立山科学グループ様~次のステップへの「人間力」を育てる
2014年1月23日更新
立山科学工業を中心に15社で構成される立山科学グループ様。「富山の地から世界へ」の思いを胸に、常に新分野への挑戦を続けてこられました。
人材マネジメント再構築プロジェクトの一環として取り組まれている、PHP公開セミナーを活用した人材育成について、管理部人材開発グループのグループマネージャー・正橋哲治様、チームリーダー・小林群生様、人材開発グループスタッフ・古本和代様に、お話をうかがいました。
生きた松下哲学を学び、実践に活かす
Q 立山科学グループ様は2011年からPHPゼミナールを導入され、のべ180名もの方々にご参加をいただきました。ご採用のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
A 社内の人材育成については、これまでさまざまな教育制度を設けてきたのですが、長く定着しているものはない状態でした。人事制度も含め、社を挙げたプロジェクト(「人材マネジメントの再構築」)として取り組む必要性があると考えた私たちは、その第一歩として、まず社員教育の改革に着手しました。そしてグループ全体としての統一された教育や、人を育て業務を管理する能力の育成に関しては、社外の力も活用したほうがより理想的な人材育成につながるのではないかという結論に達し、外部の研修を導入することにしました。
当社はもともと松下電器産業(現・パナソニック)の協力会社として始まっており、今日まで松下幸之助氏と同じ方向性で事業を展開しております。上層部では、その思想や人づくりの哲学をあらためて社員に浸透させたいという思いも強く、そちらも大きな決め手となりました。
Q 御社の求める社員像についてお聞かせください。
A 当社は創業以来果敢に新事業へのチャレンジを続け、有望な事業は積極的に分社化することで、グループ企業としての成長を遂げてきました。今後、独自の社風と変革の歴史を引き継いでいくためにも、何事も自分で考え行動できる社員、メンバーを牽引して斬新なアイデアを引き出すリーダーが不可欠であると考えています。
Q 昇格時研修の必須要件として階層別の3コースをご活用いただくほか、年次や階層にとらわれず、優秀な人材を抜擢して受講させるケースもあるそうですね。
A 将来に大きな可能性を秘めている、すぐにでも職場のリーダーとして活躍してもらいたい……など、現場サイドからの推薦があれば、一般社員でも必要に応じて受講させることがあります。有能な候補者を早くから教育することで、管理職としてよりふさわしい人材に育てることができますし、組織の活性化にもつながると思います。
異業種交流のなかでリーダーシップを学ばせたい
Q 受講者や評価者の方々はどのようなご感想をお持ちでしょうか。
A 自分と同じ立場で悩んだり苦しんだりしている人たちと交流し、共感しつつ学ぶカリキュラムは、知識を得ること以上に意識の変化や自身の成長を実感できるようです。製造現場や間接部門では、外部との接触がほとんどない社員も多く、異業種の方々と触れ合えることも大きな刺激になるようですね。管理者になるためには、リーダーとしての自分をアピールし、メンバーに自分の思いを伝えることが重要です。短時間で意見をまとめ、知らない人たちの前で、いい意味でのプレッシャーを感じながらプレゼンするプログラムは、社員にとって非常に貴重な経験となります。日常の実務だけではなかなか育たない「リーダーシップ」を具体的に理解し、身につけることができるのは、本人にとっても当社にとっても大きな収穫になっていると思います。
Q 立山科学グループ様からご提案のあった、研修前・研修後の会社様独自の課題提出については、当社も参考にさせていただいております。
A 研修後3カ月・6カ月の時点で課題解決の進捗状況を発表させ、複数の上司からアドバイスするようにしています。過去に行なった単発の研修では、その後の実務に追われる日々のなか、せっかくの成果が「行ったきり」で終わっていました。新たに課題を与え、適切なタイミングでチェックやフォローを行なうことで、研修の効果が最大限に発揮されるよう、当社としても創意工夫しています。真の「人間力」養成には、研修後もさらなる時間や労力を必要としますが、それも会社の責任と考えています。
PHP研究所ならではの人間教育を期待
Q 今後のPHP公開セミナーに対し、さらに期待されることがございましたらお聞かせください。
A 研修は、受けることそのものではなく、その後の実践と人間的成長を目的としています。メールマガジンなどで、話題のマネジメント手法やおすすめのビジネス書、成長していればこそぶつかる仕事上の悩みへのアドバイスなど、最新情報が定期的に配信されれば、より一層の人材育成につながるのではないでしょうか。
PHP公開セミナーでは、他社にはない松下幸之助氏の貴重な映像や肉声に触れることができ、長年幸之助氏に学んできた私たちでも新鮮な感動を覚え、身の引き締まる思いをする場面が多くありました。「経営の神様」の哲学は、ビジネスにとどまらず人生にまで深い示唆をもたらします。リーダーとして、そして一人の人間としても、品性を養い高めることができるPHPならではの人間教育を、これからも活用していきたいと思っています。
※肩書きは取材当時のものです。
※PHP公開セミナー「部長・課長のための人間力研修」についてはこちらをご覧ください。
【会社概要】立山科学グループ
各種抵抗器、温度センサーなど電子部品・電子機器製造の立山科学工業と、自動生産システム開発製造の立山マシン、ソフトウエア開発・みまもりサービス事業を展開する立山システム研究所を中核に15社で構成。1958年の創業以来、積極的に分社化を進め、若く有能な人材を抜擢して次々と新事業を興してきた。各社が得意分野を発揮することで、グループとしての総合力を結集できる体制を創り上げている。