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「察しの悪い部下」に困っていませんか? 質問の応用ワザでフォロワーシップを育成

2019年7月24日更新

「察しの悪い部下」に困っていませんか? 質問の応用ワザでフォロワーシップを育成

プレイングマネジャーが当たり前となった今の時代、察しの悪い部下は、上司にとっては大きな負担。「質問の応用ワザ」でフォロワーシップを育成しましょう。

 

「働き方改革」で朝礼がなくなる!

「働き方改革」を進めるなかで、職場の全員がそろっての朝礼を廃止する企業が増えてきました。これまでですと、部下の様子を朝礼で確認することができたのですが、今やそれができなくなりつつあります。
そこで、上司の方に活用してほしいのが「質問」です。質問に返事をする部下の様子から、その日の調子を把握することができます。そのためには、普段から「声かけ質問」をすることを習慣にしたいものです。

部下への声かけ質問とは?

声かけ質問は、あたかも挨拶のように、部下の顔をみたら毎日する質問です。

上司であるあなたが口にしやすいものなら、表現に決まりはありません。私が新人の時の上司は、口ぐせのように「調子はどうだ?」と質問してきました。よく見ていますと、誰に対しても同じ質問をしています。
もしもあなたが同じ質問をされたら、どうしますか? おそらく考えてから何か答えるでしょう。「ええ、まあまあです」「元気一杯です!」「快調です」。
仮に「調子はどうだい? ○○さん」という上司の質問に、毎日「絶好調です!」と大きな声で答えていた人が、「はい、まあまあです」という返事なら、仕事かプライベートで何かあったのかもしれません。

声のトーンや表情、仕草、態度を観察

毎日の声かけ質問では、部下から返ってくる答えの内容だけでなく、声のトーンや表情、仕草、態度などの細かなところまで注意して観察しましょう。普段の様子を把握しておけば、変化があったときに気づくものです。そして、その部下を特に注意してフォローすることができます。質問はそのためのきっかけとなるのです。

一般的に、質問は、不明な点を知るため、確認するため、もっと深く知るために行います。ですが、先述のような、挨拶がわりに部下の調子を尋ねる形。これは一つの「応用ワザ」といえるでしょう。実際にはその答えよりも、答え方を観察して相手の状態を推測するという目的があるからです。

質問の応用ワザでフォロワーシップを育成

部下の状態を把握するには、観察して推測する上司の力が必要ですが、逆に、部下のほうには、上司がどういう報告を求めているのかを見極める力が必要です。
今の時代、多くの上司がプレイングマネジャーですから、細かいことまで説明してから質問しないとわからない「察しの悪い部下」ではたいへんです。部下にはフォロワーシップ、つまりリーダーへの自律的支援と組織への主体的貢献が求められることは言うまでもありません。
そこでご紹介したいのが、部下のフォロワーシップ育成に使える質問の「応用ワザ」です。上司が質問の応用ワザを工夫して、部下をトレーニングします。具体的には少し説明を省いて、まだ理解していなければ説明を加えて段階的に理解度を高めていくのです。

事例で紹介! 察しのいい部下を育てるには

事例でご紹介しましょう。

「先週の火曜日に頼んだ○○社の営業は2回目なので、先方の予算の上限を探るということが目的だったけれども、どうだった?」
これは少々オーバーですが、このように懇切丁寧に部下に質問する上司は、まず、いません。上司の年代なら、ずっと簡略化して「○○社、どうだった?」でわかるものです。
しかし、部下だけの責任ではないのですが、今の時代、「察する」とか「応用する」が身に付いていない若手は多いものです。この事例ですと、「○○社どうなった?」ではわからず、おそらく「何がですか?」とか「は?」と返ってくる若手も多いでしょう。
まずは「○○社の予算の件、どうだった?」――このくらいでパッと理解できるよう、日頃から質問を簡略化して、上司が求めるものを察する態度を身に付けてもらいましょう。ここでまだピンと来ないようなら「予算の上限を探るのも目的だったよね」と説明を加えましょう。
全部を説明しないとわからないのでは、困るのは上司だけではありません。仮に得意先の担当者が省略して話すタイプでしたら、担当者の察しが悪いと、能力がないと思われかねません。上司としては、簡略化した質問をしても、相手が求めていることを理解して答えられる部下を育てるのが責務なのだと考えましょう。




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松本幸夫(まつもと・ゆきお)
人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。

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