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新卒の離職率は依然3割越え。新入社員の指導員に知っておいてほしいこと

2023年5月16日更新

新卒の離職率は依然3割越え。新入社員の指導員に知っておいてほしいこと

新卒の離職率が高止まりしています。会社も本人も双方が会社生活に期待を寄せていたにもかかわらず、短期間で離職につながることは残念なことです。そこで本稿では、ますます重要になる新入社員指導員の役割と、指導する上での考え方をご紹介します。

INDEX

新卒離職率の実態

厚生労働省の調査(※1)によると、令和2年度における新規学卒就職者(大卒)の離職率について、入社1年目に離職した人は全体の11.6%、2年目は11.3%、3年目は8.3%に達するという結果が明らかになりました。せっかく採用しても、入社4年未満で約30%もの新卒者が離職してしまうという事実は企業にとって頭が痛い課題ではないでしょうか。

転職を煽るような情報がネット上に溢れ、知人・友人も転職していく様子を見るうちに、「自分も転職活動をしないと取り残されてしまう」という危機感を感じる新入社員が少なくないようです。

※1 厚生労働省『新規学卒者の離職状況』

新入社員の離職時期は早まっている!

新入社員が離職(転職)を考え始める時期も、早まっているようです。転職サイトに登録する新卒者の数が、ゴールデンウィークの前後に急増すると言われています。入社して1カ月、導入教育が終わったか、あるいはまだ継続中という時期に、早くも次の職場を求めてアクションを起こしているのです。

実際、某転職サイトには下記のようなコメントが掲載されています。

転職するかどうか迷っている方は、5月のゴールデンウィークを利用して自身のキャリアを見直してみることをお勧めします。転職について考えることで、自分のやりたいことが見えてくるかもしれません。このタイミングで、自身の思いに向き合ってみてはいかがでしょうか?(R社のサイトより)

昨今の新入社員は、常にこうした情報に接し、好条件の会社があればいとも簡単に転職していくのです。

離職は止められない

終身雇用が崩れ、一人ひとりの勤労観が多様化する現在、社員の離職を完全に止めることは難しいでしょう。しかし、できるだけ長く働いてもらうために現場レベルでできる施策はいくつかあります。これからの人材マネジメントは「離職防止」から「在籍期間の長期化」へと目標を変えたほうが、現実的な対策が講じやすくなるでしょう。

新入社員の「指導員制度」と指導員の役割

新入社員にできるだけ長く働いてもらう上で有効なのが、「指導員制度」です。新入社員と年齢の近い若手社員(中堅社員)が指導員になって、仕事のやり方や社会人としてのあり方を教えたり、愚痴や悩みを聞いたり、相談にのってあげるのです。

上司には言えない本音も、指導員には打ち明けやすく、「自分には理解者がいる」という感覚がめばえて、新入社員の組織への帰属意識が高まります。

指導員が「一次情報」で語ることの大切さ

指導員に求められることは、傾聴や承認、問いかけ、フィードバック等々、多岐にわたりますが、もっとも重要なのが、指導員自身の思いや考えを新入社員に語ることです。

  • 自分はなぜ、この会社に入社したのか
  • どういう時に、仕事のやりがいを感じるのか
  • 将来どうなりたいのか、自分のキャリアビジョンはどのようなものか

こうしたテーマに関するストーリーを「一次情報(自らの体験を通じて得た、気づきや知見)」で語ることにより、新入社員の共感を得て、「自分もがんばろう」「この先輩と一緒に仕事をしたい」という相手のポジティブな発想が引き出されるのです。

新入社員指導員に求められる「共に育つ」という発想

新入社員指導員は大切な役割を負っているので、任命された人には負担感が大きいかもしれません。しかし、指導をすることを通じて自らの仕事経験を振り返り、将来のキャリアビジョンが明確になりますし、新入社員からもたくさんの刺激を受けるはずです。

そういう意味で、「指導する側-指導される側」という固定的な見方ではなく、「共に育つ」という発想でやりがいを感じながら取り組むよう、マネジャーの立場の方から指導員に対する動機づけを図っていただきたいと思います。

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的場正晃 (まとば・まさあき)
PHP研究所 人材開発企画部兼人材開発普及部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年、PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年、神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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