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やり抜く力の高め方~大谷翔平選手も使っていた「マンダラチャート」とは?

2021年11月 4日更新

やり抜く力の高め方~大谷翔平選手も使っていた「マンダラチャート」とは?

変化の時代を生き抜くカギは、自らを成長させ続けることです。しかし、多くの人は安きに流れる弱さをもっていますので、いったん固めた決意や立てた計画がおざなりになったり忘れ去られたりしがちです。大切なのは、自分で「やる」と決めたことを最後までやり抜くことです。

INDEX

やり抜くことの難しさ

米国・スクラントン大学の調査(※1)によると、米国民の約45%が年始に目標を設定しますが、年末までにその目標を達成できた人の割合はわずか8%に留まるとされています。この結果が示唆しているのは、目標達成のための取り組みを最後までやり抜くことがいかに難しいかということです。
なぜ、やり抜くことが難しいのでしょうか。その理由は、

(1)日々の忙しさに追われ、立てた目標の優先順位が下がってしまう
(2)やり続けることに飽きてしまう
(3)時間の経過とともに、意志の強さが徐々に低下する
(4)立てた目標があいまい・抽象的で、具体的な課題に落とし込めていないので、実践しにくい
(5)実践していることの効果が見えないので、やる気が上がらない
(6)部分(実践内容)と全体(自らの成長)の関係性が見えづらい

などが考えられます。これらが阻害要因となってやり抜く意志と行動にブレーキがかかるのです。

そこで、こうした要因にうまく対処し、確実に目標達成に近づくために考案された便利なツールを2つご紹介しましょう。

ツール1「マンダラチャート」

マンダラチャートは、デザインコンサルタント 今泉浩晃氏によって開発された目標達成ツールで、アメリカ大リーグで活躍する大谷翔平選手も活用していたことで一躍有名になりました。
作成方法はシンプルで、81マスに目標と構成要素、実践課題を記入するだけです。マス目を埋める作業を繰り返す過程で、目標達成のための課題が可視化されていくので、前述の「やり抜くことが難しい理由」(4)(5)(6)のカベを乗り越えることが期待できます。

マンダラチャートの記入例(一部)・記入方法

 マンダラチャート

では、マンダラチャートの記入方法をご説明しましょう。

・まず、チャートの真ん中にあなた自身のテーマを書きます。
・そして、そのテーマを8つの要素に分解し、A→B→C→D→E→F→G→Hの順 にマスを埋めていきます。
・次にA~Hの記入内容を、外側のチャートの該当箇所にそのまま転記します。
・最後に、Aを実現するために必要な実践課題をその周囲のマス(1〜8の順番)に記入していきます。同じようにして、B~Hを実現するための課題をそれぞれのマスに記入します。

[参考]SMARTモデル

マンダラチャートを記入する上で留意すべきは、SMARTな書き方を心がけるということです。そこで、「SMARTモデル」のポイントを解説いたします。

pecific(具体性)
 目標設定や実践課題はできるだけ具体的に書く
easurable(計測可能性)
 実践結果の良し悪しを判断できるよう定量化する
chievable(達成可能性)
 目標はストレッチなレベルに設定する
elevant(関連性)
 [目標⇔構成要素⇔実践課題]間に関連性があるか確認する
ime-bound(納期)
 いつまでやるのか、いつまでに達成するのか、具体的な納期を定める

ツール2「3分間日記」

次にご紹介するのが、「3分間日記」(※2)というメソッドです。これは、一日二回日記を書くのですが、一回あたりの所要時間が約3分で完了するという手軽さが特徴です。でも、なぜ日記なのでしょうか。実は日記を書くという行為には、以下のような効能があるのです。

・内省を促進し、持論の形成につながる
・自己認知が進む
・自分の夢や希望、課題が明確になる
・モチベーションの喚起、レジリエンス(困難に直面しても受け止め、跳ね返す力)の向上につながる

つまり、日記を書くことで、自身の「なりたい姿」と「現状」が明確になるので、「やる」と決めたことをやり抜く意志が強化されるのです。したがって、日記はマンダラチャートとセットで実践すれば、さらなる効果の高まりが期待できます。

3分間日記の書き方

ではここで、3分間日記の書き方をご説明します。
書式は自由ですが、大学ノートなどに以下の項目で毎日日記を書きます。デジタルツールを使うより、手書きにしたほうが、発想の広がり、深まりが考えたかたの整理につながりやすくなります。

【毎朝書くこと】
①目標(長期・短期)
 長期目標...数年がかりで到達したい目標
 短期目標...数か月から一年くらいかけて達成したい目標
②やりたいこと
 その日か、あるいは近日中にやりたいこと

【毎晩書くこと】
①今日一日のできごと
 「何があったか」+「どう感じたか、どう思ったか」
②今日一日の感謝
 些細なことでも感謝のことばにする
③今日一日の気づき・教訓
 持論を蓄積する

3分間日記の記入例

2021年8月2日

①目標(長期・短期)
 中小企業経営者の参謀役として経営コンサルタント業務に従事している。そのために一年後、著書を発刊する
②やりたいこと
 びわ湖を自転車で一周したい
③今日一日のできごと
 オリンピックで日本人選手が健闘している様子を見て感動した
④今日一日の感謝
 やりがいのある仕事に就けていることに感謝
⑤今日一日の気づき・教訓
 人が努力している姿は周囲に勇気を与える

自分にスイッチを入れる問い~がんばっている自分を肯定的に見る

目標達成

ここまで、やり抜くことの大切さと、その実践の難しさを述べるとともに、目標達成のための効果的なツールをご紹介しました。やり抜く力の高め方は、他にもたくさんありますので、自分に合ったものを取り入れたらいいでしょう。
どのようなやり方を選択するにせよ、最も大切なのは、がんばっている自分を肯定的に見ることです。現状に満足せず、自分にダメ出ししながら前へ進むというストイックな生き方も否定はできませんが、つらく苦しいので長続きはしません。
そこで、以下の問いに向き合ってみましょう。どんな答えが見つかるでしょうか。

  • これまでの人生を振り返り、私はどんな努力をしてきた?
  • この一年、どのような成長ができた?
  • 誰のおかげで今の自分がある?
  • 私の目標は何? そのための手段は何?
  • 目標を達成できたら、何を得られる?
  • 目標達成に向かって努力する過程で、何を得られる?

継続は力なり。
でも継続には相応のエネルギーが必要です。だから、まず今の自分を承認しましょう。そこから感謝の気もちや、自信が芽生え、楽しみながら目標達成に向かって歩みを続けることができるようになるのです。

※1
Norcross, J. C., Mrykalo, M. S., & Blagys, M. D. (2002). Auld lang Syne: Success predictors, change processes, and self-reported outcomes of New Year's resolvers and nonresolvers. Journal of Clinical Psychology, 58 (4), 397-405. DOI: 10.1002/clp.1151
※2
出典:『3分間日記-成功と幸せを呼ぶ小さな習慣』今村暁著(角川文庫)

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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