階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

【2025年度・最新】新入社員向けビジネスマナー研修のポイント

2025年2月 6日更新

【2025年度・最新】新入社員向けビジネスマナー研修のポイント

新入社員研修で、とにかくビジネスマナーの基本だけは身につけさせたい――そうお考えの人事ご担当者向けに、最初に教えたいビジネスマナー8項目や研修効果を高める方法、最新の事例までを詳しく解説します。今どきの若者は、必要性について納得しないと進んで学習しないといわれます。必要性をどう説明し、腹落ちさせる話し方もあわせてご紹介します。

INDEX

eBook『新入社員の育て方完全ガイド』をダウンロードする(無料)

なぜ新入社員にビジネスマナー研修が必要なのか?

仕事を円滑に進めるためには、お互いの立場を理解し、相手が安心・満足できる適切な行動を取ることが求められます。その基本となるのが、ビジネスマナーです。

周りから愛される仕事をするためのビジネスマナー

PHP研究所創設者・松下幸之助は「ビジネスマンのもっとも重要な責務は何か」と問われたとき、「愛されること」「愛されるような仕事をすること」と答えています。「愛される」社会人になれば、職場の人間関係もよくなり、思わぬ助力を得て仕事の成果も上がります。これがまさにビジネスマナーの基本の考えです。相手の立場に立ち、相手を大切に思う気持ちがあって初めて相手との良好な人間関係がスタートするのです。
特に新入社員の場合は、上司・先輩をはじめ、周囲の助力なしに自力で仕事を進めることはできません。職場の内外で愛され「あの人と仕事がしたい」と思われる人間になるための第一歩がビジネスマナーであることを腹落ちさせ、積極的に実践してもらうことが、早期習得につながるでしょう。

社会の変化と求められるビジネスマナー

現代社会は、グローバル化、情報化、テクノロジーの進化、働き方の多様化など、急速な変化を遂げています。これらの変化は、企業におけるコミュニケーションのあり方にも大きな影響を与えています。ビジネスマナーについても、従来型のマナーに加え、異文化理解、オンラインコミュニケーションスキル、多様な価値観への配慮などが重要性を増しているのです。
新入社員向けビジネスマナー研修についても、業種・職種や自社の実情に合わせて、これらの変化に対応できる能力を身につけるための要素をとりいれていく必要があります。
ビジネスマナー研修は、新入社員が社会人としての基礎を築き、スムーズに業務に取り組むための第一歩となります。毎年、決まった内容で実施するのではなく、研修を通じて新入社員が自信と希望をもって社会に踏み出していけるよう、内容のアップデートを図っていきたいものです。

新入社員が抱えるビジネスマナーの不安

新入社員を対象とした意識調査では、「仕事をうまくこなせるか」「人間関係をうまくやっていけるか」が、新入社員が抱く不安として毎年上位にランクインしています。仕事はほとんどの場合、他者との関わりの中でなされるため、うまくこなせるかどうかは、関わる人たちとの関係性に負う部分が大きいものです。つまり、新入社員の不安は、いずれも人間関係に起因すると言えます。
人間関係を良好にする上で大切なのは、相手の立場に立って発想し行動することです。相手が何を望んでいるのか、相手が喜ぶために何をすればいいか、場面に応じて考えながら、それに沿った行動を心がけることが大切です。
ビジネスマナー研修は、人間関係を円滑にするためのマナーを学ぶことで不安を解消し、自信を持って業務に取り組むための重要な機会となります。原理原則を理解し、正しいビジネスマナーを実践できるようになれば、新入社員の不安や悩みも徐々に解決に向かっていくはずです。
また、受け入れ側の指導員や上司の教育・研修を実施し、新入社員が気軽に尋ねたり、相談できるような風通しのいい職場環境をつくっておくことも、ビジネスマナー習得をはじめ、社会組織化のカギになります。

