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効率よく価値を生み出し続ける「ビジネスモデル」とは~「成長ドライバ」のあるべき姿

2020年12月 9日更新

効率よく価値を生み出し続ける「ビジネスモデル」とは~「成長ドライバ」のあるべき姿

「成長ドライバ理論」とは、企業の成果や成長を左右する原動力(ドライバ)とその関連性を明らかにし、経営の全体像として見える化したものです。今回は、成長ドライバ理論のフレームワーク図におけるメインドライバの一つ「ビジネスモデル」について、松山大学経営学部教授・東渕則之氏に解説いただきます。

成長ドライバ理論のフレームワーク

成長ドライバ理論×松下幸之助
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ターゲット顧客と提供価値

「ビジネスモデル」とは、お金を儲けるための事業の仕組みのことです。社員が一生懸命に働いても利益があまり出せないビジネスモデルから、それほどあくせく働かなくても大きな利益が出せるものまで様々なものがあります。効率的に利益が生み出せない場合、労働時間が長くなり、社員は疲弊し、また、仕入先にも値引きを要請するなど、誰も幸せにすることはできません。

「経営理念・ビジョン」を実現するための手段として、効率的に大きな利益が生み出せる、いわゆる「筋の良い」ビジネスモデルにしておくことが大切です。

筋の良いビジネスモデルを作るためには様々な考え方があり、マーケティングや経営戦略などの分野で多くの議論がなされてきましたが、押さえておくべき捉え方や基本的なポイントがあります。

筋の良いビジネスモデルを作るには、まず、「ターゲット顧客」と「提供価値」がポイントとなり、しかも、「ターゲット顧客を絞り込む」⇒「顧客が求める価値(企業からいえば提供価値)を精査し特定する」⇒「提供価値を生む方法を工夫する」という順番が決定的に重要です。

よくある失敗が、「ターゲット顧客の絞り込み」や「提供価値」から考えずに、単に「売れそうだから」といった思い込みで商品やサービスから入るケースです。ビジネスモデルがうまくいかない場合、このような着想の間違いが原因となっているケースが多くあります。

ターゲット顧客を絞るべきだというのは、顧客像を明確にすることで顧客が求めるものを特定しやすくなり、提供価値を磨き上げることができるからです。つまり、提供価値を明確にしてエッジが効くようにするためなのです。幅広く、多くのお客さまに喜んでもらおうと思うと特色のない商品・サービスになってしまい、結局どのお客さまからも評価されないということになりかねません。ターゲット顧客を絞り込むことによって、自社の顧客の顔が見えるようになります。顧客が何を求めているのかという「求める価値」、すなわち、企業側からすると「提供すべき価値」ということが浮き彫りになってくるということです。そして、そのような商品・サービスは、結果的に幅広く多くの顧客に評価され、売上を伸ばしていくことができるようになります。

集客と課金

筋の良いビジネスモデルを作るために、もう一つ、「集客」→「提供価値」→「課金」という流れで考えることも重要です。

「集客」とは、ターゲットとする顧客に出会い、商品やサービスの良さを知ってもらうことです。広告や宣伝などが代表例です。また、昔から行われていますが、高級店での夕食は高価格ですが、翌日のランチはリーズナブルにすることによって、食材を有効に活用しながら、夕食の集客に活かすことも行われています。ランチでは儲けずに夕食で稼ぐという意味で、課金の工夫でもあります。2つの会社が自分の顧客を互いに紹介し合うジョイントベンチャーと言われる方法もあります。例えば、整腸剤のベンチャー企業が、健康食品の通販会社のダイレクトメールに自社の整腸剤のパンフレットを入れてもらい、その回の売上はすべて健康食品会社の取り分にするが、その顧客名簿は整腸剤のベンチャー企業が使用できるようにするという取り組みなどが例として挙げられます。集客の非常にうまい方法となっています。また、100%返金保証制度も、顧客が注文しても欲しいものと違ったら困るので注文を躊躇するということを防ぐ方法であり、一つの集客の方法となっています。インターネット時代になり、検索されたキーワードに応じて広告を表示するなど多様な方法が生まれているのは申し上げるまでもないでしょう。

そして、価値を提供して課金します。「課金」とは、顧客や商品・サービスにフィットした料金徴収の方法を工夫してお金を支払ってもらうことです。誰から払ってもらうか、どのように払ってもらうかに分けられます。課金方法は多様で、売り切りだけでなく、「サブスクリプション」という継続的な利用課金も一般的なものとなってきました。こうした様々な課金方法を踏まえて、顧客と提供価値にフィットした課金方法を工夫するということが高収益化につながります。そして、提供価値と課金は直接結びついている必要はないと言われています。例えば、小料理屋の女将はお客の話し相手になり、聞き手になり、結果的に癒しを提供しているのかもしれません。お客は、その癒しを価値と感じて店に通っているわけです。でも、その価値に課金しているのではなく、食事やお酒の代金として課金しているのです。今後は、モノではなく、コトが提供価値としてますます重要性を増してきます。提供価値がコトであっても、課金を工夫することでビジネスとして成立することは、様々なビジネスの可能性を拓くことになるでしょう。

筋の良いビジネスモデルを生み出すフレームワーク

ここまで述べてきた「ターゲット顧客の絞り込み」⇒「提供価値」⇒「価値を生む方法」という流れと、「集客」→「提供価値」→「課金」という流れを合体させると、筋の良いビジネスモデルを生み出すためのフレームワークとして活用しやすくなります。

バリュー・スター・モデル

「バリュー・スター・モデル®」と名付け、経営セミナーやコンサルティングなど様々な機会で利用していますが、「ビジネスモデルキャンパス」など他のフレームワークよりも中堅・中小企業の経営者の皆さまにとって、圧倒的に理解されやすく、使いやすいものとなっていると実感しています。

このフレームワークに沿ってビジネスモデルを検討することによって、成功しやすいビジネスの仕組みを考えることができます。既に成功しているビジネスモデルをこのフレームワークに当てはめ、確認できた5つの要素のうちの1つでも変えることによって新たなビジネスを生み出すこともできるのです。特に、自分の業種と異なる他の業種の成功しているビジネスモデルについて、バリュー・スター・モデルに沿って検討してみると、同業種で探すよりも大きな鉱脈を発見できる可能性が高まるでしょう。

成長ドライバ理論×松下幸之助
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