階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

入社1年目に習得しておきたい「3つの仕事力」

2022年9月12日更新

入社1年目に習得しておきたい「3つの仕事力」

本年4月入社の新入社員が企業人になって、早くも半年近くの時間が経過しました。この先も長い会社生活を充実したものにするために、また自律的に成長し続けるために、この時期に新入社員は何を学び、何を会得するべきでしょうか。本稿では、入社1年目に習得しておきたい3つの仕事力をご紹介します。

INDEX

入社1年目の重要性

企業にとって新入社員の育成は、事業継続の観点から、もっとも重要なタスクの一つと言えます。多くの企業で4月に導入研修が、数か月後にはフォローアップ研修がそれぞれ実施されます。また、通信教育やEラーニングを活用して専門知識の習得を支援したり、エルダー制度やメンター制度などで日々の対話を通じた指導を行う企業もあります。

このように、最初の1年間に非常に手厚い教育機会が提供されるのですが、2年目に入ると、これらの多くがなくなってしまいます。したがって、2年目以降は「自分の教育担当者は自分である」という自覚をもっていないと、思うように成長ができなくなります。逆説的に言えば、最初の1年間で、どのような学びや経験ができるかが、2年目以降のキャリア形成を左右するのです。

必ず習得しておきたい3つの仕事力

入社1年目の間に必ず習得しておいていただきたいのが、次の3つの仕事力です。

1.重点思考力

品質管理の用語に「vital few & trivial many」(重要な少数と取るに足りない多数)ということばがあります。このことばが示すように、全体の成果に大きな影響を与える重要な要素は少ないけれど、それを見抜くことが大切です。
日々の仕事も理屈は同じです。自分が取り組む仕事のうち、時間とエネルギーを重点的に注ぐべきもの(vital)はどれで、軽く流してもいいもの(trivial)はどれかを見抜く力が大切で、その力が重点思考力なのです。

重点思考力を高めるには、To Do List(やるべき仕事を書き出したリスト)を書いてタスクを「見える化」したうえで、緊急度、重要度の観点から重点レベルを設定し、取り組む順番、投下する時間配分の目安をつけておくことが有効です。

2.想像力

ここで言う想像力とは、自分を俯瞰的に見つめることを指しています。
「この仕事の後工程はどのようになっているのか」
「お客様がなぜ、今回の提案を却下したのだろうか」
「課長はなぜ、自分にこのような仕事を担当させるのか」
「職場の人たちは自分に何を期待しているのか」等々。
視座を上げたり、視野を広げたり、あるいは異なった角度からの視点をもつなどして、将来のことや相手のことを想像しながら仕事をする習慣を身につけておくと、今何をするべきか、気づく力も磨き高められます。

3.人を動かす力

ほとんどの仕事は、自分一人で完結することはできず、人との関係性の中で成果が生み出されるものです。したがって、人を動かす力は、どのような業種の人にも共通して求められる、必須のコンピテンシーと言えます。

人を動かす力はさまざまな要素からなりますが、一番大切なのは「あなたに言われたら仕方ないな」と相手に思わせる信頼感です。言うまでもなく、自己中心的な考え方の人や、相手の立場を考えない人、印象的に好感をもてない人は、周囲から信頼されません。人を動かすためには、自分のことだけでなく、利他の精神で相手のことも考えつつ、イキイキ、キビキビ、ハキハキした態度・表情・言動を心がけて好印象をもってもらうことです。

3つの仕事力を習得するコツとは?

この3つの力を初心者レベルでもいいので1年目に習得しておくと、2年目以降の成長が促進されます。問題はこれらの力をどのようにして習得するかです。
ロミンガーの法則(※)が主張しているように、人の成長に最も大きな影響を与える「仕事経験」を通じて3つの力を習得するのが近道でしょう。
つまり、毎日、To Do Listを書き出して重点タスクを把握したうえで、それに取り組むことでどのような結果が起こってくるかを想像してみる。そして、一連の計画と予測ができたら、関係する人達のことも考えながら、お願いすべきはお願いしていく。
そのような心掛けと行動を継続することで、3つの力が高まっていき、2年目以降も自律的に成長していける素地ができるでしょう。新入社員の方がたには、入社1年目の後半に向かって、上記の考え方をもって地道に努力を続けていってほしいものです。

※ 米国の調査機関・ロミンガー社の調査によれば、経営幹部としてリーダーシップを発揮している人たちに「どのような出来事が役立ったか」について聞いたところ、「70%が経験、20%が薫陶、10%が研修」という結果が明らかになった。

PHP公開セミナー「新入社員研修」はこちら

新入社員研修・教育TOPへ

的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

新着記事2025 新入社員研修・教育

  • 新入社員研修(公開セミナー)
  • 新入社員フォローアップ研修(公開セミナー)
  • 「新入社員研修の進め方」研修
  • 新入社員向け通信教育
  • 新入社員研修DVDビデオ教材
  • 新入社員研修eラーニング

×