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あなたは何回、同じ話を聴くことができますか【コラム】~吉田真知子

2014年3月18日更新

あなたは何回、同じ話を聴くことができますか【コラム】~吉田真知子

研修や講演の業界にいて、たまにこんなお声を聞くことがあります。「前にも聞いたような内容だった」「すでに知っていることが多かった」「新しいことは何もなかった」――あなたにも同じようなご経験はありますか。

 

確かに私たちは日々多くをインプットして暮らしていますから、聞いたような話、知っていることは本当に沢山あるのだと思います。勉強家の方などは、特にその通りであると思います。沢山の知識を持って臨んだ研修に、新しいものが見当たらない。この講演家は前にも同じことを言っていた。これは時間の無駄ではなかろうか……と。

 
そして私は思うのです。そのときにわかったことが、次に出会ったとき、別のわかり方をすることもある。だから同じ話であってもその都度の出会いが存在するのではないかと。
 
以前読んだ本を再読した折、自分が赤線を引いた部分ではないところに、非常に興味納得が生まれることがあります。読む年齢や時々に応じて、本の意味が変わってくるのだなと思います。
 
また、私ごとで恐縮ですが、ここ数年で父母が急逝してから、たとえば目の前の方がお話をなさる「さみしい」という意味がおおいに変わりました。言葉通りではない深さに感じ入る次第です。以前の私がいかに表面的な理解をしていたかを恥ずかしく思う気持ちです。
 
昨今は若手の方なども、知識をしっかりお持ちの方が多いようです。ですので「知識=わかる=できる」の構図になりやすいのかもしれません。
 
しかし知っていることとできていることは違うのだと思います。まずは知っていることがはたして行動につながっているか、行動していることが相手に届いているか、目的に叶っているか、そこを捉え直していきたいと思います。
 
さて目の前の上司が、あなたのわかっていることをまたしゃべっているかもしれません。また毎年受ける研修だから、講師の話はこちら聴き手の方がしゃべれるくらいになっているかもしれません。だからこそ自分に問いかけてみましょう。前回の話とは別のところでひっかかるポイントどこなのか。自分の経験に照らし合わせて、もう一度新たな視点で学べるところは何なのか。わかってはいたが実行できていなかった部分はどこであるのか。
 
私自身も学びの渦中を生きるものとして、古くて新しい出会いを大事にしていきたいと思います。 
 
 
 
吉田真知子 (よしだ・まちこ) 
ソーシャルスキル・プログラム代表、PHPゼミナール講師
人材活性コンサルタントとして、「各所における人材の活性」を目標に掲げ、ビジネス・教育・文化・地域の各分野において、年間180回の講演・研修・コンサルティングを展開
個々人のもつ個性と可能性を活かした参加型プログラムを得意としている。

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