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プレイングマネジャーの役割とは? メリットや求められることを紹介

2022年8月 9日更新

プレイングマネジャーの役割とは? メリットや求められることを紹介

マネジメントと現場の業務遂行を兼任するプレイングマネジャーは、チーム目標と個人目標とを達成する任務があります。プレイングマネジャーは、人材不足などを背景に、近年注目されているポジションです。今回はその役割を解説するとともに、必要な能力やメリットなども紹介します。

INDEX

プレイングマネジャーとは?

プレイングマネジャーとは、最前線で業務に携わるプレーヤーでありながら、チームのマネジャーとしてスタッフや仕事の管理を行う立場です。
もともとは、スポーツの領域で選手と監督を兼任する人を指す言葉でしたが、ビジネスでも人材不足などを背景に注目されるようになりました。
現代のビジネスの現場では、マネジャーに昇進した人も、マネジメントの仕事だけに専念するのではなく、プレイングマネジャーとして働くことが多くなっています。ここでは、プレイングマネジャーの仕事内容や役割、管理職との違いを紹介します。

業務遂行と管理職を兼任

プレイングマネジャーは、企業においては、商品を販売する営業スタッフであったり、製品をつくる製造スタッフであったり、事務作業を行う事務スタッフであったりするでしょう。
一方で、マネジャーという立場でもありますから、チームのメンバーに目標を伝えて統率しつつ、部下の業務を把握し、チーム全体の成果目標の達成を図ります。さらには、組織の目標達成に向けて組織戦略の立案や進捗管理、メンバーの育成も行います。経営層や他部署との折衝も、プレイングマネジャーの役割になります。

管理職との違い

プレイングマネジャーと管理職の違いは、個人の実績によってチームの目標達成に貢献しているかどうかです。プレイングマネジャーは個人とチームの双方に責任をもち、それぞれの成果を上げますが、管理職はチームの目標達成のみに専念します。
そのため、専任の管理職に比べると、プレイングマネジャーはマネジメントに多くの時間をかけることができません。部下の数が多くなると必然的に業務量が増え、部下の指導・育成もリーダーシップも、、個人としても、チームとしても、成果目標を達成するのが難しい状態になる危険性があります。

活躍する職種

プレイングマネジャーが活躍している主な職種は、営業職とエンジニアです。営業職はマネジャーが現場に立つことで顧客ニーズの把握が容易になり、営業活動を円滑にできるというメリットがあります。エンジニアの場合は、実際に業務を行いながら、プロジェクト全体の工程を把握するのが仕事です。
それぞれの職種でプレイングマネジャーが果たす役割を具体的にみてみましょう。

営業職

営業職のプレイングマネジャーは、自身の営業活動を行いながら、部下が担当する営業案件の進捗も把握しなければなりません。新入社員の営業に同行したり部下の指導を行ったりしながら、チームの目標達成に向けて活動します。
マネジャーと営業担当の兼任は、素早く顧客ニーズを把握でき、営業活動に反映できるというメリットがあります。自ら営業活動を行うことで顧客との関係性がよくわかるため、部下の営業活動について丁寧なフォローができるというメリットもあります。

エンジニア

エンジニアのプレイングマネジャーは、自身が担当する業務を行いながら、チーム全体の工程を把握して進捗を管理するのが仕事です。そのため、担当領域だけでなく、個々のエンジニアが担当する広範囲な知識が求められます。また、他部署や社外との交渉も行うため、コミュニケーションスキルを高めてキャリアを広げることもできるのがメリットです。

プレイングマネジャーが必要とされる背景

近年、プレイングマネジャーが増えてきた背景には、企業の人材不足があります。
企業に求められる採用戦略は、優秀な人材を確保するだけでなく、長く在籍して将来は管理職・経営層となって活躍する人材の獲得です。しかし、現実には、転職市場の活性化や仕事に対する価値観の変化もあいまって、早期離職、優秀な人材の転職という問題があり、人材不足の課題を常に抱えているという企業も少なくありません。
そのため、少ない人材の中で、現場の業務遂行とマネジメントを兼務せざるを得ないという実情もあり、また、兼務できるような能力を育成することも求められています。つまり、プレイングマネジャーを育成できるかどうかによって、組織の力は大きく変わってくるのです。

プレイングマネジャーに求められること

プレイングマネジャーに求められるのは、自分の業務だけでなくメンバーを通じて成果を出すことです。特に、立ち位置が変わることを意識しながら行動することは重要です。ここでは、プレイングマネジャーに必要とされる意識改革についてみていきましょう。

メンバーを通じて成果を出す

プレイングマネジャーに求められるのは、メンバーを通じて成果を上げることです。プレイングマネジャーに任命されるのは、これまで優秀なプレイヤーだった社員であることが多く、残業規制や納期などの事情を考えると、自分で仕事をやってしまったほうが早いという場面があるかもしれません。
しかし、成果を上げることだけを考えれば自分でやってしまったほうがよくても、それは部下の成長にはつながりません。部下に成果を上げさせることは、マネジャーとしての役割であり、結果的にはチーム力を高めることにもつながります。
どんなに優秀なプレイヤーでも、一人でできることには限界があります。チームの力を結集して個人では成し遂げられない成果を上げるためには、プレイヤーからマネジャーへと意識を切り替え、長期的視野で部下を成長させることが非常に重要なのです。

