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新入社員に教えたい「会社の仕組み」

2022年2月 1日更新

新入社員に教えたい「会社の仕組み」

新入社員には導入研修で「会社の仕組み」について必ず教えておきたいものです。会社とそこで働く自分自身の役割や責任をきちんと教え、しっかりと理解してもらうことで、高い意欲と主体性を持った社員への成長が期待できます。本稿では会社の仕組みについて、どのような項目を教えたらいいのかについてご紹介します。

INDEX

会社の仕組みの基本~経営資源づくりのサイクル

新入社員には、導入研修で「会社で働くこと」イコール「経営資源づくりに参加すること」だという基本をまず伝えていきたいものです。
「経営資源」とは、「会社が成果を上げるための材料」のことです。具体的には、商品を売り上げることによって得られる「お金」、商品やサービスの開発を通して蓄積される「ノウハウ」、社会から認められて得られる「信用」や「ブランド」などがあります。
人が持つ「知識・技術・アイデア」が「商品・サービス」を生み出し、その商品・サービスを販売することで、会社は「お金・ノウハウ・信用・ブランド」を獲得します。そしてそれを元手に「材料・設備・技術」を確保し、さらにまた新しい商品・サービスを創出するというサイクルを回していきます。会社とは基本的にこのような構図で活動しており、誰もがその中で何らかの仕事を担当しているということなのです。

経営資源づくりのサイクル

組織で仕事をする意義とは?

ほとんどの会社は、社長一人か数人で始めたようなところばかりです。そして事業が拡大するにつれて人数が増え、「組織」として発展していく過程において、複数の社員が種々の役割を分担するようになります。さらに組織が拡大していくなかで、いろいろな部署が設置され、仕事がどんどん細分化され、いろいろなルールも設けられて、会社というものができあがっていくわけです。
ところが、できあがった組織にあとから参加する新入社員にとっては、組織で仕事をする意義がわかりにくい面もあると思われます。そこで次のように説明していくことが大切です。

(1)会社という組織は、事業目的を達成するために仕事を分担しあっている
⇒仕事を専門分野別に分けることで、より質の高い仕事が効率よくできるようになります。

(2)複数の社員が協力しあうことで、人数以上の成果を上げていく
⇒それぞれ担当する仕事をこなしながら、知恵を出しあったり、協力しあったりすることで相乗効果が生まれ、組織の人数以上の成果を出していくことができます。

(3)仕事の進め方を常に改善し、組織をリフレッシュしていく
⇒例えばかつて手作業でやっていた仕事をコンピュータ化すると、仕事の内容が大きく変わり、部署ごとの役割分担が変わることもあります。そのとき会社に必要な仕事を、どんな組み合わせで、またどんな方法で行えばより効率的になるのか、組織全体で常に改善し、会社を成長に導いていきます。

会社がめざすものは何か?

会社は常に「儲け」続けなければ存続することができません。ところが夢を抱いて入社したばかりの新入社員は、「売上目標達成!」「経費削減!」「利益確保!」という声ばかり聞こえてくる現実に戸惑い、ややもすると「何でもいいから儲けさえすればいい」と考えるようになる危険性があります。
当たり前のことですが、どんな会社でも「社会を形成している一つの部分」である以上、会社の活動は、すべて社会に役立つものでなければなりません。つまり「社会の役に立つことが会社の目標」であり、その対価として顧客から代金をいただいているわけです。これを忘れて利益だけを追求し、身勝手な行動をとり、反社会的な活動に陥ったりしないように、スタートの段階でしっかりと教育していくことが重要だといえます。

商品の価値を生み出す流れを知ろう

会社という組織は、業種・業態にもよりますが、おおむね下図のような流れで商品・サービスを生み出しています。

商品の価値を生み出す流れ

これを消費者(顧客)の立場で考えた場合、眼にする(手に取る)ことができるのは、完成して販売された商品・サービスのみとなります。つまり最終的な「完成品」だけを見て、それを提供している会社全体の価値を判断するということです。
しかし、欠陥のない優れた商品・サービスを提供するためには、上の図のすべての担当者がミスなくよい仕事をしなければなりません。その結果として、初めて消費者に喜ばれる「価値」を生み出すことができるのです。 このように「一人ひとりが行う仕事がすべて合わさって商品の価値をつくりあげている」という会社の仕組みを、新入社員にはぜひ知っていただきたいものです。

なぜ利益が必要なのか?

「利益」という言葉を聞くと、人によっては「お客様から余分にお金をもらっている」という「後ろめたいイメージ」を抱くかもしれません。しかし、会社が社会の役に立ち続けるためには絶対に利益が必要であり、どんなときでも会社は利益を追求しなければならないといえます。
というのも、利益が上がらなければ、新しい商品やサービスの開発に資金を投入することができません。事業拡大や合理化のための設備投資もできません。会社を発展させていくために新しい人材を採用することもできません。つまり利益が確保できないと、その会社はいずれ社会の役に立てなくなってしまうということです。 そうではなく、お客様の役に立つ商品・サービスを提供し、堂々と適正な利益をいただき、それをもとにさらに社会に役立つ会社に発展していくことをめざしていくことが重要なのです。

CSRとコンプライアンス

企業が社会から認められ、長く存続していくためには、社会に対して果たしていかなければならない責任があります。企業の不祥事が多数発生した近年において、「CSR(企業の社会的責任)」と「コンプライアンス(法令遵守)」が特に重視されるようになりました。
CSRは非常に幅広い意味を含む言葉です。具体的には、社会のルールを守ることはもちろん、社員の安心・安全を守り、よりよい商品・サービスを社会に提供し、地域社会の改善に努め、自然環境にダメージを与えないことなどが挙げられるでしょう。
コンプライアンスとは要は法律や規制を守ることであり、それくらい当たり前のように思われるかもしれません。しかし、厳しい競争にさらされながら生き残っていくためについ出来心で、あるいは必要以上に儲けようとして計画的に、法律や規制に反することを行ってしまうケースが後を絶ちません。一度失った信用は簡単に取り戻せないことを考えれば、どんなに苦しくても法律・規制を守りながら努力していかなければならないということを、新入社員にはしっかりと教育していくべきではないでしょうか。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『<新版>めざせ!プロ社会人。』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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