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新入社員が身につけるべき仕事の基本と進め方~教え方のポイントを解説

2022年3月28日更新

新入社員が身につけるべき仕事の基本と進め方~教え方のポイントを解説

新入社員が、まず最初に身につけてほしい仕事の基本と進め方について、教え方のポイントを解説します。指示の受け方や報連相、PDCA、顧客意識・コスト意識など、学んだことについて日々の仕事での実践を促し定着させていきます。

INDEX

仕事の基本となる考え方~「仕事のプロ」に育てる

新入社員には、最初にしっかりと仕事の基本的な考え方を身につけさせ、「仕事のプロ」を目指していただかなければなりません。仕事のプロとは、「稼ぐ力」がある人のことです。稼ぐ力とは、働いて給料をもらうことだけではなく、「努力して仕事の成果を上げ、お客様や周囲の人に喜ばれること」だといえます。喜ばれた結果としてお客様から代金をいただき、会社の売上の中から給料が支払われるのです。そして一つの成果が次のチャンスを生み、さらなる成果をめざして努力する――、そんな好循環をつくり、それを継続するのが「プロになる」ということです。

「組織の力」でビジネスを展開する

「組織の力」とは、「個人の力」を何倍にも大きくしてくれるものです。例えば優れた商品を開発できたとしても、個人では大量生産できませんし、大規模な宣伝もできませんし、全国の消費者に商品を届けるのも困難です。さまざまな仕事を組織のメンバーと分担し、協力し合うからこそ大きなビジネスを展開することが可能となるのです。新人の間は、自分の意思とは関係なく指示された仕事をしなければなりませんが、いずれは自分で決定し、組織の力を使って実行していくようになる、ということを理解してもらう必要があります。

仕事の指示の受け方

新入社員のうちは、自分が何をすればいいのか自分ではよくわからないので、上司や先輩から仕事の指示を受けることになります。その際、「指示される」という受け身の姿勢ではなく、自分から「指示を受ける」という能動的な姿勢を持つことが大切です。 指示を受けるときのポイントは以下の通りです。

  • メモとペンを用意する
  • 人の名前、数字は確実にメモする
  • 実行に移す前に指示の内容を確認する
  • 仕事の途中で何か困ったら、なるべく早く、キリのいいところで質問する
  • 仕事が終わったとき、誰に報告すればいいのか確認しておく

報告、連絡、相談

会社で行う仕事は基本的に「共同作業」で行うものです。複数のメンバーがそれぞれ複数の仕事を抱えながら、組織全体で成果を上げていきます。新入社員は通常上司や先輩から指示を受けて仕事をしています。ところが仕事の担当範囲が狭い新入社員からすれば、上司や先輩と1対1で仕事をしているような気持ちになっているかもしれません。 しかし上司や先輩は複数の仕事を複数の人たちと行っているため、指示を出した新入社員がどのように仕事を進めているのかについて、逐一報告してもらわなければ様子がわかりません。また何か問題が起きたときには、早めに報告し、関係部署等に連絡し、上司や先輩に相談することで、問題が大きくならないうちに解決する必要があります。「報告、連絡、相談」は、新入社員がまず身につけるべき仕事の基本中の基本であるといえます。

「PDCA」サイクルを回す

入社間もない新入社員に仕事を指示する際には、手順等をこと細かに説明して、その通りに実行してもらいます。やがてある程度慣れてきたら、「ひと固まりの仕事」をまるごと任せる段階に入ります。その際、「ひと固まりの仕事」をどのように進めていけばいいのかを本人に考えさせるために、「PDCA」について教えておくことが重要です。どうすればいいのか迷いながらであっても、「PDCA」のサイクルに合わせて何をやっていくかを考えれば、「当たらずとも遠からず」の範囲で仕事を進められるのではないでしょうか。
「PDCA」については、新入社員に対しては、以下のように説明し、実践しながらポイントをつかんでもらうといいでしょう。

1)Plan
仕事の「計画」であり、「目的・目標」の意味合いも含みます。仕事のスタートからゴールまで、やるべきことや手順などを決めておきます。

2)Do
仕事の「実践」であり、「実行・活動」の意味合いも含みます。Planに基づいて実際に現場で行動していくということです。

3)Check
仕事が終了したら、実践した結果を振り返って反省します。計画通りできたかどうか、仕事の質はどうだったかなどを確認します。

4)Action
振り返って反省したことや経験を、次のプランに反映させ、さらによい仕事ができるように取り組みます。

「5S」で仕事の質を高める

会社という組織で、複数の人たちが気持ちよく、無駄なく、安全に仕事をするためには、職場が「きれい」でなければなりません。乱雑な状態では何がどこにあるのかわかりにくくなり、ミスを誘発する原因となります。きれいに整理整頓された状態が保たれていれば、必要なものがすぐに見つかるだけでなく、快適で健康的に過ごせるようになるでしょう。新入社員にいわゆる「5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)」の意識を植えつけるのもたいへん重要です。
「5S」の意味を一つひとつ説明し、実践してもらいましょう。

1)整理と整頓
「ものの置き場所を決めて守り」、「使ったあとは元の場所に戻し」、「不要なものは処分し」、「きちんとファイルする」などして、ミスやムダを最小限にしていくということです。

2)清潔
仕事場の環境や身だしなみなど、常に清潔な状態を保つということです。

3)清掃
職場内や一人ひとりのデスク周りなど、毎日掃除をしてきれいにしておくということです。

4)しつけ
「整理・整頓・清潔・清掃」が習慣になって、いつもきちんとできているということです。

顧客意識、コスト意識、品質意識、安全意識を身につける

学生時代にはあまり必要とされませんが、プロ社会人になるために必ず身につけなればならない重要な視点として、「顧客意識」「コスト意識」「品質意識」「安全意識」の4つがあげられます。日々のあらゆる仕事は、これらを常に念頭において遂行していくことが求められます。そうすることで、初めてプロとして周囲からも認められる存在になれるのです。

1)顧客意識
「お客様の立場に立って考え」、「お客様の役に立とう」とする気持ちや行動のことです。別のいい方をすれば、お客様のニーズを正しく知り、それに応え続けるということです。

2)コスト意識
どんな仕事をするにも、それにかかる費用(コスト)を常に意識しなければなりません。いくら素晴らしい商品やサービスを考案しても、売れれば売れるほど赤字を出すような状態では事業が成り立ちません。あるいは100の費用をかけて150の成果を出すのか、120の費用をかけて200の成果を出すのかを考えるのも、コスト意識の一環だといえます。

3)品質意識
物づくりにおける製品の品質はもちろん、店頭における接客態度も品質の範疇に含まれます。もっといえば、上司や先輩・他部門の人たちなど、仕事で関連するすべての人をお客様と考え、品質の高い仕事を提供していくことが「品質意識」の第一歩となります。

4)安全意識
さまざまな機械・工具・材料・薬品を用いる製造現場や、危険が隣り合わせの建設現場などの安全だけでなく、近年はサイバーセキュリティ対策にも力を入れなければいけない時代となりました。何か危険が迫ってきたときに、それを防いだり対処したりするだけでなく、あらゆるリスクを予測して備える「予防」の観点をもつことも非常に重要です。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『<新版>めざせ!プロ社会人。』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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