立ち位置が変わることを意識する

プレイングマネジャーになるということは、「見る側」から「見られる側」に立場が変わるということです。
部下は上司のことをよく観察しています。部下から見られる立場、リーダーとしての立場へと変わることは、特に意識しなければなりません。発言や行動などは、すべてマネジャーからのメッセージなるということを、プレイングマネジャーは決して忘れてはいけません。どのような姿を見せるべきなのかを考えることが必要になります。

自身とチームの成長に責任をもつ

ビジネスを取り巻く環境の変化は激しく、現代のプレイングマネジャーは、自身とチームをその変化に対応させていかなければなりません。変化に対応して市場で生き残るためには、チーム全体の成長が不可欠であり、プレイングマネジャーには、自分自身もチームも、どちらも成長させ続けるという責任と覚悟が問われることになります。

通信教育「プレイングマネジャーの仕事術」はこちら

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プレイングマネジャーに必要な能力

2つの役割を兼務するプレイングマネジャーには、さまざまな能力が必要ですが、特に必要とされるのは、コミュニケーション力、時間・タスクの管理能力といえるでしょう。プレイングマネジャーにとって必須ともいえる、この2つの能力について紹介します。

コミュニケーション力

プレイングマネジャーは部下や各部署のマネジャー、クライアントなどさまざまな人と接触することが多く、高いコミュニケーション能力が求められます。
また、チームの成果を上げるには、各メンバーが最大の能力を発揮できるよう、適切なコミュニケーションを行う必要があります。特に、コーチングやフィードバックといったコミュニケーションスキルは必須といえるでしょう。1on1などで、部下の能力や課題を把握しつつ、成長を支援していくことがチーム力の向上につながります。

時間・タスクの管理能力

プレイングマネジャーとして多くの業務をこなすためには、時間とタスクの管理能力が欠かせません。タスクごとの進捗管理とチーム全体から見た優先順位の決定を行い、適切なリソースを配分するといった管理能力が求められます。

プレイングマネジャーのメリットと問題点

プレイングマネジャーの仕事は組織全体の生産性を高め、組織の一体感を醸成するなどのメリットがあります。その一方で、個人の業務とマネジメントという2つの仕事をこなさなければならず、業務過多になるリスクがあることも把握しておかなければなりません。ここでは、プレイングマネジャーのメリットと問題点を紹介します。

生産性が高まる

優秀なプレイングマネジャーは、個人としての実務能力とマネジメント能力の両方に優れているため、生産性が高まるというメリットがあります。
また、管理職の専任者がマネジメントだけを行うのに対し、プレイングマネジャーは現場で業務を行うことで専任者であれば気づきにくい現場の問題点を把握することができます。早期に課題解決に取り組むことで、生産性を高めることもできるでしょう。

組織の一体感が醸成される

プレイングマネジャーは自分自身も現場で業務を担当していますから、細かい事情にも目が届くため、メンバーに、より具体的で現場の状況に即した指示を出すことができます。
また、現場の状況をふまえて、メンバーの悩みを聞き、それぞれの課題を把握することができます。メンバーにとっても、現場を理解しているという前提から、マネジメント専任者よりもコミュニケーションをとりやすいという利点があります。そのため、メンバーの信頼を獲得し、チームの一体感を醸成しやすいというのが大きなメリットになります。
さらに、何かの選択を迫られた際には、机上の空論に陥ることなく、現場の状況やメンバーの意見を尊重しながら判断することができるのも、大きな利点です。

業務過多になるリスクも

プレイングマネジャーは、プレイヤーとして現場で成果を上げつつマネジメントを行うことも求められるため、息つく暇もないような忙しさのなかで疲弊していく人が少なくありません。
また、優秀なプレイヤーがマネジャーに昇進することが多いことが多いことから、部下に仕事を担当させるより自分でやったほうが早い、目標の達成には自分が数字をフォローするしかないなどの理由から、プレイヤーとしての活動に時間と労力を割きがちです。
特に、マネジャーに必須の知識やスキルを獲得しないまま昇格してしまうと、いつまでもマネジメントに軸足を移せず、メンバーの育成やチーム力の向上にマイナスの影響を与える可能性があります。
こうした問題点については、人材開発部門が適切な研修教育を実施することで解消していきたいものです。

まとめ

人材不足が大きな課題となっている今、企業が着実に実績を上げていくうえで、チームリーダーの役割と現場の仕事とを掛け持ちするプレイングマネジャーの働きは非常に重要です。
プレイングマネジャーというポジションには、現場の信頼を獲得してチームの一体感を高め、生産性を向上させることができるメリットがあります。一方で、過大な業務量で疲弊してしまったり、マネジメント機能が発揮できずに部下が育たなくなったりといったリスクもあります。
プレイングマネジャーとして活躍するためには、メンバーを通じて成果を出すことや、自身とチームの成長に責任をもつことなどを含め、プレイヤーからの意識改革が重要になります。 人材開発の担当部門では、教育研修を通じてリーダーとしての考え方を身につけさせるとともに、マネジメントスキルを習得してもらう働きかけを行う必要があるでしょう。

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