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チームビルディング研修とは?目的やおすすめの内容を紹介

2024年6月20日更新

チームビルディング研修とは?目的やおすすめの内容を紹介

チームビルディング研修とは、高い成果をあげられる組織づくりを目的として実施する研修のことで、ゲームやアクティビティを取り入れた形式であることが特徴です。本記事では、研修の目的や成功させるためのポイント、具体的な実施手法を解説します。

INDEX

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チームビルディング研修とは

チームビルディング研修とは、チームのメンバー全員が1つの目標に向かって主体的に協力し合うことで、高い成果をあげられる組織をつくるための研修です。

慢性的な人手不足や働くことへの価値観の多様化など、企業をめぐる環境は激しく変化しています。こうした変化の激しい時代に求められるのは、スピード感のある柔軟な対応力です。

企業が変化に対して迅速かつ柔軟に対応していくためには、主体的に行動できる人材の育成が不可欠です。チームビルディング研修では、ゲームやアクティビティなどを取り入れた体験型のプログラムによってチームが一丸となって1つの物事を成し遂げる経験をします。

この取り組みにより、主体的に考え問題解決できる人材の育成を目指します。

そもそも「チームビルディング」とは

チームビルディングとは、メンバー個々の強みや経験を活かし、目標達成できる組織をつくり上げるための取り組みのことです。単純に人が複数人集まるだけでは「グループ」であって「チーム」とはいえません。

組織において「チーム」を意識せずに仕事を進めてしまうと、個人最適化へ向かってしまう傾向があり、全体としての力を発揮することが難しくなります。そのため、メンバー個々の能力やスキルを存分に活かして協力し合い、高い成果をあげられる組織づくりへの取り組みが求められます。

チームビルディングとチームワークの違い

チームビルディングとチームワークは混同して使用される場合がありますが、両者には明確な違いがあります。

チームワークは「仕事を成し遂げるために、メンバー同士が協力していくプロセス」のことです。それに対し、チームビルディングは「高い成果を出せるチームをつくるためにメンバーそれぞれのスキルや経験を活かしながら関係性をつくり上げ、協力を促していく取り組み」のことを指します。

組織に与えられた日常のタスクをこなしていくためにはチームワークが必要ですが、さらに継続的に成果を出せる仕組みや関係性をつくり上げるためにはチームビルディングが必要です。

チームビルディングが必要な理由

個々の能力を結集させてチームとして継続的に成果を出し続けるためには、チームビルディングが必要です。チームビルディングによって得られる効果はさまざまですが、チームビルディングの必要性は以下の3点に集約されます。

  • 心理的安全性の担保
  • リーダーシップの醸成
  • チームのパフォーマンス向上

それぞれの詳しい内容を解説します。

心理的安全性の担保

メンバー個々の能力が存分に発揮されるためには、「心理的安全性」が欠かせない要素です。

心理的安全性とは、「他のメンバーに非難されたり否定されたりする不安を抱くことなく、自由に自分の意見を発信できる状態」のことです。チーム内に心理的安全性が形成されると、忌憚なく意見を交換したり助け合ったりして、互いに高め合いながら目標に向かって行動できるようになります。

さらに、チームの足並みが揃うことによって個々のモチベーションが高まり、仕事に対して主体的に取り組める状態になります。組織としてのパフォーマンスや個人の能力を最大化するためには、チームビルディングを通して心理的安全性を確保することが大切です。

リーダーシップの醸成

チームビルディングの過程では、リーダーシップの発揮が重要なポイントとなります。「リーダーシップ=リーダー1人が発揮するもの」と捉えられがちですが、リーダーシップとは本来、すべての立場の人に求められるものです。

従来の日本企業では、影響力の強い1人のリーダーのもとに部下が集い、与えられた業務をこなすことが一般的でした。しかし近年は人手不足や働き方への価値観の多様化、IT化の進展など、ビジネスをめぐる環境は激しく変化しています。

このような時代においては、1人のリーダーの指示に多数が従うスタイルでは変化のスピードに対応していくことができません。そのため、経験の浅い若手社員であっても指示を待って動くのではなく、1人ひとりが自分なりのリーダーシップを発揮し、物事に対して主体的に取り組む姿勢が求められています。

