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トヨタのリーダーは、部下の心に火をつける

2014年12月 3日更新

トヨタのリーダーは、部下の心に火をつける

トヨタの真の強さは、すべての現場において「モノづくりを通して人を育てる」ことが今も貫かれている点にあり、それを支えているのが現場で働くリーダーです。PHPビジネス新書、若松義人著『トヨタのリーダー 現場を動かしたその言葉』からご紹介します。


「次の後継者を育てたら、ここから出してやる」

20年以上にわたってブレーキ一筋できた秋吉巳智雄氏によると、ブレーキにはブレーキフィーリングがあり、それは男性と女性によっても違うし、国によっても大きく異なってくるという。「カローラ」のブレーキだけでも、日本向け、アメリカ向け、ヨーロッパ向けの3種類があり、その違いは実際に自分で試すことで身につけていくほかはないという。

問題はこうしたある種、職人的な感覚をどうやって後輩に受け継いでいくかだ。もちろんデータはあるが、データに表し切れない部分は仕事を通して先輩から後輩へ引き継いでいくほかはない。現場のリーダーである秋吉さんは、人づくりの大切さをこんな言葉で後輩に伝えている。

「次の後継者を育てたら、ここから出してやる」

人はマニュアルだけでは育たないし、研修だけで育つこともない。本当の人づくりは日々の仕事を通して先輩から後輩へと大切なことを引き継ぐなかで実践できる。自らがステップアップするためには自分の技を伝えるだけでなく、「自分を凌駕する部下を育てる」ことがトヨタの上司の責務でもある。企業によっては、下手にノウハウを教えると部下に逆転されるのではというケチな考えから、人づくりをあえて怠る管理職もいるようだが、そんなことを繰り返していたら人材の縮小均衡に陥ってしまうだけだ。

トヨタのリーダー

『トヨタのリーダー 現場を動かしたその言葉』
若松義人著。日本最強の企業トヨタ。そこで働くリーダーたちは、現場に何を語りかけ、どう動かしているのか。言葉とエピソードで徹底解説する。

著者:若松義人(カルマン株式会社代表、トヨタ式の第一人者)
1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大宇自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著著に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『使える! トヨタ式』(PHP研究所)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』(以上PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和書房)、『トヨタ式改善力」(ダイヤモンド社)などがある。

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