新人研修の講師になったら自己紹介はどうする? つかみのコツは?
2018年3月19日更新
新入社員研修は最初の3分で成否が決まります。今回は、講師として新人を惹きつける自己紹介、研修目的を持たせるポイントをご紹介します。
講師の自己紹介は新入社員研修に合った内容で
研修の最初に行なう研修講師の自己紹介は、意図をもって行なうことが大事です。つまり、新入社員研修ならば新入社員に向けた自己紹介、女性リーダーの研修なら女性リーダーに向けた自己紹介をします。いつも同じはありません。講師の自己紹介には、その研修テーマにふさわしい講師であると受講者に知らせ、安心して受講してもらうという目的があるからです。「この講師は大丈夫かな」ではなく、「この講師は経験もあるから大丈夫そうだ」という認識をもってもらうために、若干のPRをいれます。「私、すごいですよ」というのではなく、「この講義テーマにふさわしい、経験のある講師ですよ」ということを、何気なく伝えるのがいいと思います。
経験があるということでなくとも、若い講師の方の場合は「新入社員の皆さんと年齢が違わないから、皆さんの気持ちが非常によく分かりますよ」というメッセージを発信できます。あるいはスポーツが好きな方は「子どもにスポーツを教えているから、教育の方法を理解していますよ」ということが言えます。そうすると受講生は「この人の言うことだったら、大丈夫だな」という雰囲気になってくるでしょう。
人間性やメッセージを盛り込み、新人の心をつかむ
また、自己紹介のなかに、講師の人間性を紹介するような要素を入れるといいでしょう。たとえば「実は、皆さんたちと同じ年代の息子がいます」とか、「皆さんの世代に非常に興味があります」という話をします。すると、新入社員のほうでは「最初は厳しそうな人と思っていたけれど、自分たちを理解してくれる人かもしれない。人間的な魅力もあるんだな」ということで、興味をもって話を聞いてくれるかもしれません。
さらに、新入社員の方々に「一人前の社会人になってもらわなければいけないから、厳しくやるよ」というようなメッセージも伝えましょう。単に「厳しくする」、あるいは「わかりやすく伝える」というのではなく、たとえば「厳しくします。でもそれは、皆さんが、三カ月後、六カ月後に困らないようにするためです」という講師の思いを伝えるといいでしょう。
新入社員研修を受ける目的を持たせる
新入社員研修の導入部分では、最終ゴールを認識させることも大切です。新入社員自身にとってのメリットを明らかにし、自分には関係ないと思わせないことがポイントになります。「会社から指示されたから研修を受ける」のではなく、「自分のメリットもあるかもしれない」「自分の目的もこの研修の中で達成できるかもしれない」という意識を持たせるようにします。
そのために、受講生一人ひとりに自分の受講目的を発表してもらい、「皆さんの目的を達成するために、講師として関わって進めていきますよ」という話をします。そして、「お互いの目的を達成できるようにしよう」と呼びかけると、新入社員に仲間意識が出てきますし、周りの受講生に対する関心も高まります。
最近の若い人は、仲間意識を強くもつ傾向があります。仲間意識が持てる関係性になると、お互いのことを大切にする傾向にします。ですので、仲間意識を早い段階で持たせてあげて、「みんなの目的が達成できるように、いいチームを作ってください」というと、本当にいいチームを作ってくれます。
仲間意識の醸成ということでは、ニックネームやグループ名を使うのも、必要に応じてはいいと思います。ただ、「ニックネームでやりなさいよ」と言うと、いつまでもそれで呼んで、なれ合いの雰囲気になりますから、たとえば「今は、きちんと名字で呼ぼうね」「休憩の時は、ニックネームで呼んでもいいよ」というメリハリ感をもたせるといいでしょう。
新入社員研修は"つかみ"が大切です。研修講師として、しっかり準備をしておきたいものです。
(PHP研究所 研修企画部)