経営者が「自分のことば」をもつということ
2015年11月 1日更新

私は現在、PHP公開セミナー「経営道コース」を担当させていただいています。「経営道コース」は、企業の存続発展を導く「経営者のあり方」を探求するもので、毎回、松下幸之助の経営実践の中から成功の法則を学んでみたいという意欲をもった経営者や上級管理職の方々がご参加くださいます。
また、この研修では、経営者として必要な企業観、経営観、人間観などについて考えてもらうグループ討議があり、グループリーダーを中心に様々な意見交換、活発な議論がなされ、グループごとの発表も熱のこもったものになります。
こうしたグループ討議の模様を観察していて、ご受講者の皆さんにいつも教えられることがあります。それは、優れた経営者や管理職の皆さんは「自分のことば」をもっているということです。
例えば「経営」とか「人間力」いうことばについて議論をする場合、どうしても、どこでも流通している、手垢のついたことばがたくさん耳をかすめます。そんな折に、その人ならではの説得力あることばに出会い、ハッとすることがあります。
最近の「経営道コース」のグループ討議の場面で、ある経営者が「人間力」について「辛抱しながら厳しい修羅場を乗り越えた経験を通して身につく。そうした経験が多いほど、強くなる」という意見を披歴しておられました。これには内心ウーンと唸ってしまいました。
私もPHPゼミナール講師として創設者である松下幸之助のことばを深く理解したいと考え、「経営道コース」のなかでもご受講生に紹介させていただくのですが、自分の実体験の中から迸り出る本物のことばをどれだけもっているか、自省させられることがあります。
PHPゼミナールのなかで、松下幸之助のことばを大切にし、ご紹介しながら、説得力のある「自分のことば」で、本物の経営者のあり方を、受講生の皆様とともに追求していけるよう、一層精進したいと考えています。
芦刈法明(あしかり・のりあき)
PHP研究所 研修企画部・主幹講師。1979年にPHP研究所に入社後、一貫して企業の人材教育に携わってきた。1989年からは、研修企画開発を担当。階層別コースの担当講師を務める。PHPビジネスコーチ(上級)。





































































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