中小企業の経営者にエグゼクティブコーチングがおすすめな4つの理由
2025年2月27日更新
エグゼクティブコーチングは、経営者や経営幹部に特化したコーチングのことです。大企業でエグゼクティブコーチをつけるケースが増えていますが、中小企業の経営者にこそ、エグゼクティブコーチングは大きな助けになります。戦略的な思考を深めたり、組織の課題を的確に把握して解決することは非常に重要ですが、経営者が一人で課題に気づき、改善策を講じることは簡単ではないからです。本記事では、エグゼクティブコーチングが中小企業の経営者にどのように役立つか、その理由を解説します。
INDEX
エグゼクティブコーチングとは
エグゼクティブコーチングとは、主に経営者や経営幹部を対象にしたパーソナル・コーチングのひとつです。経営者が組織のビジョンを実現するために、直面する課題や問題を明らかにし、それを解決するために効果的なリーダーシップを発揮することが目的です。
そのためにエグゼクティブコーチは、一連のコミュニケーション・プロセスを通じて、経営者自身が主体的に気づきを得られるよう伴走します。
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中小企業の経営者の課題
中小企業の経営者が抱える課題はさまざまです。限られたリソースの中で経営の舵を取り、将来に向けた戦略的な思考を持つことは難しいものです。代表的な課題としては以下のようなものが挙げられます。
- 人員不足
- 予算不足
- 過去の成功体験にとらわれる
- 思考停止・萎縮してしまう
人員不足
採用難や離職率の増加によって、人員不足が慢性化すれば、限られた人数で多くの仕事をこなさなければならなりません。経営者は本来、中長期的な目線で経営戦略を考えたり、企業存続のために未来に向けた布石を打つなど、経営者にしかできない仕事をしなければなりません。しかし、人員不足や、人員が育っていない組織の経営者は、自らが社員のマネジメントをしたり、時には実務に奔走したりと、経営ではなく、「オペレーション」に走ってしまうケースが見られるようです。大局的に組織を見て客観的に判断するということも難しくなるでしょう。
予算不足
中小企業は資金面での制約が多く、十分な予算をかけて事業展開や改善を行うことが難しい場合があります。したがって、人材育成や、経営者自らのための自己研鑽やエグゼクティブコーチングへの投資が後回しになってしまうこともあります。人材育成は、経営課題の中でも重要な投資と捉えて取り組んでいく必要があります。
過去の成功体験にとらわれる
中小企業の経営者は、一代で会社を創業し成長させたり、老舗企業を発展的に存続させたりと、経営の力量が高い人が多いです。しかし、自分の経験や直感を重視するあまり、客観的な意見を取り入れることに抵抗を感じてしまう場合もあるようです。重要な意思決定の場面では、周囲の意見を柔軟に取り入れる姿勢が必要です。
思考停止・萎縮してしまう
同じような問題に繰り返し直面していると、新たな解決策を見出すことができず、思考が停滞してしまうことがあります。安定的な利益を生み出せている場合でも、新しい経営戦略やイノベーションが生まれてこなければ、いずれは停滞してしまう可能性があります。
また、売上の低迷や経営の危機に直面していると、思い切った判断や改革を行うことに萎縮してしまう場合もあります。
中小企業の経営者にエグゼクティブコーチングが役立つ理由
さまざまな課題を抱える中小企業の経営者にとって、エグゼクティブコーチングが役立つ理由は、次の4つです。
- 思考の整理ができる
- 外部からの新しい視点や気づきが得られる
- 自己認識が深まる
- 意思決定力が向上する
1.思考の整理ができる
エグゼクティブコーチングは、経営者が抱える課題や悩みを整理し、明確にする手助けをします。特に事業承継や幹部人材の育成、組織風土の刷新など、重要な経営課題を扱う場合には、冷静な思考で現状を把握し、適切な行動計画を決定することが重要です。エグゼクティブコーチングによって思考が整理され、次に進むべき道が見えてきます。
2.外部からの新しい視点や気づきが得られる
日々忙しく過ごす経営者は、しばしば自社の課題に対して外部の視点を見落としがちです。エグゼクティブコーチは外部の相談役として、経営者が抱えている問題に対して新しい視点を提供します。組織外のコーチだからこそ気が付く新たな視点は、経営者にとって貴重なアドバイスとなり、解決の手がかりを得る助けになります。
3.自己認識が深まる
経営者が自己認識を深めることは、リーダーシップを発揮するために非常に重要です。エグゼクティブコーチングを通じて、自分の強みや弱点、リーダーとしての役割について言語化することで、より深く理解できるようになります。これにより、自分自身の行動や決断に対する自信が高まり、組織全体の成長を導く力を発揮することができます。
4.意思決定力が向上する
経営者は日々数多くの意思決定を迫られます。その判断が企業の運命を左右することも少なくありません。エグゼクティブコーチングを受けることで、意思決定に対するアプローチが改善され、より効果的な意思決定を行えるようになります。また、コーチは意思決定の過程で考慮すべきポイントや視点を示してくれるため、選択肢をより広く見渡せるようになります。
まとめ:中小企業の経営者にこそエグゼクティブコーチングが必要
エグゼクティブ・コーチングは、中小企業の経営者にこそ強力なサポートになります。
PHP研究所の経営共創事業本部では、研修や商談を通して、日々中小企業の経営者の方々と対話を重ねています。
その中で見えてきたのは、たとえ経営資源にゆとりのない中にあっても、人材育成や人を育てるという意識が高い経営者が本当に多いということです。一方で、自分自身の自己研鑽や、経営判断の悩みが相談できる相手がいないことで悩んでいる経営者の姿もたくさん見てきました。PHP研究所のエグゼクティブコーチングを受けていただいた、ある経営者にお話しを伺ったところ、「待ちの姿勢ではなく、自ら働きかけて会社を良くしたいと願う経営者には、エグゼクティブコーチングを受けてほしい」とおっしゃっていました。中小企業の健全な発展には、エグゼクティブコーチングが必要なのだと実感しています。
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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 経営共創事業本部 本部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。