チームのパフォーマンス向上

メンバーそれぞれのスキルや能力が高くても、チームとして思うような成果が出ないケースは多くあります。チームとして高いパフォーマンスを発揮するためには、メンバーそれぞれが自分の能力を発揮するだけでなく、チームとしての対応力や機動力を高めていくことが必要です。

チームとして集団が完成されると、個々の能力がさらに高められ、より高い成果をあげることが可能となります。こうした実体験を積んだメンバーは、次のプロジェクトやチームにおいてもこの経験を活かせるようになるでしょう。

つまり、チームビルディングによって強いチームをつくることは、将来にわたって組織をより良い方向へ導くことにつながります。

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チームビルディング研修を実施する3つの目的

チームビルディング研修を実施する際は、研修の実施目的を明確に意識することが大切です。一般的に、チームビルディング研修は以下のような目的で実施されます。なお、目的は1つに限らず、自社の状況に合わせて設定することが大切です。

  • 企業ビジョンを共有する
  • コミュニケーションを活性化させる
  • メンバー間の相互理解を深める

それぞれの詳細を解説します。

メンバー間の相互理解を深める

能力の高い社員を多く集めても、「ビジョン=目指すべき方向性」が不明確なままでは「何のために仕事をしているのか」が定まらず、生産性や自主性のない状態に陥ってしまいます。

企業ビジョンは経営層だけが認識していれば良いと考える人もいるかもしれませんが、組織としての力を発揮していくためには、すべての社員に企業ビジョンを浸透させる必要があります。

組織で仕事をしていくなかでは、自分の望まない業務に従事しなければならないタイミングもあるでしょう。そのような場合でもビジョンに照らし合わせて「何のためにこの業務を行っているのか」が理解できれば、目的意識を失わずに主体的に業務に取り組めるようになります。

高い成果をあげている企業の多くは企業ビジョンを共有することの重要性を認識しており、さまざまな方法でビジョンの共有に努めていることが特徴です。

チームビルディング研修を通じて経営者の考えやビジョンを伝えることで社員に共通認識が生まれ、全員が同じゴールに向かって力を合わせていくことが可能となります。結果として、業務効率化や生産性向上へつなげていけます。

コミュニケーションを活性化させる

チーム内のコミュニケーションが不足すると、チームがうまく機能しません。チームビルディング研修は、コミュニケーションを活性化させる手段として有効です。

チームビルディング研修がほかの研修と異なる点は、体験型のワークショップやゲームなどを通して学びを深める形式のため、メンバー同士が活発にコミュニケーションをとらなければ課題をクリアできないことです。

課題をクリアするための役割分担は役職や年齢に関係なく割り振られるため、必然的にすべてのメンバーが積極的に関わり合う環境がつくられます。普段は遠慮してしまって意見が言えない相手であっても、研修の目的を達成するために積極的にコミュニケーションを重ねることで自然な会話が生まれ、距離が縮まります。

メンバー間の相互理解を深める

仕事上のトラブルは、相手のことをよく理解していないために発生することが多くあります。トラブルを防止しチームとしての良好な関係を維持していくためには、メンバー同士が互いに認め合い、理解し合う相互理解が欠かせません。

相互理解を深めるには、メンバーそれぞれの価値観や強み、チームに貢献できることなどを自己開示するプロセスが必要です。しかし、普段の業務を通じてお互いの価値観や強みについて話し合ったり理解し合ったりする機会をもつことはなかなか難しいでしょう。

チームビルディング研修は、体験型のワークを通じて自分の意見を発信したり、相手の考えを受け入れたりといった機会を多くもちます。そのため、研修を通じて自然に相手への興味関心が高まり、お互いについての理解を深められます。

チームビルディング研修に必要な5つのプロセス

チームワーク

チームビルディングには、チームが結成されてから起こる変化を5段階に分けたタックマンモデルという概念があります。研修を実施する際はこのタックマンモデルを意識することで、研修の目的を達成しやすくなります。

