信賞必罰~松下幸之助「人を育てる心得」
2016年1月26日更新

指導者は私情を捨て、適切な賞罰を行なわねばならない
三国志で有名な蜀の丞相の諸葛孔明が宿敵魏と戦った時、要害の地である街亭の守りを馬謖という大将に命じた。ところが、馬謖は孔明の注意をおろそかにし、また副将王平の忠告をも聞かず、自分の才をたのんで作戦をあやまり大敗し、そのため、蜀の軍勢は撤退を余儀なくされてしまった。
そこで戦いののち、軍法に照らして賞罰が行なわれたが、全軍を危地におとしいれた馬謖の罪は死刑に値した。孔明は日ごろからだれよりも馬謖をかわいがっており、私情においては殺すにしのびないものがあったが、軍法をまげては全員にしめしがつかないというところから、涙をこらえて首をはねさせたのである。"泣いて馬謖を斬る"という故事のゆえんでもある。
このあと孔明は、人の賢愚を見抜けず、大事な部署に彼のような者を起用したのは総責任者としての自分の責任であるとして、みずから蜀帝に乞うて、丞相から右将軍に降格になったのである。こうした孔明の態度に、その心中を思って涙せぬ者はなく、全軍粛然として捲土重来再び魏を討たんとの意気大いにあがったという。
古来、何ごとによらず信賞必罰ということがきわめて大切とされている。功績あればこれを賞し、過ちあればこれを罰する。その信賞必罰が適切に行なわれてはじめて、集団の規律も保たれ、人びとも励むようになる。いいことをしてもほめられず、よくないことをしても罰せられないとなったら、人間は勝手気ままにしたい放題をして、規律も秩序もメチャメチャになってしまうだろう。
だから、信賞必罰ということはぜひとも行なわれなくてはならないし、またそれは適切、公平になされなくてはならない。賞するにせよ罰するにせよ、軽すぎては効果がうすく、重すぎてもかえって逆効果ということになり、まことにむずかしいものである。信賞必罰が適切にできれば、それだけで指導者たり得るといってもいいくらいである。
したがって指導者は、つね日ごろから十分心して、適切な信賞必罰というものを求めなくてはいけない。そして、その際大事なのはやはり私情をさしはさまないということだろう。私情が入っては、どうしても万人を納得させる賞罰はできない。愛する馬謖をあえて死罪に処し、みずからをもきびしく罰した孔明の態度は、そのことを身をもって教えているのだと思う。
【出典】PHPビジネス新書『指導者の条件』(





































































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