自分の働きと給料~松下幸之助「人を育てる心得」
2017年7月19日更新

あるとき、若い社員の人たちに、大要つぎのような話をしたことがあります。
「ぼくは、皆さんご承知のように、この会社の最高責任者として、いちばんたくさんの月給をもらっている。それがいくらかということはここでは言わないが、かりに百万円なら百万円とする。その場合、ぼくが百万円の仕事をしていたのでは、会社に何らプラスしない。ぼくの考えでは少なくとも一千万円の仕事をしなくては、この会社は立っていかないだろうと思う。あるいは一億円、二億円の仕事をしなくてはならないだろう。そういう働きができているかどうかということを自問自答しつつ、ぼくは自分なりに一生懸命努力しているわけだ。
皆さんについてもそれはいえることで、皆さんの月給がかりに十万円であれば、十万円の仕事しかしなかったら、会社には何も残らない。そうなれば会社は株主に配当もできないし、国に税金も納められない。だから、自分の今月の働きが、はたしてどのくらいであったかということを、常に自分に問うていく必要がある。
もちろんどの程度の働きが妥当であり、望ましいかということはいちがいにはいえないが、まあ常識的には、十万円の人であれば少なくとも三十万円の働きをしなくてはならないだろうし、願わくは百万円やってほしい。
そういうふうに自分の働きを評価し、自問自答して自分の働きを高め、さらに新しい境地をひらいていってもらいたい。そういう姿が全部の社員に及んでいけば、そこに非常に力強いものが生まれてくると思うのだ」
このことは私は、きわめて大事なことだと思います。お互いに毎日一生懸命に仕事をしている。しかし、ただなんとなく一生懸命やっていればそれでよい、というわけではありません。やはりその働きの結果が、何らかの成果として現われ、会社にプラスし、さらに進んでは、社会に貢献しているということであってはじめて、その働きが働きとしての価値をもつのだと思います。
もちろん世の中にはいろいろな仕事があり、実際は仕事によっては具体的な金額で評価しにくいという場合もあるでしょう。しかし、やはりそういうことを自問自答しつつ、またときには他人にも教えを請うて、そうした評価の目安を求め、自分の働きを高めていく努力を、日々心がけていきたいものだと思います。
【出典】 PHPビジネス新書『人生心得帖/社員心得帖』(松下幸之助著)





































































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