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坂本龍馬のリーダーシップに学ぶ組織のリーダーの在り方

2019年3月18日更新

坂本龍馬のリーダーシップに学ぶ組織のリーダーの在り方

優れたリーダーシップで維新をリードした坂本龍馬の言葉に、組織のリーダーの在り方を学びます。

*   *   *

リーダーは仲間を主役にする

成長を続ける組織とそうでない組織とでは、何が違うのでしょうか。その違いについて、これまで過去3回にわたり解説を行ってきました。(過去記事はこちら

【リーダーとアジテーターの4つの違い】
1.リーダーは勇気や希望で先導し、アジテーターは恐怖や怒りで扇動する
2.リーダーは問題解決を図り、アジテーターは問題対処に終始する
3.リーダーは共通の仲間をつくり、アジテーターは共通の敵をつくる
4.リーダーは仲間を主役にし、アジテーターは自分を主役にする

今回は最後の項目である「4.リーダーは仲間を主役にし、アジテーターは自分を主役にする」について、考えてみたいと思います。

成長を続ける組織のリーダーは、仕事を通じて仲間を主役にすることに長けています。組織である以上、当然求められる成果があるわけですが、リーダーと呼ばれる人々は、その成果を「自分が出す」ことにはあまり執着をしていません。つまり、仕事の成果をどんどんと仲間の手柄として称えていくのです。

仕事の最終的な成果をリーダーから称えられ、周囲の仲間から認められる。これは、本人にとっては大きな仕事への意欲に繋がります。その仕事において主役が自分であったということ、それを周囲の人々に認められ、さらに必要とされる存在であったということ、やり切ったという達成感、やればできるという自信、などが得られます。自分の仕事に対して、誇りや使命感、責任感が生まれます。

坂本龍馬の言葉に学ぶ

幕末の維新志士として有名な坂本龍馬は、次のような言葉を残しています。

「事は十中八九まで自らこれを行い、残り一、二を他に譲りて功を成さむべし」

この坂本龍馬の言葉からは、目先の手柄に執着せず、仲間をどんどんと主役に仕立て上げてしまう龍馬のリーダーシップの高さと、その人柄が出ていますね。

アジテーターは自分を主役にする

一方、アジテーターはというと仕事の成果を最終的には自分の手柄にしようとします。それは言い換えると、自分が出世するため、周囲から認められるために、組織や人を消耗品のような道具として扱っている、と言えるかもしれません。

消耗品のように、思い入れもなく無機質に利用される。人目につかない、しんどいところだけをやらされて、最後の手柄を持って行かれ、それでよい気のする人など、果たして存在するでしょうか。そのような仕事に対して、果たして誇りや使命感、責任感は生まれるでしょうか。おそらくそのような仕事を与えられた人にとっては、それは仕事ではなく無価値で無意味な作業にしか感じられないことでしょう。

では、なぜリーダーとアジテーターのような、仕事の手柄に対する執着の違いが生じるのでしょうか。そこには、組織の仕事の成果を上げることに対する目的・動機・姿勢などの違いがあるのです。

リーダーは、一個人の利を超えた使命感を持って仕事に臨んでいます。仕事を通じて将来自分が成しえたいことがあり、自分の損得以上にもっとずっと大切にしたい使命があり、それが信念となって公私の姿勢に現れてくるのです。

自己顕示欲との向き合い方

そして、もうひとつには自己顕示欲との向き合い方というものがあります。アジテーターは自己顕示欲を満たすために周囲を利用します。つまり、自分の心が満たされる基準が自分の外にあるのです。周囲からの評価が自分の心を満たす基準になっている、つまり精神的に周囲に依存をしている(精神的に自立できていない)ということなのです。

一方、リーダーと呼ばれる人々は自己顕示欲との向き合い方が上手です。自己顕示欲とは、筆者なりの表現で言わせてもらえるならば「自分の存在価値を認められたいという承認欲求」です。リーダーは、それを自分自身で満たすことができます。それはどういうことかというと、承認欲求が満たされる基準を自分自身の中に置いているということです。

たとえば、リーダーは周囲に認められるような仕事の成果を出し賞賛を得たてしても、自分が納得できていなければ自分自身を認めません。自分を認めるのは自分であり、周囲に認めてもらう必要があまりないのです。これは、精神的に自立をしているということです。

「我なすことは我のみぞ知る」

ここでもうひとつ、龍馬が残したとされる名言を紹介します。

「世の人は我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」

龍馬がいかに自立した精神性を持ち、他者の評価に一喜一憂しない人物であったかかがうかがえる、そんな名句と言えるのではないでしょうか。

龍馬のようなリーダーを目指すといっても、その言葉に学ぶだけではなかなか実践できないところがあるかもしれません。リーダーという名のアジテーターになってしまってはいないか。本質的なリーダーとして心に一本の芯を持てているか。自問自答を繰り返しながら日々の仕事と向き合っていくことで人は成長していきます。

貴社にほんとうの意味でのリーダーが育っているでしょうか。

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

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