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「1on1」と「フィードバック」~対話を通じて部下を育てる手法

2021年1月18日更新

「1on1」と「フィードバック」~対話を通じて部下を育てる手法

リモート環境下で部下を育てるためには、ITツールを活用しながら対話を重ねることが重要です。そこで本稿では、対話の手法である「1on1」と「フィードバック」の実践ポイントについて考察いたします。

1on1面談」の成功ポイント

テレワークの普及に伴い、OJTのあり方も大きく変わってきました。かつてのように、上司-部下が同じ時間と空間を共有し、「俺の背中を見ろ」式で指導育成が成り立つ時代は終わりました。

各種調査・指標によると、テレワーク下において仕事上の不安や悩みを抱えている若手社員が増えていることが明らかにされています。しかし、こうした不安や悩みの多くは、上司とのコミュニケーション(対話)の改善で解決できることが多いものです。

昨今、「1on1面談」を導入する企業が増えてきたのも、そういう背景が一つの要因になっていると思われます。「1on1面談」とは、月に12回、15分程度の面談を上司-部下間で実施するものですが、うまくいっていないケースが圧倒的に多いのも事実です。

1on1」を成功させるためには、面談だけを重視するのではなく、「事前準備」「事後フォロー」も含めてセットで取り組む必要があります。また、「1on1」を実施する側の上司のハードルを下げてあげることも重要です。

現場で実務を担う上司の方がたは、プロのコーチング技術をもっているわけではありません。その人たちに、高度な指導スキルを学ばせたり、それを部下指導に活かしたりすることを求めることは現実的ではないでしょう。「ただ、相手の話を聴ききる、それだけでいい」と伝えることで、上司の心理的負担感はかなり軽減します。スキルが未熟であったとしても、とにかく対話の量を増やしていくことが重要です。「量質転化」ということばがあるように、一定量を越えると必ず質の変化が起きるものです。

1on1」から「フィードバック」へ

継続的に「1on1」を実施していくと、その過程で部下に関する情報が蓄積されていきます。その中で気づいたこと、感じたこと、気になることがあれば、それを放置するのではなく、適時「フィードバック」して気づかせることが大切です。フィードバックは、時には耳の痛いネガティブなものになることがあるかもしれませんが、相手の成長のためにきちんと伝え、自己認知を高める必要があります。

個人の成長と自己認知力は相関関係にあると言われていますが(※1)、自分を知るという行為は案外難しいものです。だから、成長のためには第三者からフィードバックをもらって自己認知を高めることが大切なのです。最近の若者たちは、自己成長願望が非常に高いので、こうしたロジックを理解すれば、自発的にフィードバックを求めるようになるでしょう。

フィードバックには5つのステップ(①信頼感確保 ②事実通知 ③腹落とし対話 ④振り返り支援 ⑤期待通知)(※2)がありますが、中でも重要なのが「事実通知」と「腹落とし対話」です。

フィードバックの5つのステップ

事実通知とは、自分がつかんだ情報を主観を交えず、鏡のように客観的に事実を伝えることです。

(例:「先ほどのオンライン営業会議で一言も発言しなかったね。そんな君の姿勢は、周囲の人たちから『消極的だ』という印象で見られているよ」)

事実を「伝える」行為をしたからといって、即座に相手に「伝わる」ものではありません。たとえ、ことばに出さなくても、必ず異論・反論が相手の内側に生じるものです。だから、伝えた後、相手の反応を見ながら対話を重ねて納得感を高めていく「腹落とし対話」が欠かせません。ここでも、議論に打ち勝つことを目指すのではなく、相手の言い分を聴ききることが大切です。聴ききってもらったという感覚を相手が感じられれば、意外と納得感が高まり、「確かに上司の言い分にも一理あるな。自分にも反省すべき点、改める点があるかもしれない」という気づきにつながり、腹落としが促進します。

部下との対話は形にこだわらないことが大切

以上、対話を行うための手法として「1on1」と「フィードバック」をご紹介しましたが、これらの進め方やスキルなど、形式にこだわる必要はまったくありません。

自分と相手の実情に合った独自のやり方で実践すればいいですが、大切なのはこまめに対話すること、気になることは臆せずフィードバックをすることです。この2つを車の両輪の如く回し続ければ、部下の成長を強力にバックアップすることができるでしょう。

※1 コーネル大学による研究成果など
※2 引用:『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』(中原淳著(PHPビジネス新書)

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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