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リーダーシップを発揮するための6つの問い

2021年5月18日更新

リーダーシップを発揮するための6つの問い

先の見えない有事の状況では、人は不安を感じやすくなります。したがって、組織を率いるリーダーには、平時以上に強いリーダーシップでメンバーを鼓舞する役割が求められます。
本稿では、リーダーシップの源泉に何があるのか、そしてリーダーシップを開発するためには、どのような取り組みが効果的なのか、考えてみたいと思います。

INDEX

リーダー個人のミッション

組織であれ個人であれ、活力の源になるのは、「何のために私たち(私)は存在するのか」という本質的な問いへの探求です。その問いから導き出されるのがミッション(使命)であり、それを組織として表現する場合と、個人として表現する場合があります。強いリーダーシップを発揮するためには、リーダーとしての「個人ミッション」の確立が欠かせません。

では、どうすればリーダーとしての「個人ミッション」を確立することができるのでしょうか。経営コンサルタントのジェームス・スキナーによれば、「使命とは、『使わされた命』とも読み、『命を使う』とも読める。使わされた命であるからには、生まれたときから、使命をもっている」という前提のもと、「ミッション・使命は作り出すものではなく、書き上げるものでもなく、発見するものである」(※1)といいます。

また、心理学者の諸富祥彦氏(もろとみよしひこ・明治大学教授)は、「『自分の人生には、どんな意味が与えられており、どんな使命が課せられているのか』を発見し、実現していくことです。そのことを私たちは、人生から呼びかけられ、問いかけられている」(※2)と述べています。

二人の有識者の主張にもあるように、おのおのその使命があるので「ミッションはつくるものではなく発見するものである」という考え方が、リーダーシップ開発やキャリア・デザインの領域で広く支持を集めるようになってきました。

この考え方に立てば、自分に与えられているミッションを発見するためには、自分としっかり向き合って、みずからの内なる声に耳を傾ける営みを重ねていくほかに手段はありません。そうはいうものの、自分の内なる声に耳を傾けるのは簡単ではありません。

「キャリア・アンカー」という概念

そこで、自分のもつ価値観に気づかせてくれるさまざまなツールが、経営学の研究者たちによって開発されてきました。その一つ、「キャリア・アンカー」という概念をご紹介しましょう。

キャリア・アンカーは、マサチューセッツ工科大学・スローン経営大学院名誉教授のエドガー・シャインによって理論化された概念で、具体的には自分自身をどのように認識しているかという「セルフイメージ」のことです。そして、自分のキャリア・アンカーを知るには、以下の3つの観点から内省をすることが効果的であるとされています。

◆自分の才能、技能、すぐれた分野は何か。自分の強み、弱みは何か
◆自分の動機、欲求、目標は何か。何を望んでいるのか
◆自分の価値観は何か。自分の価値観と一致する仕事をしているか。やっていることにどのくらい誇りをもてているか

リーダーに贈る「6つの問い」

さらに、上記のキャリア・アンカーの理論をベースにしつつ、より簡潔明瞭で受け入れやすい問いかけとして、次の6つの質問が開発されました。

(1)どんな仕事をしているとき、やりがいや楽しさを感じますか
(2)あなたの強み、特技、専門性は何ですか
(3)どんな理想を描いてこの会社に入社したのですか
(4)あなたは周囲の人から何を期待されているでしょうか
(5)あなたが社会のお役に立てるとしたらどんなことがありますか
(6)あなた個人のミッションは何ですか

自分の価値観や強み等について意識を向けることは、これまでやった経験がないと最初は要領を得ないでしょう。でも、自分の内側にある暗黙知に近い意識を言語化する作業を繰り返すことで、ぼんやりしていた輪郭が徐々にはっきりしてきます。こうしたエクササイズは、企業内教育の現場での実施を通じて、効果性が高いことが実証されています。
あなた個人のミッションを発見するために、6つの問いに向き合って(あるいは第三者から問いかけてもらって)、それぞれの答えを書いてみましょう。

自問自答することの大切さ

弊社創設者・松下幸之助は「リーダーは、みずからの人生観、社会観、世界観というものを常日ごろから涵養していくことがきわめて大切だ」と述べ、そのための方法論として、みずからの内なる声に耳を傾け、自身のミッションを明瞭にしていくこと(幸之助の表現を借りれば「自己観照」)の重要性を指摘していました。

冒頭で述べたように、先の見えない状況では人は不安を感じやすくなります。それは、従業員や部下だけではなく、リーダー自身も同じです。でも、リーダーには人と組織をインスパイアする役割が求められています。しんどい役割を担っているからこそ、日々「6つの問い」に向き合い続け、自分で自分をインスパイアしていただきたいものです。

※1 出典:『心をひらく あなたの人生を変える松下幸之助』ジェームス・スキナー著/柴田博人監修/PHP研究所経営理念研究本部監修(PHP研究所)
※2 出典:『夜と霧 ビクトール・フランクルの言葉』諸富祥彦著(KKベストセラーズ)

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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