階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

レジリエンス研修の目的、内容、具体的なプログラムを解説

2024年8月19日更新

レジリエンス研修の目的、内容、具体的なプログラムを解説

レジリエンス研修は、ストレスフルなビジネス環境において注目を集めている研修です。本記事では、レジリエンス研修の重要性、具体的な効果、そして実施方法について詳しく解説します。

INDEX

PHP研究所がおすすめする「レジリエンス研修」の具体的なプログラムは下記をご覧ください。

レジリエンス向上研修のご提案(研修プログラムあり)

「レジリエンス」については下記の記事も参考にご覧ください。

※参考記事:レジリエンスとは? 意味や高める方法を解説

レジリエンス研修の重要性

「レジリエンス」とは何か

レジリエンス(resilience)とは、困難な状況やストレスに直面した際に、柔軟に適応し、回復し、成長していく能力を指します。逆境に立ち向かう力、立ち直る力、そして成長を続ける力です。現代社会では、変化のスピードが加速し、不確実性が高まる中で、職場環境もストレスフルになりがちです。そのため、人事部門としては、レジリエンスを個人の問題として捉えるのではなく、組織として涵養すべき課題と考えることが望まれます。

レジリエンスが求められる理由

現代社会において、レジリエンスが求められる理由はいくつかあります。仕事においては、市場競争の激化、人員不足による長時間労働、人間関係の疎遠化など、ストレス要因が数多く存在します。また、プライベートにおいても、経済的な不安、家族や友人との関係、健康問題など、何らかのストレス要因を抱えている可能性があります。そこで、レジリエンスを高め、ストレス状況に適切に対処し、困難な状況を乗り越え、成長を続けるための教育研修が求められるようになっています。

レジリエンス研修の目的

個人の成長と組織の健全化

レジリエンス研修は、個人の成長に大きく貢献します。ストレスにうまく対処できるようになり、困難な状況にも立ち向かえることで、自己成長を促進し、人生の質を高めることができます。また、レジリエンスの高い人材は、組織にとっても貴重な存在です。困難な状況にも対応できるため、組織全体の安定と成長に寄与します。

業務効率の向上

レジリエンス研修により、忙しさや困難に負けない力を育むことで業務効率が向上し、質の高い仕事ができるようになります。また、ストレスが軽減されることで、集中力や創造性も高まり、より良い成果を生み出すことが期待できます。

VUCA時代への適応

現代は、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧さ・不明確さ)の頭文字をとって「VUCA」と表現されます。レジリエンスを身につけることで、変化や不安定さに飲み込まれることなく、モチベーションを維持しながら困難に取り組むことができるようになります。

職場環境の改善

レジリエンス研修は、職場環境の改善にも役立ちます。従業員のメンタルヘルスが向上することで、職場全体の雰囲気が改善され、働きやすい環境が実現します。また、レジリエンスの高い従業員は、周囲の従業員にも良い影響を与え、組織全体のモチベーション向上に貢献します。結果として、組織のエンゲージメントが向上し、離職率の低減につながります。

レジリエンス向上研修のご提案(研修プログラムあり)

レジリエンスを高めるためのトレーニング

思考パターンの修正

レジリエンスは持って生まれた個人の資質と考えられがちですが、研修やトレーニングによって高めることができます。レジリエンス研修では、否定的な思考を肯定的なものに変えるための具体的な方法を学びます。 ネガティブな思考パターンを修正することが重要です。困難な状況に直面したとき、人はネガティブな思考に陥りがちです。「どうせうまくいかない」「自分はダメだ」といった否定的な思考は、自信を喪失させ、行動を阻害します。そこで、否定的な思考を肯定的なものに変えるための具体的な方法を学ぶ必要があります。たとえば、ネガティブな思考が浮かんだときに、その思考の根拠を検証したり、過去の成功体験を思い出すことで、思考パターンを修正することができます。

レジリエンスを高めるための「ABCDE理論」

思考パターンを修正するうえでは、「ABCDE理論」が役立ちます。「ABCDE理論」は、米国の臨床心理学者アルバート・エリスが創始した認知行動療法の理論で、私たちの思考、感情、行動の関係を理解する上で役立ちます。具体的には、以下のプロセスです。

  • A: Activating Event 出来事
  • B: Belief 認知・解釈(RB: Rational Belief 合理的な良い思考/IB: Irrational Belief 非合理的な悪い思考)
  • C: Consequence 結果(気分、感情、行動)
  • D: Dispute/Dialogue 反論・自問自答
  • E: Effect 影響

