階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

成功する部長が必ず具えている「人間力」とは?

2021年10月 4日更新

成功する部長が必ず具えている「人間力」とは?

人や組織を惹きつけ動かす「人間力」。部門経営を推進する部長職には欠かせない要件です。では、具体的にはどのような要素であり、どうすれば身につけられるのでしょうか。

INDEX

部長に求められる「人間力」とは?

部門経営を推進するためには、部長職一人の努力だけでは限界があります。組織を構成するすべてのメンバーが参画する「全員経営」でなければ、成果を上げることは難しいでしょう。では、どうすれば人の心を惹きつけ動かすことができるのでしょうか。その原動力になるのが、部長職自身の「人間力」です。
PHPゼミナールでは、人間力を「人や組織を惹きつけ、動かす、対人関係力や行動力、発想力の総称」と定義しています。能力、スキル、知識といった「頭の力」以外の、その人の考え方・生き方など「人としてのあり方」がパワーの源泉になるのが人間力なのです。
抽象度の高い概念である人間力ですが、二つの構成要素に分解して考えてみると、理解しやすくなります。

人間力=人徳+熱意

「内発的動機」で人が動くには?

人間力の構成要素の一つめは「人徳」です。
松下幸之助は、徳の重要性について次のように述べています。

人間が人間を動かすのは、実際はなかなか容易なことではないのです。もちろん命令で動かすことはできますよ。たとえば、会社であれば、社長の命令、部長の命令といえばたいていの人はやるでしょうな。しかし、もしいやいややるのであれば何ごとでもうまくいくはずはありません。いつか破綻がきます。(中略)人から慕われる徳があってこそ、その人のもつさまざまな力が十分に生き、人も喜んで動いてくれるということではないでしょうか

『人生談義』(PHP研究所)

外側からの強制力で人を動かすのではなく、内側から湧き出る「内発的動機」で人を動かすためには、「この人のためなら」と思わせるような徳がリーダーには求められるのです。では徳を高めるためには具体的にどうすればいいのでしょうか? その答えを中国古典に求めてみると、五つの観点からの自己研鑽が必要であるとされています。

  • 「謙」…謙虚さを保つ。人を見下さない。感謝の念をもつ
  • 「寛」…大きな度量をもつ。小さなことに目くじらをたてない
  • 「仁」…思いやりの心をもつ。相手の立場に立って発想する
  • 「信」…ウソをつかない。約束を守る。正しさに立脚した行動をとる
  • 「勤」…率先垂範。仕事を一所懸命やる。
中国古典では、こうした地道な取り組みを継続する努力によって、その人自身の内面が磨かれ、徳が高まると教えています。

リーダーの熱意が人の心に火をつける

人間力の構成要素の二つ目は「熱意」です。熱意については、多くの経営者・学者がその重要性を強調しています。
京セラ・名誉会長の稲盛和夫氏は、かつてPHPゼミナール・特別講話において、指導者の条件について「はっきりした目的意識にもとづく『情熱、熱意、願望、夢、希望、意思』をもっていること」と明快に示していただきました。さらに、熱意とは「何としても俺はこうありたいという魂から自分を駆り立てるようなもの」であるとも述べられました。
松下幸之助は「指導者は、こと熱意に関してはだれにも負けないものをもたなくてはならない」(『指導者の条件』PHP研究所)と述べています。
また、米国のコンサルティング会社『ロア・インターナショナル』の創業者テリー・ベーコンは、リーダーの影響力に関する調査を行い、「熱意に満ちたリーダーは平均的なリーダーより十倍も影響力がある」ことを明らかにしました。
多くの有識者が異口同音に述べているように、リーダーの熱意が、人の心に火をつけ、組織を動かすエネルギーとなるのです。

熱意を高めるためには

熱意を高めるためには、自分自身の使命・願望・可能性について、深く考え抜く営みが欠かせません。

「自分は何のために生まれてきたのか?」
「部長職として何をすべきなのか?」
「仕事を通じて何を成し遂げたいのか?」
「自分にしかない強みは何なのか?」

こうした問いに向き合い続け、自分なりの観(人生観、仕事観、人間観、等)を形成していくことが、熱意あふれる部長職へ近づく第一歩となるのです。

人材は4種類に分類される

熱意という観点から、人材を4種類に分類する考え方をご紹介しましょう。

  • タイプ1:自ら点火して熱意を高める人材
  • タイプ2:他人から点火してもらって熱意を高める人材
  • タイプ3:他人から点火してもらっても熱意が高まらない人材
  • タイプ4:他人に水をかけ、熱意をうばう人材