企業イメージ向上のためのビジネスマナー

新入社員といえども、企業の顔として外部と接する機会があります。顧客や取引先とのコミュニケーションにおいて、新入社員の言葉や振る舞いは企業の印象を大きく左右します。例えば、丁寧な言葉遣いや的確な対応は、企業の信頼性を高め、好印象を与える一方で、不適切な言葉遣いや失礼な態度は、企業のイメージを損なう可能性があります。
昨今、主流となりつつある「人的資本経営」の考え方では、ビジネスマナー研修は、人材への重要な「投資」に位置付けられるでしょう。研修を通じて、新入社員は企業の代表として自信を持って外部と接し、企業のイメージ向上に貢献できるようになります。企業全体の印象を向上させることは、顧客満足度や企業価値の向上にも繋がり、企業としての長期的な成長に不可欠なのです。

参考記事:新入社員研修のカリキュラム作成方法~新年度の新人教育の内容をどうする? │PHP人材開発

新入社員研修で教えるべきビジネスマナーの基本8項目

ここでは、挨拶や電話応対、訪問時のマナーなど、新入社員にまず覚えてもらいたいビジネスマナー8項目をご紹介します。

挨拶

企業に就職して働くということは、「その企業の名前を背負って生きる社会人になった」ということです。企業の名前を背負う限り、たとえ新入社員であっても、「自社以外の人たちにとって、自分は会社を代表する存在である」という自覚が求められます。会社の代表である以上、挨拶は最低限の責務です。仮にきちんとした挨拶ができなかったとしたら、出会う人たちから「あの会社の社員は挨拶もできないのか」と評価されてしまうおそれがあるからです。新入社員には、たとえ相手が知らない人でも、また苦手な人でも、しっかりと挨拶できるように教育していくことが重要です。
また、挨拶とともに、姿勢よくお辞儀ができることも大切です。頭と背中に一本筋が通っているのを意識しながら、頭と背中をまっすぐにして一緒に下げるようにします。そしていちばん深くなったところで一瞬止まることで、より心がこもったお辞儀になります。
お辞儀には、下の図のように「会釈」「敬礼」「最敬礼」の3種類があります。新入社員には、それぞれの意味を伝え、状況に応じて使い分けられるよう指導しましょう。
ビジネスマナー研修では、ロールプレイングを取り入れることで、実践的なスキルを身につけてもらいましょう。

お辞儀の種類

電話の受け方

ビジネスコミュニケーションのツールとしてメールが多用される昨今ではありますが、相手と同じ時間を共有し、相手の反応を感じ取りながら会話が進められる電話にも多くのメリットがあります。その一方で、電話は相手の時間を奪うものでもあり、かけたときに「今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」と尋ねる心遣いも必要です。顧客満足度向上に繋がる、丁寧な対応を心がけるよう指導しましょう。
電話を受けるときの手順は以下のように説明し、実践しながらポイントをつかんでもらうといいでしょう。

●呼出音が鳴ったらすぐに出る
→3回以上呼出音が鳴ったときは「お待たせいたしました」のひと言を添える。

●会社名を名乗る
→内線電話の場合は「〇〇課の△△です」と、部署名と氏名を名乗る。
●相手を確認する
→相手が名乗らないときは「失礼ですがどちら様でしょうか」と尋ねる。
●挨拶をする
→「いつもお世話になっております」
●名指し人に取り次ぐ
→「〇〇と代わりますので、少々お待ちくださいませ」と答えてから取り次ぐ。外出している場合は「〇〇は外出しております。〇時頃戻る予定になっております」などと答える。

●用件を聞く
→用件を聞くときは必ずメモを取る。相手の社名・氏名・電話番号を確認し、伝言の内容は「5W2H(※)」でモレがないように聞く。最後に内容を再確認する。
●終わりの挨拶をする
→「失礼いたします」「よろしくお願いいたします」といったあと、ひと呼吸おいてから静かに電話を切る。

※5W2H=When、Who、What、Why、Where、How、How much

電話のかけ方

続いて電話をかけるときの手順です。

●電話をかける
→事前に相手の電話番号、部署、氏名を確認し、伝える用件をメモしておく。
●自分を名乗る
→「〇〇会社の△△でございます」と、社名・氏名を名乗る。
●挨拶をする
→「いつもお世話になります」
●取り次ぎをお願いする
→「〇〇課の〇〇様、いらっしゃいますか(お願いいたします)」
●用件を伝える
→メモを見ながら「5W2H」でモレのないように伝える。不在の場合は改めてかけ直すか、伝言を依頼する。
●終わりの挨拶をする
→「失礼いたします」「よろしくお願いいたします」といったあと、ひと呼吸おいてから静かに電話を切る。