タックマンモデルとは、以下の5段階のことです。

  • 形成期
  • 混乱期
  • 統一期
  • 機能期
  • 散会期

それぞれについて詳しく解説します。

形成期

形成期とは、チームが結成されたばかりの段階を指します。お互いのことをまだ何も知らない状態のため、チーム内に緊張感や不安があり、多くのメンバーは受け身の姿勢で様子をうかがっている状況です。

形成期に大切なことは、お互いに対する理解を深め、関係性を構築していくことです。関係性を構築するためには、ゲームやアクティビティを実施したり、交流会を開催したりして自由に意見交換できる機会をもつようにします。

また、リーダーはこの時期にできるだけ早くチームの目標を設定し、方向性を固めることも大切です。

混乱期

形成期を経て互いの関係性が構築されると、チームのメンバー間で意見の対立が起こり、衝突しやすい時期が訪れます。タックマンモデルにおいて混乱期と呼ばれる時期です。

チーム内の議論が活性化すること自体は望ましいものの、混乱期には自分の意見が受け入れられるかどうかという点ばかりに意識が向きがちになります。その結果、チームとして助け合ったり、目標に向かって合意形成したりといったことが後回しになってしまいます。

混乱期に必要なことは、お互いが納得するまで徹底的に議論を重ねることです。形成期のような交流会の開催などの表面的なコミュニケーションの場はあまり意味を成しません。混乱期は一見すると、回避できることなら回避すべき時期のようにも見えますが、チームとして一回り成長し団結を深めていくためには必要な経過です。

チーム内に過去に混乱期を経験したことのあるメンバーが存在すれば、混乱期に発生しやすいトラブルや対処法を習得していることでしょう。そのようなメンバーが積極的にリーダーシップを発揮し調整役となることで、混乱期をうまく乗り越えていけます。

統一期

統一期とは、混乱期を乗り越えてメンバー同士が互いを認め合い、同じ目標に向かって協力できるようになった状態のことです。

統一期にもメンバー間の意見の食い違いや衝突は発生しますが、混乱期のように自分の考えに固執するのではなく、チームのために柔軟な議論ができるようになります。議論がさらに活発化し生産的なコミュニケーションがはかれるようになるため、チームとしての生産性がアップする時期です。

一方で、チームとしての一体感がある時期だからこそ、間違った方向へ進んでいないか注意深く見守る必要もあります。リーダーは冷静に状況を把握し、必要に応じて軌道修正することが求められます。

機能期

統一期を経てチームの一体感が高まると、組織として成功体験を重ねられる段階に入ります。この時期のことを機能期と呼びます。

メンバー個々の能力を存分に発揮し、チームとしてのパフォーマンスを最大化できる時期です。チーム内の規律やルールに対する共通認識が生まれていることもこの時期の特徴といえます。機能期のリーダーの役割は、「機能期をできる限り長く継続させること」です。

この時期は、リーダーが細かな指示を出さなくても、メンバーが自律的に動けるようになっています。そのため、リーダーはメンバーのメンタルヘルスマネジメントなど、メンバーが持続的にパフォーマンスを発揮するためのサポート役に徹することがポイントです。

散会期

チームとしての目的の達成やプロジェクトの終了などにより、チームが解散する段階のことを散会期と呼びます。異動や配置転換などによってチームを解散せざるを得ない場合もあるでしょう。

散会期は、メンバーそれぞれがスキルや経験を身につけ、仕事をやり遂げた達成感に満ち溢れていることがベストな状態です。

散会期においてはリーダーの積極的な介入は不要で、新たなステージに向けて気持ちよく活動を締めくくるための雰囲気づくりが求められます。散会期の満足度が、次のプロジェクトやチーム編成へのモチベーションへつながります。

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チームビルディング研修の成功に向けた4つのポイント

チームビルディング研修を行う際はタックマンモデルを意識することが大切だと解説しましたが、研修を成功に導くためにはチーム内の対話や達成感を意識するなど、ほかにもポイントがあります。

