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「管理」と「経営」~部長が果たすべきマネジメントとは?

2021年5月10日更新

「管理」と「経営」~部長が果たすべきマネジメントとは?

部長は「部門経営者」としての役割と責務を果たす必要があります。部長が果たすべきマネジメントについて考えてみましょう。

INDEX

分散型のマネジメント(部門経営)が求められる時代

コロナ禍を契機に、仕事の進め方・働き方が大きく変わりました。
かつてのように同質性を前提とした環境下では、少数の経営者、経営幹部が会社全体を引っ張る統合型のマネジメントが効果的でした。しかし、昨今のような多様性が重視される時代になると、多数のリーダーが各部門を引っ張る分散型のマネジメント(部門経営)でないと、組織をまとめることはできないでしょう。
本稿では、部門(部)を預かる部長職に求められる役割と意識について考えてみたいと思います。

マネジメントが発揮する機能~「管理」と「経営」

マネジメントということばが世の中に氾濫していますが、その内容に関する解釈は人によってばらばらです。PHPゼミナールでは、マネジメントについて「経営資源(人、物、カネ、時間、情報、等)を一定の基準・規則にもとづき、最大限に有効活用し、最大の成果を上げること」と定義しています。
そして、マネジメントが発揮する機能を「管理」と「経営」の二つに分類し、それぞれの観点から意味や目的を検討してみると、部長職の立ち位置が理解しやすくなります。

「管理」
業務が円滑に運営されるための状態を創り、維持・向上させること

「経営」
新しい価値を創り出すために、主体的に変革や創造を実行すること

部長職の仕事とは

これら二つの機能のうち、「管理」はできるだけ課長職以下のメンバーに任せ、部長職は「経営」の遂行に重点を置く状態が、組織全体の分業体制という観点からは理想の姿です。

ある経営者は「組織が大きくなると『管理』する事が必要となる。 しかし、それは『経営』する事と同じ意味ではない。『経営』が『管理』に堕した時に企業の輝きは急速に色褪せていく」と考え、「どんなに苦しくても、先の展望が見えなくても、リーダーは単なる『管理者』になってはいけない」という持論を展開していました。
事業の持続的な発展のためには、部長職以上の組織責任者は経営に全力を傾注しなければならないということなのでしょう。

本来の仕事をしていない部長職

しかし、昨今は部長職といえども、時間の大半を管理的機能の発揮に費やしている方が増えてきました。目先の仕事への対応も大切ですが、それだけに終始していると、担当事業や組織の将来ビジョンを考える余裕がなくなってしまいます。実際に、部長職対象の研修で「部門の3年後のビジョンは?」と問いかけても、すぐに答えられない人が多いのは、危惧すべき状況です。
そして、部門の将来の「あるべき姿」「ありたい姿」を描けていないと、さらに受け身の姿勢が強化され、与えられた仕事をこなすことに汲々としてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

部長が「部門経営者」になるために大切なこと

したがって、部長職が「部門管理者」から「部門経営者」へと意識と行動を変えるためには、「考える時間」を確保することが絶対的に必要です。米国の経営学者D.コルブが提唱する『経験学習モデル』によると、「経験」を「省察」(≒振り返り)することで、気づき・発見・新たな智慧の創造が促進されるというメカニズムが明らかにされ、経営学における主流の考え方として注目を集めています。

また、大きな成功を収めた経営者や指導者など、実学の世界にいる方がたの多くも、立ち止まって考えること、振り返ることを重視していると述べています。PHP研究所創設者・松下幸之助は「今日一日をふりかえり、失敗や成功を見出し、その味をかみしめる。これが体験である。反省することなしにポカンと暮らしてしまえば、これは体験にならない」(『物の見方 考え方』PHP研究所)と述べ、「経験」を振り返って「体験」に昇華させることの重要性を指摘していました。

忙しいからこそ、考える

限られた時間の中で、圧倒的な量の仕事をこなさなければいけないからこそ、逆説的に立ち止まって、考える必要があるのです。立ち止まって考えることで、何が重要で何が重要でないかの判断がつきやすくなったり、何のためにこの仕事をやるのかというミッションが明確になったり、問題を引き起こしている真因を捉えやすくなるなどのきっかけとなるのです。

日々の職場においても、「始業前の5分間は考える時間にする」とか、時には研修会などに参加して、仕事を離れて自分と振り返るなどの行為は、たくさんの気づきと自身の成長を促進してくれます。

部門管理者から部門経営者へ――。部長職を理想の姿へ導いてくれるのは、地道な努力の継続しかないのです。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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