む。「ガリガリ君」で知られる赤城乳業の仕事術を『[図解]ガリガリ君が教える! 赤城乳業のすごい仕事術』からご紹介します。

本気で叱られるから、本気で考える

総務部のKさんは開発部のEさんや営業部のHさんと同期入社で、メインの仕事は採用だ。りくなび委員会の事務局も務めている。

赤城乳業の採用のやり方が大きく変わったのは、2008年にりくなび委員会が発足してからだ。それまでは役員や管理職が中心となって面接を行っていたが、若手社員も積極的に採用にかかわることになったのである。若手の面接官約20名が一次面接を行い、二次面接、最終面接へと進んでいく。

ある時、Kさんは二次面接を行った部長からこう怒鳴られた。

「なんであんな人間を上げてきたんだ!」

若手の評価と管理職の評価にギャップが生じており、「どんな人間がほしいのか」「どんな人が赤城に合うのか」のミスマッチが起きていたのだ。これは大問題だった。

Kさんは、自分やりくなび委員会が「役員部長が『ダメだ』と評価した学生のどこがダメだったのか」をそもそも分かっていないことに気づいた。ギャップの原因が分からなければ、対策は講じられない。

そこでKさんは役員や管理職に「なぜダメだったのか」を具体的にフィードバックしてもらい、りくなび委員会で徹底的に揉んだ。

評価軸の「擦り合わせ」がいかに重要であるかを、Kさんは身をもって体感した。

こうした努力が実を結び、採用プロセスでのミスマッチは徐々に減っていった。入社した社員の退職率も確実に減っている。

「自分のもの」という意識が責任感を生む

KさんはSEC(戦略的教育推進委員会)やホームページ委員会のメンバーでもある。そこでの活動も、すべて採用と絡んでいる。

Kさんは、赤城乳業は「とても自由度の高い会社」だと実感している。

採用のプランニングは、Kさんがほぼ1人で行う。上司にはある程度決まってから相談する。よほどでない限りひっくり返されることはない。だからこそ、大きな責任を感じる。「これでいいんだろうか」と不安になる時もある。

その不安が、Kさんを「もっと勉強しなくては!」と駆り立てる。

採用はKさん1人で行っているわけではない。りくなび委員会という組織があり、面接官になる多くの社員の協力も得ている。みんなの助けがなければ採用はうまくいかない。

それでも、Kさんは「採用は自分のもの」という意識を持って仕事に取り組んでいる。

「赤城乳業という会社の未来を担う人材採用の"要"は自分だ」という意識がKさんをドライブさせている。

人はオーナーシップを持つことによって仕事にのめり込んでいく。本気で取り組むからこそ、失敗が糧になるのだ。

『[図解]ガリガリ君が教える! 赤城乳業のすごい仕事術』

「仕事が楽しくなる」「人が育つ」強小カンパニーが大切にしていること。アイス業界のメガヒット商品「ガリガリ君」を生み出した赤城乳業のユニークな仕事術を、豊富なイラストとともに解説する。

【著者略歴】遠藤功(えんどう・いさお)
1956年、東京都生まれ。早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)教授、(株)ローランド・ベルガー日本法人会長。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機(株)、米系戦略コンサルティング会社勤務を経て、現職。ローランド・ベルガードイツ本社の経営監査委員、カラーズ・ビジネス・カレッジ(CBC)学長、中国・長江商学院客員教授なども務める。おもな著書に『現場力を鍛える』『見える化』『ねばちっこい経営』(以上、東洋経済新報社)『課長力』(朝日新聞出版)『伸び続ける会社の「ノリ」の法則』(日経プレミアシリーズ)『経営戦略の教科書』(光文社新書)『ビジネスの"常識"を疑え!』(PHPビジネス新書)など多数ある。

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