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変化の時代を生きるための「PDSAサイクル」

2020年11月16日更新

変化の時代を生きるための「PDSAサイクル」

変化すること自体が常態化しつつある今、私たち一人ひとりの仕事の進め方も大きな転換が求められています。変化することを前提にした柔軟な仕事のすすめ方とはどういうものなのか、考えてみたいと思います。

仕事の基本-PDCAサイクル

長年、ビジネスの世界ではPDCAサイクルを回すことが仕事の基本中の基本と言われてきました。今さら説明するまでもありませんが、PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、1950年代、「品質管理の父」と言われたデミング博士によって提唱されたフレームワークです。
企業のマネジメントは、事業計画を立て、その達成のための活動を展開し、要所要所で進捗状況を確認していきます。もし、進捗状況が芳しくない場合は、以後の活動量を増やしたり、あるいは別の活動に切り替えたり、という修正行動を取りながら、計画達成を目指していきます。まさに、組織も人もPDCAサイクルに則って思考し、行動が展開されてきました。

Check の限界とは?

実は1980年代の後半に、デミング博士はCheckでは十分ではなく、Study(学習)でなければいけないと主張し、「PDSAサイクル」という新たな概念を提唱していました。なぜ、CheckではなくStudyなのでしょうか。それは、Checkだけでは計画に対する進捗状況の評価にとどまり、今後の修正行動が対処療法的な取り組みになりがちだからです。進捗状況が計画とずれている時、その状況を生み出している真の原因(真因)を突き止めない限り、根本的な課題解決の取り組みを行うことは難しいでしょう。そこで、真因を突き止める上で必要な行為がStudyなのです。

熱意・情熱をもって目の前の事象から学ぶ

Studyという英単語の語源は、ラテン語のStudium(熱意・情熱)に由来しています。古の人たちは、熱意・情熱をもって目の前の事象をしっかり見つめ、思考を掘り下げるという行為を通じて、新しい事実を発見していったのでしょうか。
変化の激しい現代は、かつて経験したことがないような出来事が次々に起きています。そうした状況の下では、古の人たちのように熱意・情熱をもって、しっかり現実を直視し、起きてくる事象の根底にある真因は何なのかを考え抜くスタンスが大切になってきます。まさしく、これがStudyの本質なのです。

「振り返り」のすすめ

そして、Studyのためには、立ち止まって「振り返る」時間を確保する必要があります。
松下幸之助は、
「今日一日を振り返り、失敗や成功を見出し、その味をかみしめる。これが体験である。反省することなしにポカンと暮らしてしまえば、これは体験にならない」(『物の見方 考え方』PHP研究所)
と述べ、振り返りの重要性を指摘していました。
また、昨今の脳科学の研究成果によると、瞑想や内省(≒振り返り)を通じて、いろいろな気づきが得られ、判断力が向上したり、仕事への意欲が高まるなどの効果が明らかにされています。

息つく暇のないくらい忙しい人ほど、逆説的に動きを止めて振り返る時間を確保してみてはいかがでしょうか。振り返ることによって、新たな気づきやひらめきが生まれ、仕事の成果が上がりやすくなるでしょう。
デミング博士が遺したPDSAサイクルという概念はあまり知られていませんが、その本質は現代を生きる私たちにたくさんのヒントを与えてくれます。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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