具体的なポイントは以下の4つです。

  • 研修の目的や目標を共有する
  • 達成感が得られる内容を設定する
  • メンバー同士の対話を意識する
  • 研修後は振り返りを実施する

それぞれについて詳しく解説します。

研修の目的や目標を共有する

研修を始める前に、研修の目的や目標をチームのメンバーで共有することが大切です。ビジョンの共有やコミュニケーションの活性化、あるいはメンバー同士の相互理解など、研修目的を共有し明確にすることで、目的を果たすためのマイルストーンも明確になります。

また、事前に共通認識をもつことで、認識のズレによる意見の相違が発生しにくくなることもメリットです。

目標は個人とチーム、両方において設定します。個人目標としては、主体性の獲得につながるような内容にするとよいでしょう。チームの目標は、チームのメンバー全員で考えます。研修のすべてのプログラムが終了したときに、具体的にどのような状態になっていたいかイメージしながら具体化していきます。

目標を設定する際は、後から評価しやすいように目標の成功・失敗の定義や具体的な行動プランも併せて定めておくことがポイントです。

達成感が得られる内容を設定する

研修の具体的な内容としては、課題を達成したときにチーム全員が達成感を得られる内容にすることが大切です。1人では成し得ないことを仲間と協力することで乗り越えた達成感は、その後のチームの団結を強固なものにします。

チーム全員が達成感を得るためには、各メンバーの役割分担がポイントです。役割分担が曖昧なまま進んでしまうと誰か1人に負荷がかかったり、何もしないメンバーが発生してしまったりと、非効率です。役割を明確にすることでメンバー全員がスムーズに動けるようになります。

役割分担は、リーダーがメンバー個々の特性や強みなどを把握し、メンバーの希望も加味したうえで決めると効果的です。それぞれの得意分野や希望する役割を与えることで、当事者意識が高まり、より主体的に研修に取り組めるようになるでしょう。

チームが成熟してくれば、リーダーが役割を割り振らなくてもメンバー各自が自らの役割を認識し、自発的に動けるようになります。

メンバー同士の対話を意識する

研修では、メンバー同士の対話を意識することが大切です。特に形成期や混乱期ではチーム内の意見がまとまらず、方向性が定まらないこともあるでしょう。そのようなときに求められるのが、対話です。

対話とは、論理的に自分の考えを述べて相手を説得するディスカッションとは異なり、お互いの立場や意見の違いを理解し、その違いを擦り合わせることを目的としています。

メンバーのなかには相手を論破することが目的となり、議論がヒートアップしてしまう人もいるでしょう。あくまで対話の目的はお互いの認識を擦り合わせることであるため、議論の過熱は望ましいことではありません。中立的な立場で対話をリードできるファシリテーターがいると議論の過熱を避け、メンバー同士の対話を深められます。

また、チームで対話を重ねるなかで、相手の話に集中して耳を傾け理解する「傾聴力」や「質問力」も高められると、その後のチーム内のコミュニケーションが活性化し、研修がスムーズに進行します。

研修後は振り返りを実施する

研修の最後に振り返りを実施することで研修内容を定着させ、さらに研修効果を高められます。特にチームビルディング研修では、研修中はチームの雰囲気が良くコミュニケーションも活発であったにもかかわらず、職場に戻ると元通りになってしまう失敗例が多くあります。

研修効果を持続させるためには、メンバー同士が感想を言い合いながら振り返ることで、お互いへの理解を深めるステップが不可欠です。率直な意見を出し合う過程でメンバーが何を考えていたのか改めて知るきっかけとなり、チームの団結力を高められます。

振り返りはメンバー同士で行う方法以外に、講師がリードして進める方法もあります。講師からの問いかけに対してメンバーが回答する形式で振り返りを実施することで、メンバーが自発的に考えることを促す方法です。そうすることにより、研修での気づきを実際のビジネスの場で活かせる気づきへと変えていけます。

チームビルディング研修の手法とおすすめの内容

チームワーク

チームビルディング研修の特徴はメンバー全員が参加する体験型の研修である点ですが、その実施形式はさまざまです。研修の形式によって得られる研修効果も異なるため、自社で実施する際はそれぞれの特徴をよく理解したうえで自社の研修ニーズと照らし合わせて選択することが大切です。

