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リーダーシップを磨き高める方法とは? 「人間力」の観点から

2024年5月20日更新

リーダーシップを磨き高める方法とは? 「人間力」の観点から

個人であれ、組織であれ、リーダーシップの有無が仕事の成果に大きな影響を及ぼします。では、どうすればリーダーシップを磨き高めることができるのでしょうか。本稿では、リーダーシップを構成する要素の一つである「人間力」という観点から、上記命題に関する考察を行います。

INDEX

高まるリーダーシップの重要性

市場を取り巻く環境の変化が激しさを増すなか、企業活動におけるリーダーシップの重要性が高まっています。変化の激しい時代に必要なのは、目の前で起きている状況に柔軟かつ機敏に対応することです。
昨今、注目を集める意思決定のフレームワーク「OODAループ」は、観察(Observe)⇒方向づけ(Orient)⇒意思決定(Decide)⇒実行(Act)⇒...を高速で回しながら、目まぐるしく変化する状況に対応しようというものです。まさしく、こうした思考と行動で組織を牽引する力がリーダーシップなのです。
したがって、「リーダーシップのある会社」と、そうでない会社との競争力の格差が今後、より一層拡がっていくのは自明と言えるでしょう。

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リーダーシップの構成要素

PHPゼミナールでは、リーダーシップは「仕事力」と「人間力」の2つの要素で構成されると定義づけています。
仕事力とは、仕事で成果を上げるために必要とされる力の総称で、具体的には「コンセプチュアルスキル」(概念化力)、「ヒューマンスキル」(対人関係力)、「テクニカルスキル」(業務知識、技能)とされています 。
一方の人間力は、人や組織を惹きつけ動かす力のことで、その力の構成要素には「人徳」と「熱意」があります。 ここまでの議論をまとめると、リーダーシップの構成要素は以下のように図式化されます。

リーダーシップの構成要素

人間力をどう高めるか

リーダーシップ開発を目指す上で、成否のカギを握るのは「人間力」強化です。
仕事力の強化については、やり方が標準化され、トレーニングプログラムなども充実していますので、比較的成果を出しやすいでしょう。しかし、人間力の強化は、暗黙知に覆われた部分が大きく、何をすればいいか、これまでよくわかっていませんでした。
私どもの長年のリーダーシップ研究 で得られた知見によると、人間力を高めるためのアプローチとして、以下の4つが効果的であることが明らかになりました。

人間力を高めるための4つのアプローチ
(1)常に新しい知見をインプットし続ける
(2)異業種、異分野の人との出会いを通じて視野を広げる
(3)第三者からのフィードバックを受け、視点の転換を図る
(4)「内省(≒自己観照)」を通じて、自らの人生観(どういう生き方をするかに関する考え方)を確立する

参考記事:次世代リーダーの育て方とは? 具えるべき要件や育成研修のプログラムを紹介│PHP人材開発

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リーダーは自らの人生観を問うべき

4つのアプローチの中でも、人生観の確立が特に重要であることを示す事例をご紹介しましょう。
ソフトウェア開発を手がけるサイボウズ株式会社の創業者である青野慶久社長は、かつて事業が行き詰まってどん底に落ちた時期がありました。そんな状況から逃げ出したいと苦しんでいた時に、たまたま手にとった松下幸之助の著書の中の次の文章に衝撃を受けたと言います。

志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。
志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。

出典:『松下幸之助 日々のことば』PHP研究所

創業以来、がんばってはきたが、命をかけるほどの思いで真剣に仕事はしていなかったことに青野氏は気づきました。そして、大切な命を何にかけるかを考え抜いた結果、「みんながびっくりするようなグループウェアを作りたい、それに命をかけたい」と心が定まったそうです。そこから紆余曲折がありましたが、会社が再建に向って動き始めたのです。

この事例は、リーダーが自らの人生観に思いを致らせることの大切さを教えてくれます。リーダーが確固たる人生観をもって、真剣に仕事に向き合うようになれば、その姿に感化された人たちがフォロワーとなってリーダーを支え、組織の一体感が生まれるのです。
したがって、リーダーシップ開発を目指す上で、まずやるべきは、経営者・経営幹部の方がたが自らの生き方を見つめ直すような場を設定することです。そして、トップ層の思いが固まれば、それが組織全体に波及し、「リーダーシップがある会社」へと進化・成長していくでしょう。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 経営共創事業本部 本部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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