言うまでもなく、部門経営を担う部長職は、タイプ1の人材を目指して日々精進しなければなりません。そのためにも、節目の部長研修は、人間力の重要性に気づき、人徳と熱意について自身の現状を振り返り、それらを高めるためのアクションを起こすきっかけとしたいものです。

感謝の心が人間力を磨く

感謝の心が人間力を磨く

2021年の東京オリンピック・パラリンピックでは、さまざまなドラマが展開されました。その中でも印象的であったのが、競技を終えたアスリートの多くがインタビュー等で、感謝の思いを口にしていることでした。スポーツであれ、ビジネスであれ、その他の分野であれ、一流と言われる人たちに共通しているのは、感謝の念をもっているということです。

感謝に関しては、精神性の観点からも、科学的な見地からも多くの有識者によって、その重要性が説かれてきました。例えば、「感謝が感謝を生み、不平が不平をよぶ」ということばがあるように、心のもちかたが幸不幸を左右するという哲学的な教えがあります。一方、脳科学の分野では「感謝の気持ちをもち続けている人は成長志向になり自制心が高まる」という研究結果(※1)があります。

2種類の感謝

このように感謝することの重要性は誰も否定することのない、普遍の真理と位置付けられていますが、ここで理解しておきたいのは感謝にも種類があるということです。

カリフォルニア大学リバーサイド校 アルメンタ博士らによると、感謝には2種類あるとされています。(※2)。

(1)恩恵的感謝(Doingの感謝)...良いことがあった時に感謝すること
(2)普遍的感謝(Beingの感謝)...平凡なことにも感謝すること

恩恵的感謝は、良いことがあれば感謝するけれど、なければ感謝しないので一種の取引のような状態です。自分を取り巻く外部環境の状況に応じて精神状態が変動しやすく、長期的には鬱(うつ)傾向を強くするという研究結果が出ています。

それに対して普遍的感謝は、「生きていることがありがたい」「仕事があるのがありがたい」「家族がいてくれてありがたい」というように、一見すると「当たり前」ととらえがちなことにも感謝の気持ちを向けます。この感謝を続けていると、「自分は恵まれている」「運がある」「何とかなる」「できる」という前向きなマインドセットにつながり自己肯定感が高まります。

※1 Dickens,L.,&DeSteno,D.(2016) The grateful are patient:heightened daily gratitude is associated with attenuated temporal discounting.Emotion.16(4),421-425
※2 Armenta,C.N,Fritz,M.M.,& Lyubomirsky,S.(2017)Function of positive emotions:Gratitude as a motivator of self-improvement and positive change.Emotion Review 9.183-190.

人間力豊かなリーダーになるために

私たちが目指すべきは言うまでもなく、普遍的感謝のほうです。日々、何げない当たり前のことにも感謝の思いをもち、それをことばにすることで気持ちが明るくなり、表情や言動に力強さが表れてきます。そこから発揮されるオーラが周囲にプラスのエネルギーを与え、自然とその人の周りに人が集まってくるでしょう。

そして、そのような人間力豊かな人がいる職場は活性化しますし、仕事の生産性も上がり、イノベーティブなアイデアも生まれやすくなります。当然、ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)が上がるので、結果的に業績も向上するはずです。したがって、組織を率いるリーダーには豊かな人間力が求められるのですが、そのための第一歩が普遍的感謝を心がけることです。
とはいうものの、人間力は一朝一夕に磨き高められるものではありません。焦らず、一歩一歩地道に自身を高める、そんな心構えをもちたいものです。

PHP公開セミナー「部長・課長のための人間力強化研修」

PHP公開セミナー「部長研修 部長力強化コース」

管理職(マネジメント)研修・教育TOPへ

的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

新着記事管理職(マネジメント)研修・教育

  • 部長研修 部長力強化コース(公開セミナー)
  • 部長・課長のための人間力強化コース(公開セミナー)
  • 課長研修 マネジメント革新コース(公開セミナー)
  • 係長研修 行動革新コース(公開セミナー)
  • PHPコーチング研修(公開セミナー)
  • 中原淳監修「フィードバック実践研修」(公開セミナー)