代表的なチームビルディング研修の手法として、以下の4つがあります。

  • ゲーム研修
  • アクティビティ研修
  • 合宿研修
  • 座学研修

それぞれを解説します。

ゲーム研修

ゲーム研修はチームビルディング研修の代表的な手法です。ゲーム研修のメリットは、「研修」という堅苦しさや義務感を覚えず全員が楽しく研修に臨める点です。ゲームを楽しむ過程で自然にコミュニケーションが活性化され、チームワークが醸成されます。また、役職などの立場に関係なく議論できるため、チームビルディング研修のなかでもアイデアや意見をフラットにぶつけやすい内容です。

代表的なゲーム研修には「ボードゲーム」「バースデーライン」「謎解き脱出ゲーム」があります。PHP研究所でも参加者がチームビルディングを体験的に学べる協力ゲーム「松下幸之助〈理念経営〉実践ゲーム」をご提供しております。

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ボードゲーム

ボードゲームのメリットは、誰もが楽しめる点です。学びにおいて「楽しい」という感覚は重要で、楽しみながら習得したことは研修が終了した後も効果が継続しやすい傾向があります。

たとえば、世界的に知られているボードゲームの「モノポリー」は、投資や資産形成の知識を実践的に理解するための研修や経営戦略などを学ぶ研修で幅広く使用されています。リーダーシップと思いやりを同時に学べる「アチーバス」も多くの企業のチームビルディングに活用されているゲームです。

ボードゲームには明確なルールがあり、ルールを守って楽しみながら進めることで、ビジネスに必要な知識の習得とコミュニケーションの活性化が両立できます。普段交流が少ない人同士でも、自然なコミュニケーションが発生しやすい手法です。

バースデーライン

バースデーラインとは、誕生日の早い順に一列に並ぶゲームです。言葉を交わしたり文字でコミュニケーションをとったりすることは禁止で、ジェスチャーのみでお互いの誕生日を伝え合います。制限時間が終了したら順番に誕生日を発表していき、正しい順番で並べているか確認します。

簡単なゲームに思えるかもしれませんが、ジェスチャーのみで情報を伝えることは想像以上に難しく、制限時間内に並べないケースが多いことが特徴です。

バースデーラインを実施することで、言葉によるコミュニケーションの重要性と言葉によらないノンバーバルコミュニケーションの大切さを両方学べます。短時間で実施できるゲームのため、研修のアイスブレイクとしても有効です。

謎解き脱出ゲーム

謎解き脱出ゲームとは、メンバーそれぞれが物語の主人公となり、制限時間内に謎を解きながら物語のゴールを目指すゲームです。商業施設で実施されているような大規模な脱出ゲームとは異なり、会議室ほどのスペースがあればどこでも実施可能です。1チームの人数は5~6人程度とし、チームで協力しながら課題をクリアしていきます。

謎解きの具体例としては、暗号やパズルなど、チームで協力しなければ解けない問題が適しています。謎解きをする過程でメンバー同士の協力や役割分担、リーダーシップなどが求められ、自然にチームが形成される点がメリットです。

「脱出」という共通のゴールに向かってメンバー同士が協力し合うため、ゴールできたときの達成感も得られます。謎解きの内容を自社の扱う商品やサービスとリンクさせるなど、アレンジが自在にできる点も特徴です。

なお、ビジネスゲーム研修については下記の記事もぜひご覧ください。

参考:ビジネスゲームを研修にとりいれるには? その種類、獲得できるスキル、メリットも紹介

アクティビティ研修

アクティビティ研修とは、チームのメンバー全員が体を動かしながら共同作業を行い学びを深めるスタイルの研修です。チームワークの強化や、達成感の共有を目的として実施されることが多くあります。

また、身体を使うアクティビティを実施することで気持ちがリフレッシュでき、ストレス解消にもつながります。実施にあたっての注意点としては、メンバーの主体性が発揮されるようにアクティビティを実施する目的を事前に共有し、実施前後でどのような変化があったか振り返る時間を設けることです。

