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レジリエンスの高め方~仕事のストレスや困難をはね返す力とは?

2021年4月15日更新

レジリエンスの高め方~仕事のストレスや困難をはね返す力とは?

「仕事量が多すぎる」「上司とうまくやっていけない」「失敗するのが怖い」――そんな仕事のストレスや困難をはね返す力「レジリエンス」を身につける方法を解説します。

INDEX

レジリエンスが注目される背景

レジリエンスが注目される背景

厚生労働省の調査によると、働く人たちの約6割が、仕事の質や量、対人関係、仕事の失敗、責任の発生等によって、職場で何らかのストレスや不安、悩みを抱えて働いていることがわかっています。(平成30年 労働安全衛生調査(実態調査))
この「仕事の質」ということであれば、金銭を扱う仕事、人命にかかわる仕事、時間に追われる仕事、ミスや遅れが許されない仕事は、緊張がともないストレスがたまりやすい仕事の代表といえるでしょう。また、「対人関係」では、上司との関係が与える影響が大きく、悪化してしまうと、本人には大きなストレスとなります。
さらに、コロナ禍で私たちの働き方は大きく変わりましたが、このような「変化」もストレスの大きな要素といえるでしょう。たとえば、これまでは上司や同僚、あるいは得意先と、対面でコミュニケーションが取れるというのが当たり前でした。それが今や、「Zoom」などのビデオ会議ツールを使って画面越しにコミュニケーションをとることが多くなり、その対応に追われるという人もいるでしょう。仕事のやり方を変えざるを得なくなったことで、いままで当たり前にできていなかったことができなくなったり、試行錯誤を重ねたりすることが、心身への大きな負担となることもあります。
このように考えてみると、目まぐるしく変わる現代の社会・経済状況で働く人にとって、どんな職業、職種であろうと、仕事をする限りストレスはつきものであるといえるでしょう。

レジリエンスの定義

現代のストレスフルな環境で働く人には、困難に直面しても、その環境に適応して再起する力が求められています。その力が「レジリエンス」です。
まずは、PHP通信ゼミナール『レジリエンスの高め方入門コース』から、まずは全米心理学会が定めたレジリエンスの定義をご紹介しましょう。

逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス

レジリエンスのある人は、高い自己認識があり、自己の強みを生かせる土俵で仕事を選択し、感謝の念や仲間とのつながりを大切にし、自分らしい働き方をします。合理的に物事をとらえる。しなやかに困難に対応する。たくましさをもって逆境を乗り越える。そしてつらい体験から価値ある何かを学び、そのたびに成長する。そうした彼らの姿は、働き方を模索している人たちにとってよきロールモデルとなります。
長く健康で働き続け、仕事で着実な成果をあげたいと考える人にとって、レジリエンスを学ぶことは大きな力となってくれるはずです。

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスが高い人には次のような特徴があるとされています。

(1)回復力
困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができる、心のしなやかさをもっています。柔軟な心は、レジリエンスの高さの証です。

(2)弾力性
予想外のショックやストレスに対して、弾力性をもって耐えられる精神を持っています。人から批判され、嫌なことを言われても、傷とならずに心を守ることができます。

(3)適応力
予期せぬ変化に抵抗するのではなく、それを受け入れて合理的に考え、対応することができます。

ご覧の通り、レジリエンスは決して「特殊能力」ではなく、多かれ少なかれ誰もが持っている力だといえます。ただし人によって、失敗経験や過度なストレスなどが原因で減退している場合もあるでしょう。しかし、「回復力」も「弾力性」も「適応力」も、いわば「心の筋肉」のようなものですから、年齢性別関係なく鍛えることが可能です。

レジリエンスを鍛える3つの姿勢

レジリエンスを鍛えていくうえで、次の3つの姿勢を持つことが非常に重要です。

(1)現実を直視する
(2)物事をしなやかに柔軟にとらえる
(3)合理的な思考を持つ

誰でも失敗を恐れる気持ちがあります。それによって積極性が奪われ、ひどいときにはネガティブな感情に支配されてしまうこともあるかもしれません。そうではなく、現実を正確に理解し、創造的に柔軟に対応策を考え、合理的な思考をもって行動することが大切です。そうして困難を乗り越える経験を積んでいくことで、少しずつレジリエンスは鍛えられ、高められていくのです。

