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新任課長に教えたい、リーダーシップの定義とは?

2017年4月19日更新

新任課長に教えたい、リーダーシップの定義とは?

課長職としてチームを強くするためには、メンバー全員の知恵と考えを引き出しつつ、目的・目標達成に向けてその力を結集させていくリーダーシップが必要になります。そこで今回は、新任課長に教えるべきリーダーシップの定義を解説します。

リーダーシップは組織をひっぱる機能

「リーダーシップ」を極めて平易に定義するなら「組織をひっぱる機能」といえるでしょう。「管理としてのマネジメント」の定義が「組織をまとめる機能」ですから、比較してみれば、その相違は明らかです。
一般的に「リーダーシップ」は以下の3つのように説明されます。

(1)リーダーの役割を果たすための、必須で最大の位置を占める能力
(2)チーム・組織やメンバーを、一定の方向やビジョンに向かって動かす力=対人影響力
(3)ビジョンを描き、人やチーム・組織を巻き込み、成果をあげる力

それぞれに当を得た説明ですが、特に(2)、(3)は、その本質を的確に表現しています。リーダーシップを語る上で非常に重要なポイントは、リーダーという機能はフォロワー(支援者・支持者)があってはじめて成立するという点です。
そして、フォロワーをフォロワーたらしめる2大要素は、リーダーが示すビジョンへの「共感」と、リーダーその人に対する「尊敬心」や「信頼感」です。そのためにリーダーには人をひきつける人間的魅力や迫力、底力といった「人間力」が必要になるのです。

リーダーシップの2つの機能

リーダーシップには、次の2つの機能があります。

(1)パフォーマンス

業績や成果を追求することです。リーダーシップには、「マネジメント」と同様に、人とチーム・組織を通してめざす目標や課題を追求する機能があります。とはいえ、パフォーマンスのみにリーダーシップを発揮すると、チーム・組織の中の人間関係やチームワーク、メンバー個々のモチベーションなどに配慮が届かなくなり、業務目標達成だけを求める専制的なリーダーシップとなります。

(2)メンテナンス

そこで重要になるのが「メンテナンス」です。チーム・組織の規律を維持すること、チーム・組織内の人間関係を良好にし、メンバーのモチベーションを維持向上させることが目的です。もちろん、メンテナンスのみにリーダーシップを発揮したのでは目標達成への意欲や執念が薄れて、仲よしクラブ的なリーダーシップになってしまう危険性があります。
したがって、リーダーシップにおいては、好ましい成果に向かってこの2つの機能をバランスよく両立させることが求められます。

リーダーシップを効果的に発揮する3つのプロセス

リーダーシップをより効果的に発揮するためには、以下のプロセスが必要です。

(1)チーム・組織ミッション(役割・存在意義)と自らのミッションをベースに魅力あるビジョン(あるべき姿・目標・課題)への進路を設定し、チーム・組織内外に表明する

(2)そのビジョンの実現に向けてフォロワー(支援者・支持者)の心と力を統合し、人やチーム・組織を巻き込み動かす

(3)そのプロセスを通して学び、新しい付加価値を創造する

なかでも「フォロワー(支援者・支持者)の心と力を統合し、人やチーム・組織を巻き込み動かす」という点は極めて重要な働きです。
リーダーシップは対人影響力のことであり、チーム・組織メンバーの感情的、精神的なリソースに働きかけるという特徴があります。

フォロワーシップとパートナーシップ

課長職には、リーダーシップのほかに、ぜひとも備えておきたい「シップ」が2つあります。それは、「フォロワーシップ」と「パートナーシップ」です。

(1)フォロワーシップ

日本語にすると「部下力」とでもいえるでしょうか。「上司を補佐し、その責任遂行を『共同責任者』として支える力」という意味合いで、3つの機能をもちます。

・補佐代行
目的・目標・方針を共有し、上司の分身として率先して行動すること。常日頃から業務への意識を高くもち、実務能力を磨き高めることが大切です。

・調整・翻訳
上司と部下とのパイプ役として、意思の疎通をはかること。また、的確なホウレンソウ(報告・連絡・相談)により上司の正しい判断を助けることです。

・軌道修正
上司から間違った判断や方向性が示されたときに、決して言いなりにならず、正しく導くこと。上司といえども常に正しい判断をすることは難しいものです。勇気を要する役割ですが、直言することで軌道修正をはかります。

「優れたリーダーは、同時に優れたフォロワーである」という言葉があります。フォロワーに徹すれば徹するほど、優れたリーダーシップを開発できるとの意味合いです。リーダーシップの真髄を理解するためには、フォロワーシップを発揮することが効果的かつ近道なのかもしれません。

(2)パートナーシップ

メンバーやパートナーとの間に「協働・連携」を生みだす力です。
円滑にマネジメントを遂行する上で、あるいは、人とチーム・組織を巻き込みリーダーシップを発揮する上で、チーム・組織内外のメンバーやパートナーとの「協働・連携」が欠かせません。特に大きな革新(変革)を実現するためには、部門を超えた「協働・連携」の体制づくりが肝要です。そういう意味でも、日頃からチーム・組織の枠を超えた人間関係づくりや、コミュニケーションの充実が必要となります。

出典:PHP通信ゼミナール「課長職マネジメント革新コース」

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【監修者】
芦刈法明(あしかり・のりあき)
1979年、(株)PHP研究所入社。書籍・雑誌などの普及活動に携わる。89年から経営開発事業本部にて企業・団体への研修普及および研修企画開発を担当。PHPゼミナール主幹講師。2017年、定年により(株)PHP研究所を退職。現在、PHPゼミナール講師。

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