来客対応のマナー

通常、自社に来客がある場合は事前にアポイントが入っているものです。その前提で、新入社員には次のような来客応対の流れを理解してもらいましょう。

●事前の準備
・会社に受付がある場合、どこの会社の誰が何時に来社し、どの部署の誰と面会するかを連絡しておく
・来訪の目的に応じて面会に使用する部屋を決めておく
・受付で待っていただく場合、誰が受付まで迎えに行って部屋まで案内するのかを決めておく

●来客応対の流れ
・受付担当者が出迎えて挨拶をし、自社の面会相手に取り次ぐ
・受付まで迎えに行き、決めておいた部屋に案内する。エレベータを使う場合、案内者が先に乗ってボタンを操作し、降りるときはお客様に先に降りていただく
・部屋にお通ししたら、上座に座っていただくよう促す
・部屋に案内したあと、必要に応じてお茶などをお出しする
・お茶を出す順番は、お客様が先で社内の人間が後。上座が先で下座が後
・帰られたら、茶器などを片づける

訪問時のマナー

多くの場合、新入社員は上司や先輩に同行して他社を訪ねるところから始まると思います。まずは上司や先輩がどのようにしているかをよく観察するとともに、いかに上司や先輩のサポートをしていくかを考えることが大切です。その経験が、その後一人で他社を訪問する際に役立つはずです。一人で訪問する際には、「自分は会社の代表選手」であることを自覚し、社命を果たせるよう精一杯努めなければなりません。こうした意識づけをしていくことも、新入社員の教育には欠かせない要素だといえます。
訪問時のマナーのポイントとして以下のような項目を伝えると良いでしょう。

  • 事前にアポイントを取る
  • 用件に応じて必要な資料等をすべて準備しておく
  • 訪問前には身だしなみを確認。名刺を必ず携帯する
  • 訪問時間は必ず守る。5分前の到着を心がける
  • 順序だてて用件を説明し、しっかりと話し合い、結論を整理して確認する
  • 最後に訪問のお礼を述べ、挨拶をして帰る

名刺交換の仕方

社会人として必ず身につけなければいけないのが、名刺の渡し方と受け取り方です。学生時代にはまず経験しない所作なので、他社を訪問するようになる前によく練習してもらいましょう。いただいた名刺は大切な財産であり、管理の方法を教えることも重要です。

  • 名刺は立って渡すのが原則。すぐに出せるように胸ポケットなどに入れておく
  • 訪問者が先に渡すのが原則。「私、〇〇会社の△△と申します」と名乗りながら、名前を相手のほうに向けて両手で渡す
  • 相手に先に出されてしまった場合、いただいたあとで「申し遅れましたが」といって渡す
  • 相手から名刺を受け取るときも両手で受け取る。指が名刺の文字に触れないよう注意
  • 名前が読めない場合、「失礼ですが、お名前はなんとお読みすればよいのでしょうか」と尋ねる

ビジネスメールのマナー

ビジネスメールについては、件名のつけ方や本文の書き方、送付先の設定などを、具体的に教える必要があります。手軽な手段であるだけに、ちょっと気を抜いた瞬間に、ミスや失敗を起こしがちです。また、メールの特性やマナーを知らないことから、相手に不快な思いをさせて会社の信用を落とす、人間関係を悪化させることも実際に起こっています。これは、個人の問題ではなく、会社の信用や評価にも関わるということを十分認識させておきたいものです。
ビジネスメールのマナーで教えておきたい主な項目は次の通りです。

  • 送付先(to、cc、bcc)を正しく使い分ける。使い方を誤れば個人情報流出という事態になることを理解させる
  • 件名は本文全体の要約とし、具体的でひと目でわかるよう工夫する
  • 本文は、箇条書などを使って、読みやすく簡潔にまとめる
  • 無機質で冷たい印象を与えないよう、相手に合わせた気配りフレーズを添える