代表的なアクティビティ研修には、「レゴ®シリアスプレイ®」「ワープスピード」「フープリレー」などがあります。

レゴ®シリアスプレイ®

レゴ®シリアスプレイ®とは、パーツを組み合わせて自由にクラフトできるレゴ®ブロックを活用したワークショップです。レゴ®ブロックを使って頭の中のイメージを具体物として表現していく過程で、チームのメンバーの考えや将来のビジョンなどについて対話します。

コミュニケーションの活性化や課題解決能力の向上を目的として、多くの企業で実施されている手法です。レゴ®シリアスプレイ®は、所定のトレーニングを受けたファシリテーターによって以下のステップで実施されます。

  • ファシリテーターが作品のテーマを示す
  • チームに分かれてテーマに沿った作品をつくる
  • 完成した作品のストーリーを発表する
  • チームのメンバー同士で作品について対話する

レゴ®シリアスプレイ®は比較的長時間の研修です。研修の目的によって所要時間は異なりますが、一般的には半日から丸2日かけて実施されます。

ワープスピード

ワープスピードとは、グループごとに輪をつくり、その中で決められた順番でボールを回し、ボールが一周するまでにかかった時間を競うアクティビティです。「参加者が移動できるのは前後のみ」というルールがあります。

シンプルなルールで誰でも気軽に取り組めますが、短時間でボールを回すためには柔軟な思考力や既成概念に捉われない発想力が求められます。ほかにも、自分の意見を伝えるだけでなく、ほかの参加者のアイデアを受け入れる柔軟性も必要です。

ゲームを通して、指示を出す人と指示を受ける人のバランスが納得感の高いプロセスを生むことを体験できます。

フープリレー

フープリレーとは、グループで円をつくり手をつないだ状態でフラフープをリレー形式に通していき、制限時間内で何週できるか競争するアクティビティです。手をつないだ状態でフラフープを通過させるには、フラフープを渡す側と受け取る側の協力が不可欠で、メンバー全員の主体的な行動が求められます。

グループで作戦を練る時間を設けることでコミュニケーションが活性化し、協力体制が築かれることが特徴です。身体を使って挑戦するアクティビティのため、達成感が得やすいこともポイントです。

合宿研修

合宿研修は、同じ宿に泊まって数日間行動を共にする研修です。ホテルに宿泊するだけでなく、専門のアクティビティ施設やアウトドア施設に宿泊するパターンもあります。

合宿研修のメリットは、生活を共にすることで自然に会話が生まれ、心理的な距離が近づき相互理解が深まる点です。メンバー同士の人間関係が構築されていない時期に実施すると一気に距離を縮められるため、新入社員研修の一環として行われたり、新規プロジェクトのチームが結成されたタイミングで行われたりすることが多くあります。

研修の内容は企業によってさまざまですが、理想のチーム像や今後の自分自身のビジョンなどをワークショップを通して明確化していく形式が一般的です。研修に使える時間が長いため、ゲーム研修やアクティビティ研修と組み合わせて実施されることもあります。

座学研修

座学研修は、チームビルディングで求められる考え方やコミュニケーションスキルについて学問的に習得することを目的に実施されます。ゲームやアクティビティ形式の研修とは異なり、チームビルディングについて体系的に学べる点がメリットです。

ただし、座学だけによるチームビルディング研修の効果は限定的です。ゲーム研修やアクティビティ研修と組み合わせた体験的プログラムを策定することをおすすめします。

まとめ:チームビルディング研修で組織力を向上させよう

チームビルディング研修は、高い成果をあげられる組織づくりに有効な研修手法です。チームビルディング研修を実施することでチームワークの向上や相互理解の促進、コミュニケーションの活性化などさまざまな効果が期待できます。

ビジネスをめぐる環境変化の激しさや働き方の多様化に伴い、社内のコミュニケーションに課題を抱える企業も少なくありません。チームビルディング研修は短期間でチームワークを向上させる効果があるため、これまで以上に必要性が高まっているといえます。

チームビルディング研修にはさまざまな実施手法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。そのため、自社の状況に合った手法で実施することが大切です。今回の記事で紹介した内容を参考に、ぜひ自社に合った効果的な方法でチームビルディング研修を実施してみてください。

「チームビルディング研修」実施事例はこちら

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