レジリエンスを鍛える3つのステップ

レジリエンスを鍛える3つのステップ

さまざまな経験を通してレジリエンスを鍛えていくうえで、そのプロセスを次の3つのステップに分けて対応していくことが推奨されています。

【ステップ1】精神的な落ち込みを「底打ち」する
困難に直面したり、何か大きな失敗をしたりすると、精神的に落ち込んだ状態になる。その際のネガティブな感情を断ち切り、心の落ち込みを底打ちさせる。

【ステップ2】スムーズな「立ち直り」を図る
心の筋肉であるレジリエンスを鍛えることで、障害を乗り越え、前進する力を発揮する。

【ステップ3】逆境体験を「教訓化」する
困難を克服したあと、気持ちに余裕ができた段階で、逆境体験を振り返って自分の教訓にする。内省し、次につながる意味を学ぶ。

レジリエンスを鍛える7つの技術

上記のステップ1から3を実践していくために、次の7つの技術を駆使していきます。

【ステップ1】精神的な落ち込みを「底打ち」する
(1)ネガティブ感情の悪循環から脱出する
(2)役に立たない「思い込み」を手なずける

【ステップ2】スムーズな「立ち直り」を図る
(3)「やればできる」という自信を科学的に身につける
(4)自分の「強み」を活かす
(5)心の支えとなる「サポーター」をつくる
(6)「感謝」のポジティブ感情を高める

【ステップ3】逆境体験を「教訓化」する
(7)痛い経験から意味を学ぶ

(1)はネガティブ感情の負の連鎖を断ち切る技術、(2)はネガティブ感情の原因となる思い込みを解消する技術です。そして(3)で自信を科学的に身につけ、(4)で自分の強みを活かし、(5)で心の支えをつくり、(6)でポジティブな感情を高めていくことで、社員の「心の筋肉」がどんどん鍛えられていくはずです。ストレスを避けるのではなく、ストレスがかかる経験を活かして、よりたくましく成長していくといってもいいでしょう。さらにその経験から意味を学び、教訓化して次の困難に備えることで、過去の経験を未来に活かせるようになるのです。

強みを活かせばレジリエンスが高まる

強みを活かしてレジリエンスを高める

上記の7つの技術のうち「(4)自分の「強み」を活かす」について考えてみましょう。レジリエンスを高めるには、「自分の強みを活かすこと(=ストレングス・ユース)」が不可欠です。強みを活かして結果を出していくことで、何よりも強い「自己肯定感」を得ることができます。自分の強みを新しい用途で用いるとき、その人は「幸福感」を体験します。さらに強みを自分のためだけでなく、周りの人や地域社会のために活かすことで大きな「やりがい」が生まれます。これらすべてが相まって、レジリエンスがどんどん高まっていくのです。

自分の強みを見つける方法

強みを活かすためには、自分がどんな強みを持っているのかを見つけて、それを伸ばしていかなければなりません。強みを見つける3つの方法を紹介します。

(1)自分自身に質問をする
次の5つの質問を自分自身に投げかけて、じっくりと考えてみましょう。
・今までで最も「うまくいった」と思うことは何か
・自分に関して、最も好きな点は何か
・何をしているときに最も楽しいと感じるか
・どんなときに自分らしいと感じるか
・自分がベストだと感じるのはどんなときか

(2)自分のまわりの人にきく
自分の強みが見えにくいのは、多くの場合、それが自分にとって「当たり前」だと感じているからです。自分の強みは、自分よりもむしろまわりの人たちのほうがよく見えている可能性があります。そのため、自分にどんな強みがあると思われているのか、周囲の人に質問をしてみるのもいい方法でしょう。

(3)診断ツールを利用する
インターネットで公開されている「診断ツール」を利用して、自分の強みを見つける方法もあります。PHP通信ゼミナール『レジリエンスの高め方入門コース』では、アメリカのVIA研究所が提供している無料診断ツールが推奨されています。「創造性・誠実さ・思いやり・公平さ・寛容さ・審美眼」など24種類の人格としての強みが設定され、そのうちどの項目により当てはまるかによって、自分の強みを知ることができます。

これらの方法によって自分の強みを自己認識した後は、それを仕事に活かすことを習慣にしていきます。どのように活かすか、方法を考え、チャレンジしていくことが大切です。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『レジリエンスの高め方入門コース』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

PHP通信ゼミナール『レジリエンスの高め方入門コース』はこちら

森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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