この「ABCDE理論」は、レジリエンスを高める土台となる思考の枠組みと言えるでしょう。

「ABCDE理論」の活用例

例えば、プレゼンテーションで失敗したという「出来事(A: Activating Event)」に対して、自分が不当に評価されたという「認知・解釈(B)」を持つと、落ち込みや怒りといったネガティブな感情が生じます。逆に、プレゼンテーションで得られた学びを重視する「認知・解釈(B)」になれば、これを成長の機会と捉え、次に活かそうという意欲が生まれます。これにより行動が変わり、結果(C)も変わります。

ネガティブな認知・解釈を変えるには「反論・自問自答(D: Dispute/Dialogue)」が重要です。「自分は不当に評価された」という「認知・解釈(B)」を、「過去の成功体験を振り返ると、評価は必ずしも客観的ではない」「今回の失敗から学ぶべき点は何か」といった反論や自問自答により、「今回の失敗は成長の機会」という前向きな気持ちの変化が生じます(E: Effect)。こうした思考方法を習得するのもレジリエンス研修の狙いです。こうした研修を実施することで、組織全体のレジリエンスが高まることも期待できますが、そのポイントを確認していきましょう。

組織レジリエンスの向上

一人ひとりの自己効力感アップ

自己効力感とは、「自分はできる」という自信のことです。困難な状況に直面したとき、自己効力感があれば、諦めずに改善に取り組み、乗り越えることができます。自己効力感を高めるためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。目標を達成したり、新しいスキルを習得したりすることで自己効力感が高まります。管理職・リーダーはOJTや目標管理を通じて部下のレジリエンス強化に関与することができます。

職場の心理的安全性の確保

心理的安全性を高めることで、職場全体のレジリエンスが向上します。心理的安全性が確保された職場では、従業員が自由に意見を述べたり、失敗を恐れずに新しいことに挑戦することができるようになります。これにより、イノベーションが生まれやすくなり、組織全体の成長につながります。心理的安全性を高めるためには、リーダーが率先して意見を尊重し、従業員の意見や感情を受け入れる姿勢を示すことが重要です。

具体的なレジリエンス研修のプログラム例

プログラム内容

レジリエンス研修では、以下のようなプログラムが実施されることが一般的です。

  • 自己理解:自分の強みや弱みを知り、どのようにストレスに対処しているかを理解します。
  • ストレス管理:ストレスの原因を特定し、それに対処するための具体的な方法を学びます。
  • 感情コントロール:自分の感情をコントロールする方法を学び、ストレスを軽減します。
  • 問題解決力の向上:困難な状況に直面したときに、冷静に対処し、解決策を見つける力を養います。
  • 自己効力感の強化:成功体験を積み重ねることで、自己効力感を高めます。

実施方法

レジリエンス研修では、一般的に以下のような手法を取り入れるとよいでしょう。

  • ワークショップ形式:ディスカッションやグループワークを通じて、参加者同士が意見を交換し、学びを深めます。
  • ロールプレイ:実際の場面を想定し、対応方法をシミュレーションします。
  • フィードバックセッション:研修後にフィードバックを行い、学びを振り返ります。

レジリエンス研修の効果測定

研修後のフォローアップ

レジリエンス研修の効果を持続させるためには、研修後のフォローアップが重要です。例えば、定期的に振り返りのセッションを設けたり、自己評価シートを活用することで、学びを深め、日常生活や仕事に活かすことができます。また、研修で学んだことを実践し、フィードバックを受けることで、さらなる成長が期待できます。

効果の評価方法

レジリエンス研修の効果を測定するためには、以下のような評価方法が考えられます。

  • 自己評価:参加者が自分のレジリエンスがどの程度向上したかを自己評価します。
  • フィードバック:同僚や上司からのフィードバックを通じて、参加者の変化を評価します。
  • ストレスチェック:研修前後でストレスレベルを測定し、その変化を確認します。
  • 業務パフォーマンスの評価:レジリエンス研修後の業務パフォーマンスを評価し、効果を測定します。

まとめ

レジリエンス研修は、個人の成長と組織の健全化に大きく貢献します。思考パターンの修正や自己効力感の向上、心理的安全性の確保など、さまざまな要素を通じて、従業員のレジリエンスを高めることができます。VUCA時代を生き抜くために、レジリエンスを高めることは、個人にとっても組織にとっても非常に重要です。レジリエンス研修を導入することで、従業員のストレス耐性を強化し、健全な職場環境を実現しましょう。

レジリエンス向上研修のご提案(研修プログラムあり)

新着記事企業は人なり~PHPの人づくり・組織づくり

  • 公開セミナー
  • 講師派遣・研修コンサルティング
  • 通信教育
  • eラーニング
  • DVDビデオ教材

×