コミュニケーションに関するマナー

チームワークを円滑にするための、コミュニケーションに関するマナーも、入社時の研修でとりあげるといいでしょう。一人前の社会人になるには、相手のことをきちんと考えながら、好感を持たれる会話ができるようになることが大切です。特に、今どきの新入社員は、対面でのコミュニケーションに課題があることも多いようです。まずは以下のポイントを教えておきましょう。

  • 要点をおさえて簡潔に話す
  • 「イエス・バット法」で相手の話を肯定的に受け止める
  • 正しい敬語を使う
  • 早口にならないよう注意する
  • 相手の反応を見ながら話し、相手にも話してもらうよう心がける

これらのほかに、社会人として求められる時間厳守の意識や、上司・先輩・同僚への適切な報告・連絡・相談については、ビジネスマナー研修の一項目として取り上げることがあります。いずれも重要な要素ですから、導入研修で必ず教えておきたいものです。

研修効果を最大化する4つのポイント

新入社員向けのビジネスマナー研修で、研修効果を最大化するためのポイントは次の通りです。

新入社員の特質を理解する

新入社員を受け入れる際に、かならずといっていいほど課題となるのが「世代間ギャップ」です。職場としての総合力を発揮していくためには、旧世代とは異なる若者世代の価値観や思考・行動パターンを理解しておくことが求められます。ビジネスマナーについても「社会人の常識」として押し付けるのではなく、自分事としてとらえたうえで、自ら考えてもらえるような工夫が必要です。

目的を明確化し、受講者と共有する

研修の目的を明確にし、新入社員たちに共有することで、モチベーション向上と積極的な参加を促します。企業が求める人材像と研修内容を結びつけ、具体的な目標設定を行いましょう。

実践的な演習をとり入れ、フィードバックする

講義だけでなく、ビジネスシーンに即したロールプレイングやグループワークなど実践的な演習を取り入れることで、知識の定着を図り応用力を高めます。講師や参加者からのフィードバックを通じて改善点を見つけるなどの工夫で、スキルアップを目指してもらいましょう。

研修後のフォローアップ体制を整える

ビジネスマナーは、新入社員向けの導入研修で一度学んだだけでは、なかなか身につかないものです。研修後も、OJTやメンター制度などを活用し、継続的なフォローアップ体制を構築することで、研修効果を持続させることが可能です。オンライン研修のカリキュラムを設置したり、研修後に振り返りができるようなテキストを配布するなど、自学自習の環境を整えておきましょう。

まとめ:効果的なビジネスマナー研修で企業価値の向上に繋げる

ビジネスマナーは、相手に安心感を与え、信頼関係を築くために不可欠なものです。ビジネスマナー研修を実施することによって、新入社員の不安を解消し、社会組織化を進めることにもつながります。入社時の新入社員研修で教えるべきビジネスマナーは業種・職種によって異なりますので、自社に必要は項目を確認しておく必要があります。効果的なビジネスマナー研修で、企業価値の向上に繋げていきたいものです。

PHP公開セミナー「新入社員研修」詳しい資料をダウンロード

PHP研究所では、新入社員を対象にした3日間の公開セミナーを実施し、毎年多くの企業の新入社員に参加いただいています。周りから愛され、信頼される社会人になるための「あり方」「働き方」を学ぶ最新の研修プログラムでは、ビジネスマナーと仕事の基本を習得し、学生から社会人へ意識改革を促します。人事ご担当者からは「たった3日間でこんなに変わるのに驚いた」という声が寄せられています。
研修後のフォロー施策も、公開セミナー「新入社員研修 フォローアップコース」はもちろん、ビジネスマナーに特化した研修動画(DVD)やeラーニングも充実しています。こうした多様な教材は、研修後も繰り返し練習できる環境を設けるために有効で、多くの企業様からリピート活用をいただいています。
開催の日程やプログラムはダウンロード資料でご確認いただけます。

PHP公開セミナー「新入社員研修」詳しい資料をダウンロードする(無料)

新着記事2025 新入社員研修・教育

  • 新入社員研修(公開セミナー)
  • 新入社員フォローアップ研修(公開セミナー)
  • 「新入社員研修の進め方」研修
  • 新入社員向け通信教育
  • 新入社員研修DVDビデオ教材
  • 新入社員研修eラーニング

×