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プレイングマネジャーの悩みと役割、求められる意識改革

2020年8月17日更新

プレイングマネジャーの悩みと役割、求められる意識改革

プレイヤーとして現場で成果を上げつつ、チームのマネジメントも行なう「プレイングマネジャー」が当たり前となりつつある今、その多忙さから現場の人材育成が疎かになる企業が増えています。 あなたの会社では、優秀なはずの社員がリーダーとして力を発揮できず、困った状況に陥っていないでしょうか?

企業における「プレイングマネジャー」とは

プレイヤーとは、企業においては、最前線で商品を販売する営業スタッフであったり、製品をつくる製造スタッフであったり、事務作業を行う事務スタッフであったりするでしょう。マネジャーとは、本稿では、複数の部下を率いる「部門リーダー」であると考えてください。つまり「プレイングマネジャー」とは、現場で販売・製造・事務などを行いながら、同時にチームの管理監督もこなさなければならない立場を指します。
このプレイングマネジャーをいかに育成していくかで、組織の力は大きく変わってきます。PHP通信ゼミナール『プレイングマネジャーの仕事術』を参考に、要点を紹介していきましょう。

プレイングマネジャーの悩み

現代のビジネスの現場では、マネジャーに昇進した人も、マネジメントの仕事だけに専念するのではなく、大半がプレイングマネジャーとして働いています。必然的に担当する業務の量が増え、日々目の前の仕事に追われ、忙しさのあまり疲弊していく現状があります。こうなると、部下の指導もリーダーシップも最前線の仕事も、全部が中途半端になってしまう危険すらあるでしょう。
あなたの会社で、「優秀なプレイヤー」だった社員が、プレイングマネジャーになった途端に成果を出せなくなったというケースはありませんか? マネジャーがプレイヤーも兼務しなければならないという状況においては、人事教育の担当者が主導してその社員の意識を変え、うまく立ち回れるように教育していくことが不可欠です。

働く人の価値観は大きく変化している

昭和生まれのマネジャー世代と、平成生まれの若い世代との間では、価値観が大きく変化しており、マネジメントを難しくする要因となっています。例えば「セクシュアルハラスメント」や「パワーハラスメント」「モラルハラスメント」「マタニティハラスメント」は、昔からなかったわけではありません。しかし価値観が変わり、これらのハラスメントが以前よりも大きな問題ととらえられるようになっています。そのため、マネジャーの言動や行動には、より慎重な判断が求められます。
また、生まれてからずっと「デフレ経済」の中で育った若い社員は、子供の頃、大人たちがリストラされたり、非正規雇用労働者が低賃金で働かされている姿を見て育っています。そのため会社を心から信用していない面があり、どちらかといえば、会社の価値観よりも自分個人の価値観を優先する傾向があるのです。コンプライアンスやワークライフバランスに対する意識も高く、マネジャー世代とは意見の食い違いが起きやすいといえます。こうした「前提条件」を、マネジャーは頭に入れておく必要があります。
その一方で、人間としての本質的な部分は変わっていないともいえます。誰でもほめられれば嬉しくなり、叱られると落ち込みます。部下が落ち込んでいるときに上手にフォローすれば、それまで以上に力を発揮できるようになることもあります。こうした部分は、時代を超えて変わらない価値観だといえるでしょう。人間の本質を理解し、マネジメントに生かしていくことが重要です。

マネジメントの障害となる「プレイヤー的気質」とは

優秀なプレイヤーほど、実は「プレイヤー的気質」が強い傾向があります。プレイヤー的気質には、例えば次のようなものが挙げられます。

・自分にしかできない仕事がある
・自分のやり方を変更されると腹立たしい
・顧客が喜んでいるのに、社内で批判的な意見が出て腹が立つことがある
・質の高い仕事をしようとするたびに、予算が足かせになることがストレスである
・「上は何もわかっていない」が口癖である

プレイヤーとして結果が出せるようになった頃、こんなふうに考える社員は決して少なくありません。モチベーションが高いからこそ、このような傾向が強くなるわけですが、このプレイヤー的気質は、マネジメントを行ううえで大きな障害となります。会社は、プレイングマネジャーに対して、上記のような意識を変える教育を施す必要があるのです。

マネジメントを行うための意識改革

ではなぜ、プレイヤー的気質がマネジメントの障害になるのでしょうか。ひとつには、どんなに優秀なプレイヤーでも、一人でできることには限界があるからです。マネジャーの任務は、チームの力を結集して、決して個人では成し遂げられない成果を上げていくことです。そのため、ビジネスパーソンとしての「軸足」を、プレイヤーからマネジャーへと切り替えることが非常に重要なのです。そのうえで、プレイヤーとしての仕事を継続しながら、マネジャーとしての意識を高めて、その役割を果たしていかなければなりません。
特に、次のポイントに留意しましょう。

1)自分でやらずに部下に任せる

「自分にしかできない」「自分がやったほうが早い」という意識を捨てて、部下のレベルに合わせながら、少しずつ仕事を任せるようにします。部下の育成は長期的視野に立ち、成長度合いを見て、任せる仕事の量と質を徐々に上げていくのです。

2)仕組みをつくる

会社では、異動などでメンバーが変わることがよくあります。そのたびに忙しいマネジャーがすべてゼロから指導していたら、手間がかかりすぎて自分の仕事に支障が出る可能性もあります。そこで、部下にどのような仕事を任せるのかをあらかじめ明確化し、作業手順を決め、マニュアルを作成するなどして、部下にスムーズに仕事を割り振りできる「仕組み」をつくっておくといいでしょう。

3)立場の変化を意識する

部下は上司のことをよく観察しています。つまりマネジャーになるということは、「見る側」から「見られる側」に立場が変わるということです。部下たちに見せる姿は、すべてマネジャーからのメッセージなるということを、プレイングマネジャーは決して忘れてはいけません。具体的には、「視線」「発言」「行動」「メールの文面」などに特に注意が必要です。

4)成長し続ける

プレイングマネジャーは、「ずっと成長し続ける」という決意をしなければなりません。それは自分だけでなく、メンバーの成長にも責任をもつということです。そのうえで、チーム全体で、目まぐるしく変化する市場環境に対応していかなければならないのです。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『プレイングマネジャーの仕事術』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

通信教育「プレイングマネジャーの仕事術」

森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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